幸せな人生

人生は山あり谷あり、楽しいこともあれば辛いこともあります。幸せな人生を送るためのノウハウ、独り言などを書いていきます。幸せな人生を送りたい方のヒントになれば幸いです。

テクノロジー

有機ELは寿命が短い?改善するための提案をLGが発表!

投稿日:2019年3月8日 更新日:

有機ELがスマートフォンや大型テレビに搭載され、普及しています。有機ELの弱点として、液晶に比べて寿命が短いということが指摘されています。しかし、これらの普及を見ても、スマホやテレビ用には十分な寿命があると考えられます。それでもなぜ「有機ELは寿命が短い」と言われるのでしょうか?以下に紹介します。

スポンサーリンク

有機ELは寿命が短い?

冒頭で述べましたように、スマホやテレビ用のディスプレイとしては、有機ELは利用可能なレベルの寿命があるようです。どのような方式のディスプレイでも、永遠に使用できるということはあり得ず、必ず寿命があります。これはある意味当たり前です。形あるものはいつかは壊れるわけで、別にディスプレイに限らず、工業製品には寿命があるわけです。

仮に1日8時間・毎日使用すると考えると、1年間で2,920時間、10年間で29,200時間です。昔のブラウン管のテレビは、感覚的には6~7年使用すると、かなり色褪せた印象がありましたが、おそらく現在の大型有機ELテレビはもっと寿命が長いでしょう。

スマホのディスプレイについては、ほとんどの人が1日に使用する時間がもっと短いですし、数分間画面にタッチしないと消灯する機能も付いていますので、実質的な画面の点灯時間はそれほど長くないでしょう。

さらにほとんどのデジタル機器は、その他の部品が壊れてしまったり、新製品の性能向上のペースも早いので、買い替えまでの平均寿命が10年以下のことがほとんどです。このような状況を考えると、スマホやテレビ用として「普通」に使用する範囲であれば問題ないレベルの寿命はあると考えられます。

しかし、注意しなければいけないのは、有機ELは輝度(*画面の明るさ)をアップするほどかなり寿命が短くなる特性があることです。有機ELでは、有機化合物からなる赤色・緑色・青色の発光層に電流が流れることで光が放出されます。厳密に言えば、電流が流れて発光する度に、ほんの少しずつ発光材料が劣化し、壊れてしまいます。したがって、必ず寿命があるのですが、劣化した発光材料の割合が少なければ問題ないわけです。

ところが輝度を高くしようとすると、電流を大量に流さなければならず、短時間で多くの発光材料が劣化してしまうことになります。そのためほとんどの有機ELディスプレイでは、画面のピーク輝度(表示できる最も高い輝度)を、ある値以下に抑える機能が付いています。

また画面全体が均一に劣化していけば、劣化が分かり難いのですが、静止画を長く表示し続けると、その表示画面の明暗に対応して、画面内の場所ごとの劣化度合い差が生じます。これが「焼き付き」の原因となります。

このような有機ELの寿命・劣化についての特性が、車載などの一部の用途では問題となり、普及の妨げとなっています。

有機ELの寿命を改善する提案をLGが発表:テレビ用

韓国のLGは、有機ELの寿命を改善する提案を2つ発表しました。一つはテレビ向けの白色蒸着方式(カラーフィルター方式)についてのもので、もう一つはRGB蒸着方式によるものです(*RGB蒸着方式については次項で解説します)。

白色蒸着方式では、青色、緑色+黄色の発光層を積層し、白色を作り出し、その上に各サブピクセルごとのカラーフィルターを配置することで、フルカラー表示を可能としています。新たな提案では、これらの上にさらにもう一層青色の発光層を積層しています。これは青色の発光効率が他の色の発光効率よりも低く、必要な明るさを得るために多くの電流を流さなければならないからです。

有機ELの場合、各発光層に流れる電流が多くなるほど寿命が短くなりますので、発光層の数を増やすことで、全体としてある輝度を得るための各発光層に流す電流を少なくできるわけです。さらに最近の色域拡大のニーズにも対応するために、赤色の発光層も追加されています。

