2024年モデルの液晶テレビと有機ELテレビが発表され、販売されています!おすすめ機種を紹介していきます!
2022年モデルの液晶テレビでは、注目技術のMiniLEDバックライトと量子ドットが搭載された機種が発売されました。多くのメーカーでフラッグシップモデルにこれらを搭載しています。
2023年モデル・2024年モデルでは、これらがさらに改良されています。
有機ELテレビも、地道に改良が進められてきた有機ELパネルが搭載され、これまで以上に高輝度化が進んでいます。
フラッグシップモデルは、いずれもかなりの高性能になり、甲乙付け難いハイレベルな戦いとなっています!
難点を挙げれば、新しい技術が導入された分がコストアップとなり、大幅に価格が上がっているものが多いことです。
コスパ的な評価を入れると、2024年10月24日時点でのおすすめ機種は、液晶テレビは「Z870N」、有機ELテレビは「REGZA X9900M series」です!
「REGZA Z870N」は、最先端のMiniLEDバックライトと量子ドット(QD)を搭載し、トップレベルの画質を誇ります!
量子ドットテレビについてこちらの記事で紹介しています。
各テレビメーカーの有機ELテレビのハイエンドモデルはいずれも高画質です。困るのは液晶テレビに比べると価格が高いことです。
その中でも比較的価格が低いのが「REGZA X9900N」です。発売開始からかなり時間が経過しているので、価格もかなり下がっています!
画質ではソニーブラビアのフラッグシップモデルが後述するようにおすすめですが、販売価格が高いので、コスパを考慮するとREGZAがおすすめです。
有機ELは液晶よりも目に優しいのかについてこちらの記事で紹介しています。
テレビは有機ELと液晶のどっちを選べば良い?
有機ELテレビと液晶テレビのどちらを選べばよいのでしょうか?
最初に結論を記しますと、「好きな方を選べば良い」ということになります。いずれもある一定の水準の性能に達していますので、製品として販売され、普及が始まっています。つまり、どちらを選んだからと言って、致命的な失敗ということは有り得ません。
しかし、それぞれ特徴のあるテレビですので、せっかくならばその特徴を理解して、自分の好みに合う方を選びたいという方は、以下にそれぞれの特徴を解説しますのでご覧いただければ幸いです。
テレビを何に使うかと言えば、かつては言うまでもなくテレビ番組を視聴するために使われていました。現在も地上波デジタル放送や4K・8K放送のテレビ番組を視聴する使い方が主流ですが、無視できないのはインターネットに接続して動画配信サービスを利用するという使い方です。もちろんブルーレイディスクなどを視聴することもあります。
このような使い方から考えると、「画質」と「インターネット機能」、「音響」、「外部機器との接続(拡張性)」が重要ですので、それぞれについて解説します。必ずしも必要はないですが、「画質」について理解を深めるためには有機ELと液晶の構造・仕組みを知っておくと役立ちますので、まずそれらを説明します。
またこれらの性能・機能面から有機ELテレビと液晶テレビを比較していった場合、最上位機種がもっとも優れているということになるのは明らかですので、最初に「価格とサイズ」について解説します。実は「価格とサイズ」のことを冷静に考えると、かなり購入候補の機種が絞り込めるからです。
さらに現在の有機ELテレビで懸念される「焼き付き」のリスクについても解説します。有機ELテレビを買って失敗しないために把握しておきましょう。
2024年モデルの最高峰は?4Kテレビなら?
日本で販売される4Kテレビの2024年に販売されるモデルの中でどれが最高峰でしょうか?
これは人によって意見が分かれるところではありますが、価格設定・スペック・技術などから総合的に考えれば、「BRAVIA 9(XR90シリーズ)」と考えられます。
BRAVIA 9(XR90シリーズ)は、ソニーが2024年のブラビアのフラッグシップモデルとしたミニLEDテレビです。有機ELテレビもラインアップしている中で、ミニLEDテレビのポテンシャルを高く評価したためです。
映像のプロが業務で使うマスターモニターの画質を目指した意欲作で、デモでもマスターモニターと並べられていました。
実際、最高峰に相応しい高画質なのですが、値段もかなり高く、多くの人が買える価格ではないようです・・・。
ミニLEDテレビについてこちらの記事で紹介しています。
QD-OLEDパネルを搭載したA95Kの後継機種A95Lも発売されました。A95Lも最高峰と言っても良いレベルの高画質テレビで(*好みによってはA95Lの方が上と考える人もいるでしょう)、実はフラッグシップのBRAVIA 9(XR90シリーズ)よりも高価という逆転現象が起こっています(*65インチでの比較。価格は日々変動します)。
Samsung DisplayがQD-OLEDパネルの量産を開始してからまだ累積の生産量が少なく、おそらくソニー側の調達価格が高いことが関係していると推測されます。
QD-OLEDパネルはSamsung Displayが開発し、主要メーカーに供給しています。これに対抗してLG Displayが開発したものが「マイクロレンズアレイ有機ELパネル」です(*時系列では、LGグループがテレビ用大型有機ELパネルの開発・事業化で先行し、Samsungグループが新たなQD-OLEDパネル方式で戦いを挑んでいます)。
LG Displayが開発し、これまで有機ELテレビに搭載されてきたパネルは、カラーフィルター方式の有機EL(WOLED)パネルで、改良を重ねて来た集大成と言えるパネルが「マイクロレンズアレイ有機ELパネル」です。
それだけに従来の有機ELパネルを凌駕する最高性能のWOLEDパネルで、2024年のレグザとパナソニックビエラに搭載されています。
特に従来の有機ELテレビの弱点であった最高輝度が改善されていて、メリハリのあるコントラストの高い映像を楽しめます!
