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テレビのガンマ補正とは?ディスプレイの階調とフルカラー表示について

ディスプレイの画質

テレビやモニターなどのディスプレイの特性の話では、「ガンマ補正」という用語がよく登場します。ガンマ補正とはどのような意味でしょうか?ディスプレイの階調表示とともに理解しておくと良いでしょう。以下に紹介します。

▼▼ディスプレイの画質についてはこちら▼▼
ディスプレイの画質を決める要素とは?色域?HDR?

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テレビやモニターのガンマ補正とは?

ガンマ補正についてインターネットで調べてみると、カメラで撮影した画像をデータとして記録する場合、映像信号を放送波で送信する場合、画像データを基にディスプレイに表示する場合などが多数出てきます。これらをすべて一度に紹介しようとすると混乱してきますので、ここでは画像データを基にディスプレイで表示する場合について紹介します。

画像データには、各画素の明るさが記録されています。その明るさが仮に0~100まで段階的に表されていたとすると、それを入力信号としてディスプレイ(テレビやモニター)に送るとそれらに対応した明るさで表示されます。

しかし、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにおいては、元々は各画素の明るさを制御する電圧と輝度が比例関係ではありません。一般にその特性は[出力]=[入力]^[ガンマγ]という関数で近似され、このガンマγをディスプレイに固有の特性とします。

そして、画像データに[ガンマγ]を補正する処理を行い、[出力]と[入力]が比例関係となるように調整することを「ガンマ補正」と呼んでいます。

一般的にはWindowsのパソコンの場合は、γ=2.2に調整(設定)されていることが多いですが、必ずしも統一されているわけではありません。また自分で好みのガンマに調整することも可能なことが多いです。

テレビのガンマ調整で暗部の明るさを最適化

最近は有機ELテレビの普及とともに「締まった黒」の表示や暗部の階調表示が注目されることが多くなりました。液晶テレビも、ミニLEDバックライトなどの登場により、これらの表示性能が向上しています。

黒浮きの少ない「締まった黒」や暗部の表示にも、テレビのガンマ調整が影響します。メニュー画面からガンマを設定してみて、もっとも見やすいガンマに調整すると良いでしょう。

一般的には「締まった黒」が黒浮きが無いようになり、暗部も微妙な階調も正確に表示できる方が良いわけですが、明るい部屋では照明の光が画面で反射するため、暗い部分の表示画面も少し明るめに調整しないと見えなくなってしまうことがあるためです。

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ガンマ補正でディスプレイの階調とフルカラー表示を調整

ほとんどの液晶ディスプレイおよび有機ELは、赤(R)・緑(G)・青(B)の3原色を組み合わせてカラー表示を行っています。これらRGBの各サブピクセルの明るさを8ビットで表現することがほとんどで、256階調になります。したがって、Rの256階調×Gの256階調×Bの256階調=約1677万色を表示でき、これを通常「フルカラー表示」と呼んでいます。

一部のディスプレイでRGB各色を10ビットで表現できるものもあります。この場合は1024階調の3乗=約10億6433万色となります。この性能をフルに生かすためには、出力側も10ビットに対応している必要があります。一般的にはフルカラー以上の色数になると違いが小さく、分かりにくいようです。

これら各RGBの階調を、前述のガンマ補正を行って適切に表示する必要があります。同じ画像データを異なるディスプレイで表示した時に、色等に差が生じるのは、ガンマ補正に原因があることもあります。

ソニーのブラビアは14bit相当の階調表現

ソニーのブラビアの上位機種では、XR Smoothingという高度な階調表現ができます。これはどのような機能かというと、公式ページでは以下のように紹介されています。

ソニー独自の階調変換機能で地上放送やブルーレイディスクなどの8bit映像や、HDR信号などの10bit映像を14bit相当の階調表現にして出力。刻々と変化する夕焼けの赤や紫など、微妙な色合いもリアルに再現します。

現時点で、業界最高水準の階調表示機能です。以下の機種にも搭載されています。


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液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの詳細なガンマ補正

液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの特性を[出力]=[入力]^[ガンマγ]という関数で近似することを前述しました。より詳細には、実際のこれらのディスプレイの特性と近似したガンマ特性に乖離があることが多く、高画質な画像表示のためにさらに精密な補正を行っている製品があります。

これらのディスプレイごとの精密な補正は、各メーカーのノウハウであり、詳細は開示されていません。家電量販店の売り場で、各テレビメーカーの表示画面を見比べてみると、同じ地デジ番組を表示してもかなりの差があることがほとんどです。これはそれぞれのテレビに付属の色調整機能を使っても、必ずしも同じにならないのは、前述のような精密な補正が行われていることも一因でしょう。

知り合いで某電機メーカーでテレビの開発をしていた人が、「○○社のテレビはガンマが気になる」と言った趣旨のことを言っていました。プロには画面を見ただけでガンマ特性についてもある程度分かるようです。

鮮やかな色を表示するという点では、量子ドットを搭載したシャープのAQUOS XLEDが注目されています!

まとめ

ガンマ補正と、ディスプレイの階調およびフルカラー表示について紹介しました。これらを知っていると、ディスプレイを見る目もワンランクレベルアップするでしょう。

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