Apple Watch 4のLTPOとは?メリットは?iPhoneへも搭載?

Apple Watch

Appleは、2018年発売のApple Watch Series 4にLTPOと名付けた最新のバックプレーンを搭載し、注目を集めました。Apple Watch Series 4のLTPO OLED Displayは、SIDの2019 Display Industry Awardsを受賞し、Appleの技術者からSID2019にて発表も行われました。以下に紹介します。

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Apple Watch 4のLTPOとは?SID2019で発表

まずApple Watch 4のLTPOとは何のことでしょうか?これはLow-temperature Poly-Crystalline Silicon and Oxideの略です。従来から使われている低温ポリシリコン(LTPS)とIGZOなどの酸化物半導体を組み合わせて、それらの長所を活かしたAMOLED用のTFTバックプレーンです。バックプレーンとは、有機EL(OLED)や液晶の駆動素子を形成した基板のことです。一般にガラスや樹脂の基板にTFTや電極を形成して作ります。

LTPOはAppleが開発し、特許を取得。LG、JDI、シャープ、サムスンなどに技術を紹介し、製品開発を要請したようです。Apple Watch 4にはLGが製造したAMOLEDが搭載されており、プラスチック基板上にLTPOが形成されています。

Appleは、同社が主催するイベントなどでティムクックCEOらが講演する以外は、ほとんど自社のテクノロジーを講演することは従来からありませんでした。ところが少しずつ変化しており、SID2019では、Apple Watch 4のLTPOなどを担当した技術者が招待講演を行いました。そのため、かなり技術の詳細が紹介されるようになっています。

Apple Watch 4のLTPOのメリットは?

Apple Watch 4のLTPOのメリットは、主に低消費電力化と表示面積拡大です。中型・小型のOLEDにはTFTとして従来はLTPSが主に使用されてきました。LTPSは高い移動度の優れたTFT材料ですが、オフ電流がやや高く、リーク電流が比較的多いという特徴があります。

消費電力を下げる方法として、駆動周波数を下げる方法があるのですが、その場合は表示画面の書き換えの周期が長くなり、リーク電流によってOLEDの輝度が低下します。書き換えた直後は輝度が高くなり、次の書き換えまで輝度が徐々に下がり、次の書き換えでまた輝度が高くなるということが駆動周波(リフレッシュレート)によって繰り返されます。リフレッシュレートが60Hz以下になるとこの輝度変化が視認されるようになり、いわゆるフリッカーとして気になります。特に10-15Hzでは非常にフリッカーが目立つようになります。

Apple Watch 4のLTPOでは、1-60Hzの範囲でフリッカーがほとんど感じられないような制御を実現しました。それは上記のOLEDの輝度を制御するTFTに酸化物半導体を使用することにより実現しました。酸化物半導体は、オフ電流が非常に低く、リーク電流が桁違いに少ないため、次の書き換えまでの輝度変化が小さくできるためです。

またLTPOでは、ディスプレイ周辺回路や画素部のスイッチングにLTPSを使用しています。高速なスイッチングが可能というLTPSの特徴を活かします。ディスプレイ周辺回路は、LTPSを用いることにより、CMOS回路を作って、バックプレーン上に一体形成することができます。これにより狭額縁化が可能で、表示面積を拡大することができます。

*Apple Watch 5にももちろんLTPSが搭載されています。新しい技術は、最初に搭載されたモデルよりも次あるいはその次の新製品の方が改善され、使いこなし方もうまくなるものです。Apple Watch 4は販売が終了しましたので、選べるのはApple Watch 5と3です。こちらの記事「Apple Watch 5と3のどっちを選ぶ?何が違うの?」で紹介しています。

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LTPOはiPhoneにも搭載されるのか?

このように優れた特性を有するLTPOですが、今後はApple Watch以外にも搭載されるのでしょうか?当然のことながらAppleのOLED搭載のiPhoneに搭載される可能性があるでしょう。

iPhoneのOLEDパネルは、サムスンが製造しており、AppleはサムスンへもLTPOの製品化を要請したとされています。LTPOのOLEDパネルを量産するためには、おそらくより多くのフォトマスク工程が必要であり、追加の設備投資が必要で、また歩留まりも下がるでしょう。

サムスンのRGBを蒸着で塗り分ける方式のOLEDは、LGのカラーフィルター方式よりも難易度が高く、またパネルサイズもApple WatchよりiPhoneの方が大きいため、開発には時間を要するでしょう。2020年発売のiPhoneに搭載されるという噂もありますが、真偽のほどは分かりません。しかし、近い将来に登場するでしょう。

まとめ

Apple Watch 4のLTPOについて紹介しました。低消費電力化と表示面積拡大に大きく貢献する技術で、今後の搭載拡大に期待したいです。

TFTについては、こちらの記事「TFTのまとめ!簡単に理解できます!」にまとめました。

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