4K液晶ディスプレイの価格が下がり、普及してきました。ついにパソコン(PC)モニターとしても普通に販売されるようになっています。
興味があっていろいろ調べていると目にすることが多いコメントは、「32インチ4Kモニターは意味ない!」というもの。本当なのでしょうか?
これはある意味正しく、使い方によってはあまり意味がないということもあります。しかし、逆に言えば使い方によっては4Kの価値がある(=意味がある)ということになるでしょう!
なおモニターでは31.5インチという製品も販売されています。わずかな違いですので厳密に言い分けると煩雑になるため、ここではこれも含めて32インチのモニターと呼ぶこととします。
おすすめの32インチ4Kモニターは、「LGフレームレスモニターディスプレイ32UN550-WAJP 31.5インチ/4K/HDR/VA非光沢」です!
さらに詳しく紹介します。
32インチ4Kモニターは意味ない?27インチは?
「32インチ4Kモニターは意味ない!」と言われる理由は主に2つあります。それらは以下です。
1.解像度とインチサイズの関係でフルハイビジョン(FHD)と違いがわかりにくい
2.高解像度では表示される画像が小さくなるため使いにくい
3.32インチモニターは大きすぎる
これらについて説明します。
解像度とインチサイズの関係
モニターやテレビなどのディスプレイの画面は、画素(ピクセル)と呼ばれる発光する点が規則正しく並べられていて、これらを表示する映像に合わせて適当な明るさ・色にすることで、美しい映像を見ることができます。
4KとFHDの画素数(解像度)は以下です:
4K: 3,840×2,160(約829万画素)
FHD: 1,920×1,080(約207万画素)
画素数が多いほどきめ細やかな映像となり、高画質になります。画面の大きさに対して画素数が少ないと、荒い感じのする映像となります。つまり、画素の存在が感じられず、実物を見るようなきめ細やかな映像が望ましいわけです。
例えば、家電量販店などで50インチ程度の4Kテレビと65インチ以上の4Kテレビを見比べてみれば、大型になるほど画素の存在が感じられるでしょう。
より小型のテレビを見てみると、42インチの4Kテレビが最小で、40インチ以下になるとフルハイビジョン(FHD)またはハイビジョン(HD)になることがわかります。つまり、40インチ以下の4Kテレビは販売されていないのです(*2023年2月時点の情報。特殊な製品は除く)。
これはインチサイズがある程度以下になると、そもそも画素が意識されないので、それ以上画素を増やしても違いがわからなくなるためです。
つまり、テレビとして一般的な使い方をする場合、40インチのテレビでは4KとFHDの画素の差がわかりにくいとテレビメーカーが判断し、より低コストなFHDの製品としているということです。
ここまで説明するといよいよ本題の「32インチ4Kモニターは意味ない!」を理解できると思います。
40インチのテレビでさえ4KとFHDの違いがわかりにくく、意味ないとされているのに、もっと小さな32インチならば当然のことながら意味がないという意見です。
これはかなり説得力がある意見のように思われるのですが、ポイントは画面との視聴距離です。
テレビの場合、無理なく画面全体が見えるような距離で視聴します。画面との距離が離れるほど画素は認識されにくくなり、40インチでもFHDで十分ということになります。また前述の65インチ以上の大型テレビでも、画面全体を無理なく見れる距離をとって視聴すれば、画素の粗さは感じにくくなります。
32インチのモニターにおいても、画面全体を無理なく見れるような距離から動画配信などを見るとわかりますが、4KとFHDの違いはわかりにくいです。
しかし、モニターでWordやExcelを利用する時などは、画面上の文字を凝視したりすることが多く、またパソコンでゲームをする時なども画面上の一部を凝視することが多くなります。このような使い方をする時は画面との距離も近くなり、より高い解像度(多い画素数)のディスプレイの効果が発揮されます。
つまり、使い方によっては4Kモニターの価値があるということです。
画素のきめ細やかさを表す指標として画素密度というものがあります。単位はppi(ピクセルパーインチ)です。
4Kで32インチならば138ppi、FHDで32インチならば69ppiです。
ちなみに14.2インチのMacBook Proは254ppi、6.1インチのiPhone 14では461ppiです。
これはスマホやノートパソコンはかなり画面に近づいて見ることがありますので、それでも画素の粗さが感じられないように高画素密度にしているわけです。
4Kモニターの場合、スマホやノートパソコンほど近づいて画面を見ないと思いますが、これらに比べればまだまだ画素が荒いと言えます。画面に近づいて見るのであれば、高解像度のディスプレイは十分に価値があると言えます。
つまり、4Kで32インチだけでなく、4Kで27インチでも十分に意味があるでしょう!
