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LGの有機ELはボトムエミッションで8Kが可能か?

投稿日:2018年10月28日 更新日:

スマホの高精細化が進み、スマホレベルの大きさのディスプレイでは必要十分な画素密度になっています。テレビ用のディスプレイは4Kが主流となり、研究開発として8Kにシフトしつつあります。液晶ディスプレイはかなり成熟しましたが、有機ELディスプレイはまだ発展途上です。以下に紹介します。

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サムスンはトップエミッションの有機ELで高精細化

サムスンは高画質の中小型有機ディスプレイの研究開発を進め、自社のスマホであるGalaxyに搭載し、事業として成功させました。高画質の中小型有機ELディスプレイとしては、独占に近い状況にあり、AppleのiPhoneにも供給しています。かつてはこれらに使用されているような高精細な有機ELディスプレイの製造は困難と言われていましたが、サムスンはそれを克服しました。

なぜ「製造は困難」と言われていたのでしょうか?

サムスンの有機ELパネルは、蒸着方式で赤・緑・青のサブピクセルを塗り分けることにより製造されています。この蒸着プロセスにおいて、メタルマスクを使用します。メタルマスクとは、各サブピクセルの位置に微細な開口部を設けた精密なマスクで、飛ばした発光材料がここを通過することによって、各サブピクセルの位置に蒸着します。このことからも非常に微細で多数の開口が並んでいて、その位置精度も高い水準が要求されることが分かると思います。

精細度が高くなるほど開口部はより小さく微細になり、位置精度もより高い水準を要求されるようになるため、当初は現在のような画素密度が高い有機ELパネルは製造できませんでした。特にパネルが大きくなるほど、温度変化によるメタルマスクや基板の熱膨張の影響が大きくなり、より困難になります。

サムスンは多大な研究開発努力によってスマホ用の高精細有機ELパネル製造に成功しました。有機ELを駆動する配線層が発光層の下にあるトップエミッション構造で、原理的にも高画質・高効率となるものです。しかし、そのサムスンでさえ、テレビ用の大型有機ELパネルの量産を蒸着法では実現できず、断念しています。それが現在の大型テレビ用有機ELパネルにおけるLGの独占につながっています。

LGの有機ELはボトムエミッションで8Kが可能か?

LGは、有機ELパネルの製造において、蒸着方式ではなく、赤・緑・青の発光層を積層し、カラーフィルターによってサブピクセルを形成する方式を選びました。構造は、発光層の上に有機ELを駆動する配線層があるボトムエミッション構造です。この方式の有機ELパネルは、サムスンの蒸着方式よりも効率が低くなりますが、製造はより容易になります。そのためサムスンがあまりの難しさによって断念した大型テレビ用の有機ELパネルの量産に成功しました。

効率が低くなる原因はいくつかありますが、主なものは「カラーフィルターの使用」と「ボトムエミッション構造により光が配線に遮られること」です。赤・緑・青の発光層を積層して白色光を作り、そこからカラーフィルターで赤・緑・青のサプピクセルを作るということは、どんなに高効率なカラーフィルターでも3分の2に光エネルギーが吸収され、効率が3分の1以下になります。さらに高精細になるほど配線が緻密になり、配線層を通過して光を取り出すボトムエミッション方式では開口率が低下して著しく効率が下がります。

4Kテレビにおいても、実は液晶テレビよりも有機ELテレビの方が消費電力が高いです。これが8Kになった時に製品レベルでどこまで効率が下がるのか、現時点ではよくわかりません。

LGは、2018年8月31日~9月5日に独ベルリンで開催された家電見本市「IFA」に、88インチの8K有機ELテレビを世界で初めて出展しました。このように展示会レベルの試作品では8K有機ELテレビは実現していますが、そのスペックの詳細はわからず、また製品として量産できる状況であるのかまだよくわかりません。

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LGとサムスンはテレビ用では8Kへ

テレビ用のパネルとしては、4Kはもはや当たり前で、研究開発としては成熟しています。したがって、有機ELおよび液晶に限らず、テレビ用のパネルにおいて技術的に差別化しようとすると、その次の8Kに研究開発の重点がシフトするのは自然なことでしょう。LGおよびサムスンのいずれも8Kに注力することを表明しています。

サムスンは量子ドットを用いた液晶ディスプレイ(QLED)、LGは有機ELディスプレイ(OLED)に注力し、さらにその先にマイクロLEDディスプレイを視野に入れています。

LGの大型テレビ用有機ELパネルについては、青色発光層の改良によって効率向上に取り組むと見られており、日本の有機EL材料の大学発ベンチャーである株式会社Kyuluxと共同開発契約を締結しているようです。その成否については近い将来明らかになるでしょう。

まとめ

有機ELの高精細化について、サムスンのスマホ用有機ELパネルとLGのテレビ用有機ELパネルについて紹介しました。テレビ用は8Kに向けて進んでいくようです。

有機ELについては、こちらの記事「有機ELのまとめ」もご覧ください。

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