4Kテレビが売れています!多くの家庭でこれまでのハイビジョンテレビから買い替えて、4Kテレビで視聴しています。
4Kテレビの主要な機能として「アップコンバート」機能があります。ほとんどの人にとって、4Kテレビを視聴する際にはもっとも重要な機能のうちの1つです。以下に解説します。
現時点(2024年10月31日時点)で、4Kアップコンバート機能の点でもっとも優れている4Kテレビの1つと考えられるのは、REGZAの有機ELテレビX9900Nです!
ソニーブラビアも4Kアップコンバート機能は優れています。型落ちの2023年モデルのBRAVIA 4K液晶テレビXRJ-50X90Lが、安くて高性能でおすすめです。
4Kアップコンバートは意味ない?
4Kテレビのアップコンバートとは?アップスケーリングとの違いは?
4Kテレビの解像度は、3840×2160=8,294,400です。4Kへのアップコンバートとは、4Kテレビよりも解像度が低い映像信号を、4Kテレビの解像度まで高める機能のことを言います。アップスケーリングという言葉もほぼ同じ意味で使用されます。
地デジから4Kへのアップコンバートは意味ない?効果は?
4K/8K放送が2018年12月から始まっていますが、これを受信して4Kテレビあるいは8Kテレビで視聴している家庭はまだまだ少なく、世帯普及率では2019年7月末時点で2.8%以下のようです。詳しくは、こちらの記事で紹介しています。
したがって、4Kテレビを購入した人も、ほとんどの人が地デジのフルハイビジョンなどの4K以下の解像度のコンテンツをアップコンバートして視聴していることになります。
4K/8K放送を視聴している人でも、まだまだ4Kあるいは8Kのコンテンツが少ないため、地デジのフルハイビジョンなどのコンテンツを視聴している時間が長いでしょう。そうなるとテレビは4Kあるいは8Kの解像度ですので、アップコンバートした映像を視聴する時間がほとんどということになります。
そのような意味では、4Kテレビではアップコンバートはもっとも重要な機能の1つということになります。
「4Kアップコンバートの意味はない」という意見もありますが、その効果は大きな画面の4Kテレビで見れば一目瞭然でしょう。もちろん好みの部分もありますので、必ずしも否定しませんが、是非自分の目で確かめてみましょう!
4Kテレビのアップコンバート機能はメーカー・機種の差が大きい!
アップコンバートでは、例えばフルハイビジョンの解像度1920×1080=2,073,600(*一般に「2K」と呼ぶ)から4Kの解像度にするわけですが、もともと無かった画素の部分まで画像情報を作るわけですので、ある意味コンピューターグラフィックスで絵を書くような作業です。
そのため2Kの画像情報を基に、画素と画素の間を補完するような信号処理を行っています。もちろん詳細はもっと複雑で、ノイズの処理なども重要なノウハウになります。
4Kテレビの場合、映像信号は60pですので、1秒間に60コマの画像があります。倍速機能がある機種では1秒間に120コマになります。1コマが前述のような膨大な画素から構成されており、毎秒これほど多くの画像を処理し続けるのですから、プロセッサなどにも大きな負荷かがかかる処理となります。
したがって、プロセッサの処理能力と機能による差が出やすく、メーカーや機種による差が大きいです。
地デジが綺麗な4Kテレビは?4Kテレビで地デジがぼやける?