これらの改良により、従来の2.5倍程度まで寿命が改善しているとのことです。有機ELテレビは、液晶テレビに比べると最大輝度を低めに設定されていますので、新たな技術が使用されれば、より高い輝度を表示できる有機ELテレビとなる可能性があります。

スポンサーリンク

有機ELの寿命を改善する提案をLGが発表:車載用

大型テレビ用の白色蒸着方式は、現在LGのほぼ独占状態です。スマホ用のRGB蒸着方式はは、Samsungが強いです。

主要なディスプレイの用途として、車載用は高温下で高い輝度を必要とする、有機ELにとってはもっとも厳しい用途です。これらの要求スペックを満たすためには、まずはできるだけ効率を向上させて、少ない電流で高い輝度を目指すことになります。

効率という観点で見ると、カラーフィルターを使用する白色蒸着方式よりも、RGB蒸着方式の方が原理的に有利です。そのためLGは、有機ELの車載用途への採用を目指して、新しいRGB蒸着方式の提案をしました。

それはRGB蒸着方式のタンデム構造です。つまり、1層であった発光層を積層して2層とし、ある輝度を得るために流さなければいけない電流を低く抑えようとするものです。その他の工夫も合わせて、LGでは従来比で4.5倍に寿命を改善することに成功したと発表しています。

このタンデム構造にする方法は、原理的にも理解しやすく、効果も実証されていますが、最大の課題は量産技術の確立でしょう。RGB蒸着方式はSamsungが先行していますが、そのSamsungでさえ、大型の量産はあまりの技術的な難しさから断念しました。RGB蒸着方式では、高精度なメタルマスクを精密に位置合わせして使用するのですが、大型になるほどメタルマスクも大きくなり、熱膨張やたわみなどによる影響が無視できなくなり、精密なRGBの蒸着が難しくなるためです。

LGは、このメタルマスクを使用するRGB蒸着を、2層分行うわけですので、2倍の工程となり、かなり難易度が高いと考えられます。今後の動向に注目です。

まとめ

有機ELの寿命と、最近のLGによる長寿命化の提案について紹介しました。技術は日進月歩ですので、今後、どのような進展があるのかフォローしたいです。

有機ELについては、こちらの記事「有機ELのまとめ」もご覧ください。

スポンサーリンク

-テクノロジー
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

有機ELと液晶の違いは?テレビを買うならどっちが良い?

最近は大型の有機ELテレビが家電量販店のテレビ売り場に並んでいます。従来からある液晶テレビとともに、高画質で美しい映像を楽しむことができます。いずれも4Kの解像度が当たり前になっており、8Kも製品が出 …

量子ドットフィルムを日立化成が事業化!液晶を広色域化!

数年前からディスプレイの分野では、色域の拡大する開発が進められてきました。これまでは映像信号の色域も狭かったのですが、4K/8K放送の開始とともにBT.2020の広色域の映像信号が配信されるようになり …

4Kテレビの買い時と選び方は?大きさ、アンテナもチェック!

2018年12月から4K放送が始まり、家庭でも4Kのコンテンツが日常的に楽しめる時代になりました。身の回りでも徐々に4K放送を楽しんでいる人の声が聞こえてくるようになってきましたので、そろそろ4Kテレ …

Apple Watchで録音するアプリはこれ!無料で使えます!

Apple Watchには録音できるアプリをインストールできます。録音中もバックグラウンドで動作していますので、iPhoneのボイスメモよりも目立ちにくく、また腕時計で録音するということも他の人には気 …

マイクロLEDディスプレイの製造工程改良に役立つ大学の研究

微小なLEDを画素として、膨大な数のLEDを配列した「マイクロLEDディスプレイ」は、ソニーなどによって高い性能が実証されたこともあり、次世代ディスプレイとして注目されています。しかし、赤色・緑色・青 …