QD-OLEDパネルとマイクロレンズアレイ有機ELパネルのどっちが優れているのかは意見の分かれるところですが、最大輝度と高輝度領域の色域の広さという点ではQD-OLEDパネルに軍配が上がります。
マイクロレンズアレイ有機ELパネルは明らかにこれまでのWOLEDパネルの中でダントツの画質で、QD-OLEDパネル搭載モデルとの価格比較をすれば、マイクロレンズアレイ有機ELパネルの方がコスト・価格の点で有利です。
このように見てみると、QD-OLEDもWOLEDもまだまだ発展途上で、改良を加えられた新世代の有機ELパネルほど高性能です。
それはある意味、新たな有機ELパネルを開発するSamsungグループとLGグループに主導権を握られている状況とも言えます。
それに比べてミニLEDテレビは、成熟した液晶パネルを使いながらも、ミニLEDバックライトの技術力でテレビの画質・性能を高めることができます。
ミニLEDバックライトの技術力で他社をリードするソニーが、ミニLEDテレビをフラッグシップモデルに設定した理由が何となくわかるような気がします。
QD-OLEDの焼き付きについてこちらの記事で紹介しています。
ハイセンス、TCL、LGのテレビはおすすめ?
日本のテレビ市場は、かつては有力な日本のテレビメーカーが多数あったため、日本製のテレビでほぼ独占されていました。優れた日本製のテレビが多数あったため、日本で使うために海外メーカーのテレビをわざわざ選ぶ理由があまりありませんでした。
しかし、時は流れ、多くの日本のテレビメーカーが撤退あるいは縮小し、中国メーカーであるハイセンスとTCL、韓国メーカーのLGが日本で多くのテレビを販売するようになっています。またかつては日本企業であったシャープを台湾の鴻海精密工業が買収したこと、東芝レグザを作る東芝映像ソリューションをハイセンスが買収したことは広く知られています。
日本のテレビメーカーの製品を長年使ってきたユーザーには、あえてこれらの海外メーカーを選ぶ必要があるのか迷っている場合もあるでしょう。
これらの海外メーカーは、世界で日本メーカーよりも多くのテレビを販売しており、価格が安いです。そのため好みに合わせてこれらのメーカーのテレビを選んでも良いですし、日本メーカーのテレビを選ぶのも良いでしょう。
買ってはいけないテレビメーカーについてこちらの記事で紹介しています。
価格とサイズから有機ELテレビ・液晶テレビの機種を絞り込む
現在販売されている有機ELテレビ・液晶テレビを見ると、10年前よりも基本的には大型化していることがわかります。有機ELテレビは大型が多く、少しずつより小さいものをラインアップに加えようとしています。液晶テレビは、ハイエンドのモデルは小型のモデルを廃止していく動きがあります。
これらはすべてパネルメーカーとテレビメーカーの事情によるものです。有機ELテレビは高額なので、最初はもっとも大きなサイズから商品を発売し、必死に価格を下げ、販売数量を増やすためにさらに小型なものをラインアップに加えようとしているわけです。
液晶テレビは価格低下が進み、テレビメーカーが利益を出すことが難しくなってきたため、平均販売価格を維持するために小型のモデルを廃止する動きがあると推測されます。
日本の住宅事情から考えると、50インチ未満のテレビが丁度良い世帯も多いと考えられますが、ハイエンドの液晶テレビが50インチ以上が主流になる傾向があり、必ずしもユーザーのニーズと一致していないような印象も受けます。
このようにニーズと製品ラインアップとのミスマッチもあり、必ずしも好きなサイズをすべての機種で選べるわけではありません。したがって、最初に購入するテレビのインチサイズを決めると候補を絞り込みやすくなります。
テレビのインチサイズ
これまでテレビを設置していなかった部屋用に新しく購入する場合は、設置スペースをメジャーなどで測定し、どのくらいのインチサイズのテレビが設置できるのか丁寧に確認しましょう。その際にテレビを視聴する距離も考慮しましょう。大きくなるほどある程度離れて視聴する必要があります。
現在、すでに使用しているテレビと買い換える場合には、使用しているテレビのサイズが参考になるでしょう。10年ぐらい前のテレビと比べると、画面の周囲の部分がかなり細くなっています。そのためワンサイズ上のインチサイズにしても設置できることが多いので、本体寸法をよく確認しましょう。