4Kテレビのアップコンバート比較
前述のように4Kへのアップコンバートは、ベースとなる映像信号から様々な技術・ノウハウを駆使して行うもので、信号処理のプロセッサへの負荷も大きなものになります。それ故に、まだ発展途上の技術と言えます。
どういうことかと言うと、さすがにもともと4Kのコンテンツに比べると、2Kなどからアップコンバートした映像は劣るということと、毎年新製品が登場する度にまだまだアップコンバート機能の改善が見られるということです。
これはアップコンバートする信号処理のアルゴリズムに関するものと、処理を行うプロセッサの能力に関するものがあります。画像を高精細化する技術・ノウハウは研究開発が進められており、改善が進んでいます。
プロセッサの処理能力は、パソコンのプロセッサと同様に年々コスパが向上していますので、より処理能力の高いプロセッサを搭載できるようになっています。
価格帯から見れば、当然高価格の上位機種の方が性能が優れています。同一メーカーの上位機種では、新しい機種と型落ちでかなり性能差があることがあります。これは年々性能向上している証拠です。
4Kテレビのアップコンバート機能のレベルによっては、「4Kテレビで地デジがぼやける」と感じる方もいます。「地デジが綺麗な4Kテレビ」を見つけるためには、4Kアップコンバート機能についてしっかり説明している機種を選ぶと良いでしょう。
できれば家電量販店などで興味がある4Kテレビに地デジの映像を写してもらい、アップコンバート機能の優劣を比較してみると良いでしょう。
これまでアップコンバート機能に定評があるのは、東芝のレグザとソニーのブラビアです。私は3年ぐらい前に東芝のレグザを購入しましたが、その時に家電量販店で各社の4Kテレビで地デジ放送を見比べて、レグザが一番キレイに見えたので選びました。
前述のように、4Kテレビのアップコンバート機能は年々改良が続けられてきましたので、現在の主要メーカーの上位機種の性能はかなり高くなっています。その中でも評価が高いレグザ(REGZA)とソニーブラビアについて紹介します!
4Kアップコンバート機能の比較!REGZA(レグザ)はトップレベル!
最初の4Kテレビが発売された頃から、東芝レグザの「超解像」と呼ばれる4Kアップコンバート技術は、高く評価されていました。技術的な詳細は公開されていませんが、精細度がアップし、画像処理によるノイズも少なく、綺麗な映像は誰もが認めるところです。
レグザにはその伝統が継承されており、さらに進化を遂げています。例えば、2024年モデルの有機ELテレビのフラッグシップであるX9900Nシリーズでは、新規開発のプロセッサ(映像エンジン)「レグザエンジン ZRα(2024年新エンジン)」を搭載し、AIナチュラル フォーカス テクノロジーPRO/超解像技術AI 構図推定、地デジAIビューティPROなどと呼ばれる高画質化処理が行われます。
「AI ナチュラル フォーカス テクノロジーPRO」は、公式サイトで以下のような説明がされています。
レグザエンジンZRαが、AIで構図を推定。構図全体のなかの人物を検出し、顔や衣装を正確に把握することで、高精細で立体感のある高画質を実現します。肌の質感やなめらかさの再現性を高め、服の質感や髪の毛のディテールもリアルに描き出します。背景のノイズを抑制し、まるで肉眼で見ているような奥行きと立体感ある映像を描き出し、これまでにない没入感が得られます。被写体と背景の対比効果が増し、実在感のある映像を再現します。
「地デジAIビューティPRO」は、公式サイトで以下のように説明されています。
リアルタイムに複数回の超解像処理を実施することで、地デジやBS・CS放送などのさまざまなノイズを低減。「ロゴ検出モスキートNR」技術で、情報番組のテロップなどもノイズが気にならずに楽しめます。さらに3次元カラーリマスターで色彩を鮮やかに再現します。
これだけ4Kアップコンバート機能について詳細に説明している機種も少ないです。文句なくトップレベルですね!
4Kアップコンバート機能の比較!ソニーのブラビアは高評価!
