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水処理膜のメーカーとシェアと市場規模は?RO膜など簡単に解説!

水テクノロジー

地球上では安全な飲水が無く、苦しんでいる方々がたくさんいらっしゃいます。また半導体などの最先端の工場では、純粋などの極めて純度が高い水を必要としています。そのような水の需要に応えるために、水処理膜を利用した水の生産が行われています。

水処理膜市場においては、東レ、日東電工、東洋紡の3社が大きなシェアを持っており、優れた製品を供給しています。水処理膜とその市場規模・シェアなどについてわかりやすく解説します。

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水処理膜による水の生成とは?

宇宙から眺めた地球の画像を見ると、青い海がたくさん広がっていて、大量の水が存在していることがわかります。しかし、地球上に存在する水の97.4%は海水等で飲料や工業用には利用できません。淡水はわずか2.53%であり、さらに人類が利用可能な水資源としては0.8%未満とされています。

出典:国土交通省

世界人口の増加や経済の発展により、水の需要は増大し、利用可能な水を大量に作る努力が進められています。通常の飲料水等を作るためならば、多くの日本の地域で行われているように河川等から取水して浄水場で水を作る方法がコストが低く、優れた方法です。

しかし、世界では日本のように水資源に恵まれて無く、近くに大量にある水と言えば海水になるような地域もあります。そのような地域では海水の淡水化が進められています。

海水の淡水化方法としては、単純に海水を加熱して蒸発させて水と塩分を分離する方法もあります。しかし、最近は省エネルギーの観点から優れている水処理膜を用いた方法が広がりつつあります。

またこれらが行われている地域では、何らかの方法により利用した下水などから水処理膜で再生する方法がよりコストが低く、並行して進められています。

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水処理膜とは?RO膜で海水の淡水化

水処理膜にもいくつかの種類があります。微細な穴が形成されている膜で、その穴の大きさによって水と不純物・塩分などを分離する機能があります。穴は目詰まりしやすいので、穴の大きな膜から極めて小さな穴の膜まであります。それらは主に4種類に分けられ、穴の大きな方からMF膜(精密ろ過膜)、UF膜(限外ろ過膜)、NF膜(ナノろ過膜)、RO膜(逆浸透膜)です。

海水の淡水化において最も重要でコストがかかるのがRO膜による脱塩(塩類の分離)プロセスです。海水には言うまでもなく塩分が含まれており、それらがイオンになっています。RO膜の穴の大きさは約0.1nmで、大きな圧力をかけることによって水と塩分を分離することができます。

NF膜やより穴のサイズの大きな膜は、RO膜を使用する前の水の処理で使用されています。


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水処理膜メーカーのシェアと市場規模は?

RO膜は、1961年頃から米国でデュポンやダウによって研究開発が始まり、1965年頃から海水淡水化用として実用化されました。その後、日本の繊維メーカーが特許のライセンスを受け、研究開発を開始しました。1980年代に入り、日本製のRO膜が中近東の海水淡水化で高い評価を受けるようになり、さらに1990年代には半導体向けの超純水製造に使われるようになりました。

このような歴史を経て、RO膜・NF膜の世界シェアは以下のようになっています。

2008年度 ダウ・ケミカル39.1%、日東電工27.0%、東レ16.2%、東洋紡5.3%
出典:富士経済

2015年 ダウ・ケミカル38%、東レ26%、日東電工24%、東洋紡5%
出典:水資源関連市場の現状と将来展望(2016年、富士経済)

2018年のRO膜世界市場においても東レ、日東電工、東洋紡の3社で約5割のシェアを占めています(出典:富士経済)。

世界の水ビジネスの市場規模は、2020年に89兆円以上になると予想されていますが、水処理膜は水処理装置の部品なので、市場規模は2009年で約600億円です。

前述の2008年度と2015年の比較で、東レのみが大きくシェアを伸ばしているところからもわかるように、東レはこの事業にかなり力を入れていて、株主総会の決算説明資料などにもかなりスペースを使って事業報告をすることが多いです。それに比べると日東電工と東洋紡の決算説明資料にはあまり大きな比重をおいて報告されていません。成長分野ですが、価格競争も厳しいようです。

まとめ

日本企業が大きなシェアを持つ水処理膜について紹介しました。

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