主要メーカーの上位機種を見ると、有機ELテレビは55インチ以上がほとんどです。2020年モデルからようやく48インチモデルの発売が始まりました。そして、2022年モデルからついに42インチモデルが複数のメーカーから発売されています。
多くのメーカーでは、これらの後継機種となる2023年モデルは発売されず、2022年モデルがそのまま継続販売されます。
有機ELテレビでは最も安いモデルになるでしょう。
液晶テレビのインチサイズには、前述のように異変が起こりつつあります。大型化が進み、小さなサイズが廃止になり始めているのです。
例えば東芝レグザのハイエンドモデルであったZ730Xは、65Vインチ、55Vインチ、49Vインチ、43Vインチというラインアップでしたが、その後継機種の2020年モデルのZ740Xおよび2021年モデルのZ740XSは、65Vインチ、55Vインチ、50Vインチというラインアップになっています。
2022年モデルで液晶テレビのハイエンドモデルには、Mini LEDバックライトを搭載したZ875LとZ870Lが追加され、通常の部分駆動可能な直下型LEDバックライト搭載モデルはZ770Lシリーズとして継承されました。これらはいずれも75インチ、65インチ、55インチというラインアップです。
2023年モデルでは、Mini LEDバックライトを搭載したモデルにはさらに上位機種のZ970M(85インチ、75インチ、65インチ)が追加され、前年の後継機種であるZ870M(75インチ、65インチ、55インチ)との2シリーズになりました。
2024年モデルでは、この流れが継承されています。
私はZ730Xの43Vインチを使っていますが、もしこれが故障して買い換えるという事態になった時に、55Vインチでは部屋に置けないので、42Vインチの有機ELテレビを選ばないといけないのか少々気になっています。
このようにテレビが大型化し、上位機種は小さめのサイズが無くなりつつありますので、画質が高く、50インチ未満を求める場合はかなり選択肢が限られてくることを理解しておくと良いでしょう。
価格
テレビという商品は、基本的には価格が下落していく傾向があります。どんどん価格が下落していくと、テレビメーカーの収益が悪化してしまうため、新しい技術や機能を導入することで何とか価格を上げる、あるいは維持するという努力をします。
2024年モデルでは、MiniLEDバックライトの分割数&MiniLEDの個数を増やすことで画質を向上させ、フラッグシップモデルの価格を上げようという動きが見られます。そのため、各社の液晶テレビのハイエンドモデルがかなり値上がりしています。円安やインフレにより、コストアップしていることも原因かもしれません。
有機ELテレビについても、地道な改良を行った新規パネルなどを導入し、値上がりしています。最新のマイクロレンズアレイ有機ELパネルや新世代QD-OLEDパネルが登場しています。
インチサイズが機種によっても異なりますが、基本的には液晶テレビよりも有機ELテレビの方が2〜3割程度高額であると考えた方が良いでしょう。
有機ELテレビと液晶テレビの画質については、下記で詳しく解説しますが、ハイエンドモデルはいずれもかなりの高画質です。これらを観て画質に不満を感じるという方は、かなり画質に厳しいと言って良いでしょう。
つまり、有機ELテレビは最高峰と言える画質ですが、液晶テレビもかなり高い画質ですので、一般的な明るい照明のある部屋で地デジ番組などを視聴するのであればほとんど差がわからないレベルです。
ポイントは、画質の点で大きな差が無くても、2〜3割程度高い有機ELを選ぶのか、それともお買い得な液晶を選ぶのかという点です。また有機ELには後述する「焼き付き」という特有のリスクがあることも受け入れられるのかという点もあります。
以上のようにサイズと価格(予算)から、かなり候補となる機種を絞り込めます。その上で興味ある機種を詳しく比較すると良いでしょう。
テレビの安い時期・価格推移についてこちらの記事で紹介しています。
有機ELテレビで失敗と後悔しないために!
「有機EL(OLED)テレビを買って失敗した!」と後悔する人もいます。主要メーカーで上位機種として販売されている有機ELテレビを買ったのに、なぜ失敗したと後悔することになってしまうのでしょうか?
いくつかのパターンを紹介しますので、後悔しないようにしたいですね!