高解像度では表示画像が小さくなる
4K: 3,840×2,160(約829万画素)
FHD: 1,920×1,080(約207万画素)
上記の解像度の関係から、4KはFHDに比べて縦横それぞれ2倍の画素数があり、画面全体では4倍の画素数となります。
同じインチサイズの画面で、4KはFHDの4倍の面積の映像を表示するわけですので、そのまま映すと映像が4分の1の面積に縮小されてしまいます。
これでは映像が小さすぎて使いづらくなることがほとんどです。設定で画面の表示解像度を落としてFHDと同じにすることはできますが、これでは4Kモニターを使う意味がないだろうという意見があります。
これも説得力のある意見です。したがって、4Kモニターを使うならば、できるだけ大きなインチサイズを使う方が良いと考えられます。
実際、机の上にモニターを置いてみるとわかりますが、32インチのモニターはかなり大きいです。最近のデスクトップパソコン用モニターのインチサイズが21〜24インチがスタンダードであることからも、32インチが大きいということはわかるでしょう。
また4Kのモニターを探すと27インチ程度のものもかなりありますが、WordやExcelなどの作業に使うのであれば、32インチの方が表示画像が大きくなり、使いやすいでしょう。
画面が大きくなるほど、多くのウインドウを並べて使いやすいというメリットもあります。
32インチモニターは大きすぎ?
前述しましたように、実際に32インチモニターを机の上などに設置してみると、かなり大きいと感じるでしょう。
物理的な意味で、机の上に32インチモニターを設置できるようなスペース(特に奥行き)がない場合は、32インチモニターは大きすぎると言わざるを得ません。
それでは机の上に32インチモニターを設置するためのスペースが確保できる場合はどうでしょうか?
これは使い方によります。テレビを視聴するように、画面全体を眺めるためには、通常のパソコンモニターとして設置する距離では大きすぎると感じることがあるでしょう。その場合は、少し離れれば解決します。単純に画面に映される映像を見るだけならば、少し離れても支障はないでしょう。
パソコンモニターとして使用する場合は、必ずしも画面全体を眺める必要はなく、アプリごとに開いているウインドウの大きさを調節すれば済みます。むしろ画面が大きいため、複数のウインドウを並べることができ、使い勝手が良いでしょう。
したがって、必ずしも32インチでは大きすぎるということもなく、使い方によっては便利です!
32インチ4Kモニターのおすすめ
FHDなどのモニターが主流である現在、あえて4Kモニターを選ぶのであれば、高画質なものを選びたいですね。実際、メーカーも4Kモニターはハイスペックなものを揃えています。
LGフレームレスモニター32UN550-WAJP 31.5インチ
10bitカラー(10.7億色)でDCI-P3 90%カバーの広色域、HDR対応の広色域モデルです。
超解像技術で、映像のシャープネスが向上できます。
AMD FreeSyncテクノロジーを搭載し、ゲーム映像をスムーズに表示できます。
2mm以下の極細フレームで、臨場感が高く、外形は最小レベルです。
5W+5W内蔵スピーカーで外付けスピーカー無しで楽しめます。
DisplayPort入力×1とHDMI入力×2を装備しています。
Dell G3223Q 32インチ4Kゲーミングモニター
前述のLGの4Kモニターは高画質なモデルですが、それと比べてこのDellの4Kモニターは、本格的なゲームにも使えるハイスペックモデルです。
1 msの低遅延、144Hzの高速なリフレッシュレートです。
色域はDCI-P3 95%カバーとより広く、VESA DisplayHDR ™600対応です。
HDMI 2.1×2ポート、DisplayPort 1.4対応になっています。
画面の角度は上下方向と左右方向に微調整でき、ベストなポジションに設定してゲームに集中できます。
IPS液晶なので広視野角です。
27インチ4Kモニターのおすすめ
27インチの4Kモニターは、32インチよりも高画素密度で美しいです!
スマホの超画素密度のディスプレイを見慣れている人にはおすすめです!
Dell S2722QC 27インチ 4K モニター
空間を引き立たせるHDRをサポートする4K(3840×2160)高解像度と10億7000万色sRGBカバー率99%の広色域モデルです。
IPSテクノロジーを採用し、広い視野角全体にわたって豊富な色彩を表示できます。
AMD FreeSyncテクノロジーを搭載し、ゲーム映像をスムーズに表示できます。
応答速度4ms(GtG,Fast) 、リフレッシュレート60Hzです。
3W+3W内蔵スピーカーで外付けスピーカー無しで楽しめます。
インターフェイスは、HDMIx2,USB Type-Cx1,USB 3.2×2です。
48インチの有機ELテレビの比較についてはこちらの記事で紹介しています。
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