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液晶の色域はLEDの蛍光体で広げる!KSFとは?YAGとは?

投稿日:2019年4月16日 更新日:

4K/8K放送が始まり、高精細・広色域・HDRの映像が放送波によって送られててくるようになりました。広色域とは、表示できる色数が多いこと。つまり、広色域対応のディスプレイならば、色鮮やかな映像が楽しめます。現時点で、広色域という点では有機ELよりも液晶の方が優れています。それを支えているのが、LEDの蛍光体です。

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液晶の色域はLEDの蛍光体で広げる!

液晶ディスプレイの液晶は、自ら光を発しませんので、液晶パネルを背面からバックライトという面状光源で照らさなければなりません。このバックライトを構成する部品の1つである光源には、かつては冷陰極管という蛍光灯を細くしたようなランプが使用されていました。しかし、LEDで白色光を作り出せるようになってからは、急速にLEDに代替されてきました。

白色光はどのようにして作るのでしょうか?

光の混色の原理から、赤色・緑色・青色の3原色の光を適切な光量で混ぜ合わせると、白色光になることが知られています。光の「白色」とは、無色で明るい光のことですが、太陽の光も白色光であることをご存知でしょう。空にかかる虹が、大気中の水滴によって、太陽光が分光されたものであることも有名です。「七色の虹」などと言いますが、光のスペクトル的には、可視光のすべてをカバーするような連続スペクトルとなっていて、それを混ぜ合わせると白色となることが理解できます。

液晶ディスプレイのバックライト用のLEDとしては、2004年にソニーからQUALIAブランドとして発売されたテレビに、赤色・緑色・青色の3原色の光を発するLEDがそれぞれ組み合わせて使用され、白色光を作り出していたことがあります。しかし、現在では、ほとんどのテレビやスマホの液晶ディスプレイに搭載されているのは、青色LEDに蛍光体を組み合わせたタイプです。蛍光体とは、青色LEDの光を吸収して励起され、蛍光を放出する物質のことです。

この蛍光体により優れたものを使うことで、液晶ディスプレイの色域を拡大できるため、活発な研究開発が進められています。

液晶のバックライトには黄色蛍光体LEDが使われてきた

LEDには、赤色と緑色の光を発するものはかなり前から開発されていました。しかし、青色光を発するものが登場するまで、しばらくの時間がかかりました。後に赤崎氏、天野氏、中村氏の3名が、青色LEDの研究・発明によりノーベル物理学賞を受賞しますが、それだけ難易度が高かったわけです。赤色・緑色に加えて、青色が揃うことで、白色光や様々な色の光を作り出すことができるため、世界中の照明に利用することができ、さらに省エネルギー効果も大きいため、社会に与える良い影響が大きいです。このこともノーベル賞を受賞する理由となっていたと思います。

日亜化学工業から製造販売され、多くの液晶ディスプレイ用バックライトに使用されるようになったのは、青色LEDに黄色蛍光体(YAG:Ce蛍光体)を組み合わせたものです。これが多くの照明や液晶ディスプレイ用バックライト普及しています。

この組み合わせは、比視感度が高い波長550 nm付近に光強度のピークがあり、非常に優れています。しかし、液晶ディスプレイの赤色と緑色のカラーフィルターの境界部分にも大きな光強度を持っていることが、液晶バックライトの色域を広げるためには弱点となっています。

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液晶の色域拡大にはKSFが使われている!

液晶ディスプレイのLEDのスペクトルから、光色域化するための方法は、赤色の光のピーク強度を長波長側にシフトさせ、波長スペクトルの幅を狭くすることです。長波長側にシフトすることで、赤色と緑色のカラーフィルターの重なり部分から遠ざかることとなり、スペクトル幅を狭くすることで色純度が向上します。

このため青色LEDの光で励起して、赤色を発する蛍光体の開発が進められました。いろいろなものが開発されていますが、現在主流であるのが、フッ化物赤色蛍光体K2SiF6:Mn (KSF)です(*数字は下付き添字)。KSFを使用したLEDは、色域が広く、製品レベルでは量子ドットを使用したものにかなり近い特性です。

量子ドットがCdの毒性および耐久性の課題があることから、さらに蛍光体の性能向上が進めば、量子ドットを上回る色域となり、量子ドットの普及を阻む存在となるかもしれません。

まとめ

LEDの蛍光体による液晶ディスプレイの色域拡大について紹介しました。蛍光体のさらなる性能向上に期待したいです。

ディスプレイの色域の規格については、こちらの記事「ディスプレイの色域とは?Rec.2020・AdobeRGB・DCI-P3とは?」で紹介しています。

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