有機ELテレビは焼き付きのリスクがある
有機ELテレビは自発光型のディスプレイですので、原理的に「焼き付き」のリスクがあります。これはかつてのブラウン管テレビと同じです。
「焼き付き」とは、長時間同じ画面を表示し続けると、画面が変わってもその位置に画像の痕跡が残る現象です。
これは画面全体ではなく、例えば画面の特定の部分にロゴマークなどを常時表示するような場合でも起こりやすくなります。初期の有機ELテレビよりはかなりの改善が進んでいますが、焼き付きが起こるリスクは否定できません。
またメーカーでも、取扱説明書に焼き付きが起こる可能性があることを記載し、さらにはそれは「故障ではない」としている場合もあります。
つまり、保証期間中でも、焼き付きが起こりやすい使い方をして、実際に焼き付きが発生しても、有償修理になる可能性が高いです。修理方法もパネル交換となるとかなりの高額になるでしょう。
焼き付きは使い方にもよりますので、必ず起こるとは言えません。しかし、有機ELテレビには液晶テレビにはないこのようなリスクがあることは理解しておきましょう。
有機ELテレビの焼き付きについてこちらの記事で詳しく紹介しています。
年々改良されており、有機ELテレビが発売された頃と比べると、かなり焼き付きのリスクは下がっています。通常のテレビ放送などを毎日数時間程度視聴するような使い方ならば、過度に心配する必要がないとされています。
有機ELテレビは寿命が短い
有機ELパネルの特性上、液晶テレビよりもパネル寿命が短いとされています。
しかし、これまでの研究開発努力により、一般家庭での通常の使い方(毎日数時間程度テレビ放送などを表示し、使わないときは消しているという使い方)であれば、十分な寿命程度まで向上しています。
むしろ有機ELパネル以外の他の電子部品などが先に壊れて使えなくなる確率の方が高いようです(*メーカーや製品ごとの違いがあるので厳密には言い難いので、全般的な有機ELテレビにおいてと言う意味です)。
またどのような工業製品でも、わずかな確率で不良品は発生しますので、絶対に短期間で壊れないという意味ではありません。
一般に購入して3年以下などの短期間で故障してしまうと、「失敗した!」と思うことが多いです。必ずしもパネルは問題なくても、その他の電子部品などが故障してテレビとして使用できなくなることはあります。そのような意味での故障は、有機ELテレビも液晶テレビも違いはありません。
「失敗した!」というリスクを避けるためには、最低でも4年以上の長期保証に入っておくことをオススメします。
家電量販店でテレビを購入する時には、通常は長期保証を有償あるいは無償で付けられます。
Amazonの直販のテレビも通常は購入時に長期保証を付けられます(*通常、購入ボタンの少し下に「長期保証」のチェックボックスがあります)。直販ではない場合や楽天などの色々なショップが出店しているサイトでは、ショップによります。
有機ELテレビは暗い
主要メーカーの上位機種の有機ELテレビと液晶テレビを比較すると、画面の最大の明るさ(輝度)が液晶テレビの方がかなり高いです。
有機ELテレビは、画面を明るくするほど有機化合物の発光材料が劣化しやすく、寿命を縮めてしまう特性があるため、明るさをある程度以下に抑えているためです。
それでも有機ELテレビの最高輝度は年々向上し、直射日光が入り込まない一般家庭の部屋であれば、問題ない程度の明るさで表示できるようになっています。
ただし、年々向上しているということは、型落ちの古い機種ほど、上位機種よりは下位機種ほど最大輝度が低く、暗いということは知っておいた方が良いでしょう。
昼間に日光が差し込むような明るい部屋では少し暗いと感じる機種もありますので、実物の画面の明るさを確認してから購入する方が安全です。
有機ELテレビは価格が高い
主要メーカーの各グレードの機種を比較してみると、通常は液晶テレビよりも有機ELテレビの方が高いです。これは、有機ELパネルと液晶パネル以外の部分のスペックを比較し、同じような仕様の機種間で比べるということです。
有機ELテレビも液晶テレビも年々性能が向上し、家電量販店などで見比べても上位機種はどっちが有機ELでどっちが液晶なのかかなりわかりにくくなっています。
つまり、テレビとして目指す理想の画質は同じであり、年々短所を改善して理想に近づいているため、かなり注意深く見ないと違いがわかりにくくなってきているということです。
したがって、違いがわかりにくいのに有機ELテレビの方が値段が高いとなると、買った後に液晶テレビを見て後悔することもあるということです。
有機ELテレビは家電リサイクル法対象外
これは有機ELテレビを処分する時に関係してくることなのですが、実は有機ELテレビは家電リサイクル法の対象になっていません。
多くの人は、現在使っているテレビが故障するなどした場合に買い替えをすることが多いです。しかし、故障した有機ELテレビは、家電リサイクル法の対象外なので、販売店で引き取ってもらえないことがあります。
その場合は、面倒なのですが自治体のルールにしたがって、産業廃棄物、大型ごみなどとして処分しなければならず、処分費用もかかります。これは案外痛いですよね。
有機ELテレビを処分する場合は、故障する前に中古品として売るという方法が賢い可能性が高いです。
有機ELと液晶の違い:構造と仕組み
面倒でしたらこの部分は読み飛ばしていただいても構いませんが、画質や焼き付きなどの特性を理解する上で、知っておくと役に立ちます。
液晶の構造と仕組み
液晶の構造を簡単に説明します。2枚のガラス基板の間に液晶分子という有機化合物とカラーフィルターを入れ、基板の外側に2枚の偏光板を貼ったものを液晶パネルと呼んでいます。液晶パネルは自ら発光しないため、背面に面状に発光するバックライトを配置します。
各画素部分にある電極に電圧をかけ、液晶分子を動かすことで、バックライトからの光を透過(ON)させたり、遮ったり(OFF)します。映像信号に応じて各画素のバックライトからの光の透過量を制御することで、映像を表示できます。
バックライトからの光は白色ですが、カラーフィルターが各画素ごとに赤・緑・青から構成されており、カラー表示できます。液晶分子そのものは発光しないため、「非発光型ディスプレイ」と呼ばれています。
有機ELの構造と仕組み
有機ELは、電流を流すとそれぞれ赤・緑・青に発光する有機化合物を使用しています。
有機ELにも大きく2つのタイプがあります。それらは赤・緑・青用の有機化合物を、各画素のサブピクセルごとに塗り分けるタイプと、赤・緑・青用の有機化合物を積層して白色を作り出し、カラーフィルターを用いてサブピクセルを色分けするタイプです。
テレビの場合は、後者のカラーフィルター方式が実質的にデファクトスタンダードです。物質に電流を流すと発光する現象をエレクトロルミネッセンス(EL)と言い、そのような物質として有機化合物を使うことから「有機EL」と呼ばれています。
ちなみに海外ではOLED(Organic Light Emitting Diode)と呼ばれ、国内でもそのような表記がされている場合があります。有機化合物が自ら発光することから、「自発光型ディスプレイ」と呼ばれています。
以上のように液晶と有機ELは、「非発光型ディスプレイ」と「自発光型ディスプレイ」という点が根本的に違っており、そのことが次に紹介するような画質の違いの原因となります。
4Kテレビで有機ELと液晶の画質は違うの?
