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ディスプレイの色域とは?Rec.2020・AdobeRGB・DCI-P3とは?

投稿日:2019年4月27日 更新日:

ディスプレイの画質が向上し、リアルで色鮮やかな映像が楽しめるようになりました。ディスプレイが表示できる色の領域(色数の範囲)を表す用語として、「色域」という言葉が使用されています。また色域の規格としてRec.2020、AdobeRGB、DCI-P3をよく耳にするようになりました。これらはどのようなものでしょうか?以下に簡単に紹介します。

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ディスプレイの色域とは?sRGB・NTSC・AdobeRGB

以下の図は、一般にxy色度図といわれるもので、CIE1931色空間を表すものです。色を座標で表すことができます。

図中の馬蹄形に色付けされている領域が、人間が知覚することができる色の領域です。また図中で三角形で示されているのが、規格で定められている色域です。ここでは従来からよく使われてきたsRGB、NTSC、AdobeRGBの規格の色域について示してあります。

ディスプレイで表示するためには、画像のデータが必要です。いろいろな画像をディスプレイで問題なく表示できるようにするために画像データの記録フォーマットを定める必要があり、これらの規格に準拠して記録されています。

これらの色域の規格を見てすぐに分るのは、人間が知覚できる色の領域(色数)の中のかなり限られた色しかカバーされていないということです。規格と定める色域は、人為的に定めるものですので、理論上はどのような広い色域でも制定することは可能です。しかし、一般に画像はカメラで撮影あるいはCGで作成するなどして作り、ストレージに記録し、光ファイバー・ケーブル・無線等で伝送し、それをディスプレイで表示するなどしますので、これらの技術レベルとかけ離れたものでは意味がありません。利用可能な技術で取り扱うことができる色の範囲に合わせて制定されています。

ここで掲載しているsRGB、NTSC、AdobeRGBは、従来から使用されてきたもので、最新の広色域技術に対応する色域については次項以降で紹介します。

sRGBは、国際標準化団体のIEC(国際電気標準会議)が1998年に制定した標準規格です。モニター、プリンター、デジタルカメラなどに広く使用されています。

技術の進歩とともに取り扱うことができる色が増えてきます。そこでAdobe Systemsが提唱したのがAdobeRGBです。sRGBよりも格段に広い色域を持ち、特にDTPの分野などではすでに標準の色域となっています。

NTSCは、アメリカの国家テレビ標準化委員会が作成したもので、アナログテレビ方式の色域規格です。sRGBとAdobeRGBが主にテレビではなく、モニター等に使用されているのに対し、NTSCがなぜ同じように使われているのかというと、液晶ディスプレイがモニターに使用されるまでは、ブラウン管のモニターが使われていたためです。しかし、ブラウン管のモニターがNTSCの色域をすべてカバーしていたわけではなく、その72%程度をカバーしていたにすぎません。

つまり、従来のディスプレイでは、表示できる色域(色数)が非常に限られていたわけです。しかし、近年はディスプレイ技術の進歩とともに、広色域対応のディスプレイが登場してきました。

ディスプレイの色域のRec.2020とRec.709

従来の地デジ(ハイビジョン放送)では、下図のRec.709(日本ではBT.709と呼ばれることが多い)の色域でした。これは前述のsRGBと同じ色域です。

これが2018年12月に放送開始となった4K/8K放送では、Rec.2020(日本ではBT.2020と呼ばれることが多い)の色域に拡大されました。これは非常に広大な色域を表すもので、地球上で観測される物体の色のほとんどを含むことができます。

実は、Rec.2020の色域をすべて表示できるディスプレイは製品化されてなく、試作レベルでカバー率98%のものがあるだけで、実用化できそうなディスプレイの色域としては究極のものと言って良いでしょう。この色域に合わせて、撮影、記録、表示することができるようになれば、「同じ画像なのに表示するディスプレイによって色が異なる」などということは無くなるかもしれません。

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ディスプレイの色域のDCI-P3

前述の色域の他にDCI-P3という規格があります。これはデジタルシネマ向けの規格で、ハリウッドの7大映画スタジオからなるDigital Cinema Initiativesが提唱しています。

印刷、放送、映画などの業界では、いずれも映像・画像を取り扱うとはいえ、使用機材や作業内容が異なりますので、自らが使いやすいような規格を定めようとするわけです。

最近はブロードバンドネットワークが普及し、スマホやタブレットも多くの人が利用するようになりました。そのため、スマホやタブレットから印刷したり、それらでテレビや映画を見たりする機会も増えてきました。そうなると業界ごとの色域の区別は、スマホやタブレットを使う際にはあまり境界が無くなってきています。

Appleは、Display P3という色空間をiPhone 7以降のiPhoneに導入しています。これは色域としてはDCI-P3と同じです。このように技術の進歩とともにより広色域対応になる方向で進んでいますが、技術的に広色域化もまだまだ難しいため、いくつかの色域が制定されて使用されています。

広色域ディスプレイの開発動向

前述の4K/8K放送の放送規格であるRec.2020(日本ではBT.2020と呼ばれることが多い)については、この広大な色域を完全にカバーできる(表示できる)ディスプレイは製品として世の中に存在していません。原理的には赤色・緑色・青色(RGB)の3原色の光源に規格で定められた波長のレーザーを使う方法しか現状では考えられません。

以前、三菱電機がRGBにレーザーダイオード(LD)を使用した液晶ディスプレイを試作し、SIDでの国際会議発表やNHK技研での展示発表を行いましたが、それでもRec.2020の色域のカバー率は98%程度であったと思います。それだけ技術的にも実現が難しい広い色域であるということを知っておいた方が良いでしょう。

三菱電機は、赤色のみLDを使用する液晶テレビを販売していましたが、現在は販売していません。したがって、現時点ではLDを光源に用いた液晶ディスプレイは製品として販売されていないようです。LEDを用いた液晶ディスプレイの色域は、必ずしも製品ごとに公開されていませんが、Rec.2020の色域とはかなりの隔たりがあると考えられます。

AppleのiPhoneやMacbookなどが準拠するDCI-P3については、98~100%のカバー率のモニターなどが登場しています。

液晶ディスプレイの場合、これらのような広色域化を行うために、現状では広色域対応の蛍光体を用いる方法と、量子ドットを用いる方法の2つが製品として採用されています。これらについては、こちらの記事「液晶の色域はLEDの蛍光体で広げる!KSFとは?YAGとは?」とこちらの記事「ディスプレイ用量子ドットの技術動向のまとめ」で紹介しています。

まとめ

ディスプレイの色域について紹介しました。複数の色域の規格があるために混乱しますが、その特徴と色度図上での領域を比較すれば、違いが分かりやすいでしょう。

ディスプレイに色域を表す色度図としてxy色度図とu’v’色度図がありますが、どちらを用いるのが良いのでしょうか?こちらの記事「色度図はxyを使う?u’v’を使う?ディスプレイの色域用は?」で紹介しています。

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