最近の数年間で各社のアップコンバート機能の性能は向上しています。特にソニーのブラビアはさらに磨きがかかった感があります。プロセッサも新開発のものを搭載していることが大きいでしょう。
ソニーブラビアの上位機種では、「XR Clarity」という4Kアップコンバート技術が搭載されています。
従来のアップコンバート機能に加えて、認知特性プロセッサー「XR」により、横断的な映像分析・処理が行われ、リアルな質感での映像の高精細化が可能となっています。
そのベースとして、様々な映像のデータベースを蓄積し、活用しています。この認知特性プロセッサー「XR」は、2021年モデルから上位機種に搭載されていますが、2023年モデルではさらにデータベースが強化されているようです。
メーカー間のアップコンバート機能を比較評価する時の注意点としては、ある程度上位の機種で比較することです。下位の機種には倍速駆動が装備されていないものもあります。倍速駆動が無いと、映像が滑らかに見えず、アップコンバート機能の比較がし難いです。
また最近は液晶テレビ事業が赤字になるメーカーが増えており、おそらく使用する部材などをより低コストのものに切り替えているためか、斜めから見た時にかなり画質が悪くなる機種もあります。各社の上位機種であればそのようなことは少ないので、上位機種同士で比較すると良いでしょう。
下位機種が10万円以下になっている状況ですので、上位機種と言っても性能を考えたらかなり安くなっています。
4Kアップコンバートはレコーダーを使う?
4Kテレビのアップコンバート機能は、前述のように4K未満の解像度のコンテンツを4Kの解像度まで高めることができます。ややこしいことに4Kアップコンバート機能を備えたレコーダーがあります。4Kテレビにこのようなレコーダーを接続した場合に、どちらの4Kアップコンバート機能を使えば良いのでしょうか?
これは使用するレコーダーと4Kテレビの機種にもよります。4Kチューナーを内蔵して4K放送が視聴できるテレビはかなり前に発売開始になりましたが、4K放送がそのまま録画できるレコーダーが各社から発売されるまでにはしばらく時間がかかりました。大まかな話として、テレビの方がレコーダーよりも少し先を行っているように感じます。
特にテレビもレコーダーも上位機種で、テレビの方が新しい製品の場合は、テレビのアップコンバート機能の方が上の可能性が高いでしょう。
最近の4K放送をそのまま録画できるレコーダーはかなり高性能ですが、それ以前の機種は4Kアップコンバートした映像を60p未満で送るような機種もありました。このようなレコーダーであれば、60pのフルハイビジョン映像をレコーダーからテレビに送り、テレビで側で4Kにアップコンバートした方が良いでしょう。
4Kテレビとレコーダーを一緒に買う機会がある場合は、予算の許す範囲内でできるだけ高性能の機種を選べば高画質で視聴できる可能性が高いです。その際も両方ともソニー製などで統一するとベストな画質で視聴できる可能性が高そうです。
しかし、多くの場合は、すでにテレビとレコーダーを利用していて、どちらかが故障してそれを買い換えるパターンが多いでしょう。その場合は、それぞれのアップコンバート機能を使って映像を表示してみて、もっとも画質が高くなる設定を確認する作業をした方が良いです。
ソニーのレコーダーの場合は、同社のテレビのブラビアでアップコンバートをするためにフルハイビジョン映像信号を調整してレコーダーからテレビに送れるものもあります。これはベストな組み合わせでしょう。
私は、ソニーのレコーダーから東芝のレグザにフルハイビジョン映像を送り、テレビ側でアップコンバートしていますが、かなりキレイです。
異なるメーカーのレコーダーとテレビを組み合わせると必ずしも画質が悪くなるわけではありません。しかし、同じ機器の組み合わせでも、設定で画質は変わりますので、前述のようにいくつかの設定を試して、もっとも良い画質になる設定を確認するようにしましょう。
それが面倒な場合は、多くの場合はテレビ側のアップコンバート機能を使う方が画質が良くなりますので、まずはその設定で映像を見てみて、満足できる画質であればそれで良いでしょう。
現時点(2022年12月時点)で、4Kアップコンバート機能の点でもっとも優れている4Kテレビの1つと考えられるのは、REGZAの有機ELテレビX9900Lです!
ソニーブラビアも4Kアップコンバート機能は優れています。2023年モデルのBRAVIA 4K液晶テレビXRJ-50X90Lが、型落ちでお買い得価格となり、おすすめです!
まとめ
4Kアプコンバートについて解説しました。また4Kテレビとレコーダーのアップコンバート機能のいずれを使うべきかについても紹介しました。
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