解像度とアップコンバート
実物を見た時に画素が見えることはありません。画素が気にならないレベルのきめ細かな解像度が必要です。
4Kテレビは、解像度3840×2160のテレビです。フルハイビジョンの解像度1920×1080の4倍に相当します。4Kテレビであれば、解像度は3840×2160ですので、有機ELテレビも液晶テレビも同じです。
しかし、現在は、フルハイビジョンの地デジを4Kテレビで見ることが多く、映像信号を4Kの解像度にアップコンバート(アップスケーリング)する必要があります。
このアップコンバードの機能が、メーカーによる差および機種による差があります。もともとの映像信号に記録されている解像度よりも高めるわけですので、ある意味CGのようにコンピューターで絵を作り出すようなものです。
通常のテレビで毎秒60コマ、後述する倍速駆動で毎秒120コマの画像を表示しますので、それらをすべて高速で演算処理します。その演算方法や処理速度によって表示される画像に差が出るわけです。
家電量販店のテレビ売り場で、必ず地デジの映像を表示してもらい、アップコンバートの能力を見比べてもらいましょう。高い評価を得ているのが、東芝REGZA(レグザ)に搭載されてる「超解像技術」と名付けられたアップコンバートです。映像の緻密さやノイズに実力差が出やすいです。
東芝レグザ以外ではソニーのブラビアのアップコンバート技術も高く評価されています。
ソニーのブラビアと東芝レグザのハイエンド機種であれば、画質で他の機種に比べて著しく不満を感じることはまずないでしょう。
フレームレートと倍速駆動
前述のように通常の地デジの画像を液晶テレビで映すと、毎秒60コマ(60Hz)の画像を表示します。つまり、コマ送りの漫画のように、静止画を連続的に表示していくことで動画に見せているわけです。倍速駆動のテレビでは毎秒120コマ(120Hz)で表示しています。
最近は4Kビデオカメラが毎秒30コマ(30Hz)で撮影していますので、撮影しているところでモニター画面を見てみると分かりますが、コマ数が毎秒30コマでは動画がカクカクしたコマ送りのように見えます。毎秒60コマならばかなり良くなりますが、スポーツなどの動きの速い映像では残像感が残ります。スタジアムなどで観客席をパーンしていく時なども、画面がざらついたような印象を受けます。
リアルで美しい映像を表示するためには毎秒120コマ(120Hz)レベルの倍速駆動が必要でしょう。倍速駆動であれば、有機ELと液晶もほぼ同じです(*厳密には液晶分子の応答速度の影響はあるのですが、それを見分けられる人は一般的にはほとんどいません)。
テレビの倍速機能についてこちらの記事で紹介しています。
ディスプレイの画質を決める要素についてこちらの記事で紹介しています。
コントラスト
普段、身の回りで目にするもっとも暗い部分の明るさともっとも明るい部分の明るさは、非常に差が大きいです。例えば太陽の明るさと、物体の影になっていて周囲からまったく光が当たらないような洞窟の入り口が、一緒に視野に入った場合は、ものすごく明るい部分と暗い部分が同時に目に入ってくるわけです。
テレビは、[表示可能なもっとも明るい輝度]/[表示可能なもっとも暗い輝度]の差をコントラストと呼びます。テレビの表示では、身の回りの視野に入ってくる映像よりは、表示できるコントラストが小さくなります。
そのためコントラストを大きくできるほど、よりリアルな画像に近づけることができます。
有機ELと液晶でもっとも違いが出るのがこのコントラストです。有機ELは真っ黒を表示するのが得意で、コントラストの分母を小さくできるので高いコントラストが実現できます。しかし、輝度を高くすると寿命が短くなりますので、分子の最大輝度は液晶よりも小さく抑えられています。
液晶は、原理的に黒を表示してもわずかに光り、コントラストの分母が少し大きくなります。そのためコントラストの値は有機ELに劣ります。しかし、劣化の心配がほぼ無いため、最大輝度を高くできます。
このそれぞれの特性がどうなるのかというと、暗い部屋で黒表示の領域が大きい映像を見た時に、有機ELの方が断然きれいに見えます。
最近は液晶ディスプレイでもローカルディミングなどの用いて、暗い領域のバックライトを消灯することにより、コントラストを高めた製品もありますので、かなり画質は向上していますが、有機ELはさらにその上のレベルです。
ところが普段テレビを見る環境はどのようなものでしょうか?天井に照明のある部屋などで、地デジ放送などをみることがほとんどではないでしょうか?
天井の照明が点灯していると、有機ELでも画面の表面で外光が反射し、黒表示も真っ黒にならず、実質的なコントラストは低下します。さらに真っ黒の領域が多い画面は、映画など以外ではあまりなく、どちらか大雨と画面内に太陽の光が反射して眩しいような映像の方が多いかもしれません。そのような条件下では、有機ELと液晶の差は縮まります。
実際の製品としては、HDR(High-dynamic-range rendering)機能のあるものが、高コントラスト表示が可能です。
色域(表示できる色数)
色域とは、厳密には色度図を用いて説明すべきですが、大まかには表示できる色数と考えて良いでしょう。
実物と同じようなリアルな映像を表示するためには、実物と同じ色で表示する必要があります。実はこれが難題で、現在の技術では表示できる色域(色数)が限られています。
地デジではまず映像信号の段階で、実物よりも記録できる色域が狭く、またそれを表示するテレビでも実物よりは表示できる色域が狭いという2つの問題があります。そのため、同じ映像でも表示するテレビによって色味が異なるという現象が起こります。
将来は映像信号もテレビも実物と同じ色が表示できるようになると期待されますが、しばらくは無理です。
このような状況はある意味メーカーの腕の見せどころでもあり、個性が出るところでもあります。実際に家電量販店で見て、好みの色合いで表示される機種を選びましょう。同一メーカー内でも有機ELと液晶で多少色味が異なりますが、それよりもメーカーによる差の方が大きいようです。映像信号をどのように処理するかが、メーカーごとの考え方によることが原因です。
ただ、テレビの設定で、派手目の色や抑えめの色などの調整ができることがほとんどですので、それらもチェックしてみましょう。
視野角
有機ELテレビは視野角が広く、自発光ディスプレイの特長としてかなり斜め方向から見てもきれいに画面が見えます。
液晶テレビは使用している液晶パネルのタイプによって大きくことなります。主要なタイプはIPSとVAです。
IPSでは、非常に広い視野角となり、角度による色変化もほとんどありません。VAも広い視野角となりますが、IPSよりは狭く、正面と斜めでは色が変化し、広角になるほどコントラストが低下します。正面のコントラストはVAが高く、IPSの方が低くなります。
しかし、IPSとVAの弱点を改善する技術も開発され、上位機種には導入されていますので、これらの違いも気が付きにくくなっています。例えばVAには視野角を広げる部品が使われていますし、IPSには部分駆動可能な直下型バックライトが組み合わされたものがあります。
いずれにしても液晶テレビの視野角は上位機種ならばかなり広く、通常の使い方ならば有機ELテレビと遜色ないと考えて良いでしょう。
以上を考えると、4Kテレビを買うのであれば、アップコンバートと倍速駆動、HDRがついているものがおすすめです。
液晶テレビは、これらの機能が付いているものと、ほとんどすべて付いていない安いものの2極化しているようです。有機ELは、ほぼハイエンドの製品と位置づけられていますので、ほぼすべてが付いています。色は好みのものが良いでしょう。
4Kテレビは有機ELと液晶でインターネット機能は違うの?
インターネット機能が搭載され始めた頃は、かなり処理速度が遅い機種もありましたが、現在はほとんど問題無いようです。パソコンと同様でこれはプロセッサーの処理速度に依存しますので、できるだけ最新の高性能のプロセッサーを搭載している機種(=ハイエンドの機種)を選びましょう。プロセッサーのグレードがワンランク下がるとかなり処理速度が劣ります。
ハイエンドの機種であれば、有機ELテレビと液晶テレビの差はないでしょう。カタログ・サイトの仕様表などで搭載しているプロセッサーの種類を調べることで確認できます。
またインターネット経由の動画配信サービスを存分に楽しむためには、光ファイバーなどのブロードバンド回線を引き込み、LANケーブルあるいはWiFiでテレビと接続する必要があります。最近の上位機種であれば、通常はWiFiに対応していますので、テレビをWiFiの無線LANルーターの電波が届くところに設置すれば特に配線しなくても使えるでしょう。
音響
テレビで何を視聴するのかにもよりますが、映画、音楽コンテンツ、ドラマなどを視聴する時に音響のクオリティの差は臨場感に大きく影響します。これもハイエンドモデルほど良いものを搭載していますし、メーカー間の差も大きいところです。
また画面が大きくなるほど、画面とスピーカーの位置のズレも気になる場合もあります。その点、ソニーの有機ELテレビのように画面から音が出てくる仕様になっているものは臨場感が高いでしょう。
画面から直接音が出ない機種でも、複数のスピーカーを使ってサラウンドで立体的な音響システムを搭載しているものは同様に優れています。
外部機器との接続(拡張性)
テレビに何を接続するのかは使い方次第です。一般的にはブルーレイディスクレコーダーやUSB接続の外付けHDD、ゲーム機などでしょう。機種選びの時に、これらを接続する予定があれば対応しているのかどうか確認しましょう。基本的にはハイエンドの機種であればインターフェイスも充実していますので問題なく接続できるはずです。
結局、有機ELテレビと液晶テレビのどっちがいいの?
液晶テレビがおすすめの方
・できるだけ安く高画質・高性能のテレビが欲しい方
「高画質・高性能」の液晶テレビであれば、ほとんどのコンテンツを視聴する際に有機ELテレビと大きな差はありません。ただし、ハイエンドの液晶テレビに限ります。それでも有機ELテレビに比べればかなり安いです。
「高画質・高性能」の液晶テレビならば、ソニーのブラビアまたは東芝レグザのハイエンドモデルをオススメします。
しかし、もう少し安い機種が欲しいという場合、ハイセンス(Hisense)のハイエンドモデルも比較してみましょう。
レグザのメーカーである東芝映像ソリューションは、中国のハイセンスに買収されました。そのため東芝レグザの技術がハイセンスのテレビに活用され、著しく画質・性能が向上しています。ある意味廉価版のレグザのようなモデルに仕上がっていますので、お買い得だからです!
また画質やインターネットの動画配信機能の処理速度の差などもそれほど求めて無く、とにかく安いテレビが欲しいという方も液晶テレビがおすすめです。その場合は、10万円以下の低価格帯のテレビが対象となります。
どこまで画質・性能で妥協するかでいろいろな機種が幅広くありますので、好みのものを選ぶと良いでしょう。
有機ELテレビがおすすめの方
・高画質・高性能の最先端のテレビが欲しい方&液晶テレビとの価格差が気にならない方&焼き付きのリスクを理解できる方
有機ELテレビは最高峰の画質です。特に映画などのコンテンツを部屋の照明を暗くしてじっくり鑑賞したい方には最適です。
しかし、通常の地デジの番組を、明るい照明の下で視聴する場合は、「真っ黒が表示できる」という最大の長所が画面の映り込みなどによりあまり効果が発揮できなくなり、液晶テレビとの差が小さくなります。通常の地デジの映像では真っ黒の画像などはあまり表示されないからです。もちろん画質が悪くなるということではありません。
現状では液晶テレビよりもかなり高額ですので、その価格差が気にならない人、それから焼き付きのリスクを許容できる人に限られるでしょう。
有機ELテレビが欲しいけれど、できるだけ安いものを買いたいという場合は、LGの有機ELテレビがオススメです。
LGは、傘下のLG Displayがテレビ用有機ELパネルをほぼ独占的に製造・販売していますので、非常に有利な立場で有機ELテレビを製造販売できます。そのため非常に高性能でありながらお買い得価格、すなわちコスパが高いモデルがあります。
4K有機ELテレビと8K液晶テレビのどっちを選ぶ?
ハイエンドのテレビが欲しいという場合、4K有機ELテレビと8K液晶テレビのどっちを購入すべきか迷うこともあるでしょう。以下に解説します。
4K有機ELテレビと8K液晶テレビを選ぶにはまずサイズを確認
8K液晶テレビと言えば、やはりシャープのアクオスとソニーのブラビアです。
ブラビアは、2020年モデルの85インチのみですので、価格も高く、選択肢も少ないです(*以下、楽天のショップのリンクです)。
[推奨品]SONY KJ-85Z9H 液晶テレビ BRAVIA 85V型 (8K対応 BS 8Kチューナー内蔵 YouTube対応)
4K有機ELテレビは、日本国内ではソニー、パナソニック、東芝、シャープ、LGなどから販売されており、それぞれのメーカーのテレビのラインアップの中ではハイエンドのプレミアムなテレビとなっています。
サイズは、42インチから83インチまで、いろいろなサイズがあります。
一般家庭では、テレビの設置スペースと視聴距離の関係から、70インチのテレビを使用できる方は限られています。比較的大型のテレビを設置できる家庭でも60インチ程度がほとんどで、55インチ程度でもかなり大きい方でしょう。
ちなみに我が家では43インチの液晶テレビを使用しており、部屋の大きさの関係でこれが限界です。したがって、60インチのテレビが設置できない場合は、8K液晶テレビは購入対象にはなりません。また42インチのテレビでも設置できない場合は、4K有機ELテレビも購入対象にはなりません。
60インチ以上になると、視聴距離が近い場合には4Kでも画素の粗さが感じられるようになりますので8Kの高解像度の優位性が出てきます。しかし、55インチで普通の視聴距離で見る場合は、4K有機ELテレビでもそれほど画素の粗さは気にならないでしょう。
4K有機ELテレビと8K液晶テレビのメリットは?
4K有機ELテレビの最大のメリットは、黒が「真っ黒」に表示できるため、コントラストが非常に高いことです。部屋の照明を暗くして、暗いシーンの多い映画などをじっくり鑑賞するならば最高のテレビと言えるでしょう。
8K液晶テレビの最大のメリットは、8K放送をそのままの高解像度で表示できることです。さらに4K放送や地デジのハイビジョン放送も8Kにアップコンバートして表示することができます。前述のように画面サイズが大きくなるほど、高解像度の優位性が実感できます。70インチ以上の大型テレビならば、8K液晶テレビがおすすめです。
しかし、55インチの4K有機ELテレビと60インチの8K液晶テレビならば、後述するような事情からも4K有機ELの方が有利なことも多いです。
4K有機ELテレビと8K液晶テレビのデメリットと買い時は?
4K有機ELテレビと8K液晶テレビは、それぞれのメーカーのハイエンドモデルなので、基本的にはテレビに装備されている様々な機能もほぼフル装備で、高性能です。したがって、予算が許すならばこれらを購入すれば性能面で残念な思いをすることは少ないでしょう。
しかし、使い方によってはいくつかのデメリットもあります。それらについて簡単に解説します。
まず8Kテレビは、8K放送を視聴しない状況では、もっとも高い画質で映像を視聴することはできません。アンテナや配線などの関係で、8K放送が視聴できていない家庭も多く、そのような状況では本来のスペックを発揮できないでしょう。
そのため4K放送や地デジを8Kにアップコンバートして視聴することになるわけですが、それは以下で述べるような事情もあります。
実は、現時点では8Kのみならず4K放送でさえ視聴している家庭はわずかで、ほとんどの家庭では地デジ放送を4Kにアップコンバートして視聴しています。4Kを視聴できている家庭でも、番組・チャンネル等の事情により視聴時間の多くは2Kコンテンツを4Kにアップコンバートして視聴していると考えられます。
そこでアップコンバート技術について考えてみます。
ある程度画質に関心が高く、ハイエンドのテレビの購入を検討する消費者の目で見ると、4Kテレビや8Kテレビはまだまだ発展途上の商品です。諸性能の中でも特に技術の差が分かりやすいのはアップコンバートの技術です。
フルハイビジョン映像などのもともと解像度が低い映像を、より高解像度の4Kや8Kに高めるわけですので、ある意味魔法のような技術です。
家電量販店で複数のメーカー・機種で、地デジ放送をアップコンバートした映像をじっくり見比べてみると、映像の緻密さやノイズの発生状況などにかなりの差があることがわかります。これはもともとの映像信号から高速の信号処理を行っているので、いわゆる画像エンジン(または映像エンジン、プロセッサー)の性能差が直接的に効いてきます。
それだけに画像エンジンがバージョンアップすると、格段にアップコンバート機能が向上することがわかります。これは裏を返せば、まだまだ技術的に発展途上で、新製品が出る度に性能向上が見られるということです。
フルハイビジョンから4Kに4倍のアップコンバートする処理でも性能差が見てわかりますので、16倍の8Kへのアップコンバートとなるとさらに画像エンジンに負荷がかかり、まだまだ発展途上でしょう。
またアップコンバートよりも、4K放送や8K放送をそのまま視聴する方が、断然きれいな映像が楽しめます。それだけに8K放送を視聴しないのであれば、55インチ程度の4Kテレビで4K放送を視聴する方がきれいに見えます。
4K放送も視聴せずに地デジを主に見るのであれば、1段階のアップコンバートで済む4Kテレビで55インチ程度で視聴する方法がきれいに見られるでしょう。
もう一つ知っておきたいのは、4K有機ELテレビも2019年モデル以降はそれ以前のモデルと比べて格段に画質が向上しました。これにはいくつかの理由がありますが、有機ELパネルとその制御技術がまだ発展途上であり、新製品が出る度に大幅に性能が向上する余地があるということです。
それと同様なことは8K液晶テレビでも言えます。
したがって、今すぐ4K有機ELテレビあるいは8K液晶テレビを購入したいという場合を除けば、次期モデルの登場と価格下落を待つという作戦も悪くはないでしょう。
もう一つの選択肢として、かなり性能的に成熟し、価格も下落してきている4K液晶テレビを選ぶというのも良いでしょう。その場合はバックライトが直下型で部分駆動(ローカルディミング)できる機種がコントラストが高くておすすめです。
コスパ的にはもっとも優れていますし、部屋の照明を付けた普通のリビングで、通常の地デジなどを視聴するならば、最高輝度が高いという特徴が活きているでしょう。
4K有機ELテレビと8K液晶テレビのどちらを買うべきかということについて紹介しました。最後にコスパ的にも優れる4K液晶テレビについても触れました。できるだけ予算が許す範囲で、それぞれのタイプの中の上位機種を選ぶと、搭載されているプロセッサーの処理速度も速く、快適に使用できるでしょう。
また有機ELテレビには、焼き付きというリスクがあることは理解しておきましょう。有機ELテレビの焼き付きについては、こちらの記事「有機ELテレビの焼き付き問題は解消したのか?保証してもらえるの?」で詳しく紹介しています。
まとめ
4Kテレビは有機ELと液晶のどっちが良いかという点については、冒頭で述べましたように「好きな方を選べば良い」ということになります。価格は有機ELテレビの方が高いこと、有機ELは画面の焼付きや寿命の問題があると言われていることは念頭に置いておきましょう。
最後にもっとも重要なポイントをお伝えします。「テレビを選ぶ時には必ず実物を観て決める」ということが大切です。
実はテレビの映像は、同じテレビ番組などを映しても、メーカー・機種によって画面の色合いなどが異なっています。ある程度はテレビの設定によって調整できますが、根本的な「絵作り」というところまで変えることはできません。自分の好みに合った映像を楽しめるメーカー・機種のテレビを選ぶということも、案外重要な選び方です。
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