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研究開発の必要性・リスク 人材不足は危機的な状況

投稿日:2016年6月16日 更新日:

日本では古くから「技術立国」という言葉がよく使われています。「国土が狭く、資源も乏しいこの国では、世界最高水準の科学技術を活用して国を支えていくべきである」という考え方を表す言葉です。

実際、これまでの日本の工業製品は品質が高く、「Maide in Japan」は世界が認めるものでした。日本人もそれを誇りに感じていたところもありました。しかし、最近の日本の電機メーカーの凋落を見て、「技術立国」としての自信が崩れ始めています。

技術立国を支えるベースには「研究開発」があります。研究開発のリスク・必要性をなどについて紹介します。

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研究開発の必要性

最先端の科学技術、いわゆるハイテクは日進月歩で、その変化のスピードの速さは驚くほどです。ビジネスの世界では、技術的に優れたものでコストも受け入れられる程度のモノであれば、オセロのようにあっという間に古いものを新しいものが置き換えていきます。そんな事例はたくさんあり、企業は生き残るために研究開発を続けなければなりません。

理想的なビジネスは、同じものを何十年にもわたって売り続け、売上・利益とも増やし続けられるものです。有名な事例としてはコカ・コーラがあります。かつて、コカ・コーラをリニューアルし、味を変えてニュー・コカ・コーラとして販売したら、長年のコカ・コーラファンから極めてたくさんの苦情が寄せられ、元に戻したという逸話があります。

同じものを作り続ければ良いのであれば、未知のものを研究開発する必要はなく、ひたすら製造効率だけ向上させればよく、そして設備投資のペースもそれほど急ぐ必要はなく、同じ製造装置を使い込めば良いので、利益が増えます。またコカ・コーラは消耗品ですので、ファンがいる限り需要がなくなりません。世界にまだコカ・コーラが販売されていない地域があれば、販路を広げるだけで売上・利益が増えます。こんなビジネスが理想的です。

残念ながらコカ・コーラのようなビジネスは希で、ほとんどの商品がコモディティ化し(ありふれた商品となり)、価格競争に陥りやすくなります。そのため、常に研究開発競争を続け、新しい商品を生み出さなければなりません。テレビのように成熟した商品は、研究開発しても差別化が難しくなり、やはり最後には価格競争になりがちです。

研究開発のリスク

研究開発は創意工夫が大切で、自由な発想を重んじなければいけませんが、企業であれば研究開発に多額の資金を投じるので、最終的には売上・利益に貢献しなければなりません。売上・利益のある一定の割合を研究開発に投じるとしている企業も珍しくありませんが、それが将来の売上・利益に貢献するという好循環が途切れると、企業は窮地に追い込まれます。発明は良いアイデアが思いつくかどうかに依る部分も多いので、研究開発はある意味ギャンブルでもあります。

製薬会社は優れた新薬を開発できるかどうかが業績に大きく影響を与え、保有する優れた薬の特許が切れると業績が悪化するケースが珍しくありません。長い歴史の中で多くの人の努力によって、多数の有効な薬が発見されたので、さらに新しい薬を発見することは年々難しくなるのはある意味当たり前でしょう。優れた新薬を開発するのに成功したとしても、通常は「10年、1000億円」以上かかると言われています。今後の研究開発費はもっと増えるのかもしれません。

製薬会社はそんなリスクに対応するために、吸収合併を繰り返し、会社を大きく、資本を増強しようとしています。ギャンブルを当てるまで続けられる体力を手に入れるためです。また新薬の開発から撤退し、特許切れになった薬を安く製造することにビジネスチャンスを見出す企業もあります。そちらの方が利幅が薄く、製造技術・営業力で勝負することになるのですが、新薬の研究開発に資金を投じるギャンブルをやらなくて済むのでリスクがある程度コントロールできるという判断です。

分野が違えばリスクの内容は異なります。例えば液晶ディスプレイの業界では、新しい液晶ディスプレイの研究開発費は大きな負担になりますが、それよりもどのタイミングでどのような性能・仕様の液晶ディスプレイどのぐらいの数量生産し、販売するかという投資判断が明暗を分けた感があります。しかし、研究開発を怠れば早くキャッチアップされ、技術的な差別化ができなくなり価格競争に陥るのも早くなります。テレビ、スマートフォンなどといった製品もいつかは成熟してコモディティ化するのは宿命ですから、中国・台湾・韓国にキャッチアップされて産業的に苦境になるのはいずれにしても運命なのかもしれません。

そのような産業という意味で見た時に、自動車は日本が強みを維持し続けています。これまでは新車が登場する度に新しい技術が導入され、デザインも良くなり、売れたからでしょう。そんな観点ではテレビよりは複雑で、部品も多く、まだまだ差別化が可能だったのかもしれません。ステータスシンボルとしての価値もあります。衝突回避システム、自動運転などの技術の導入が進む間はまだ研究開発の差が売上・利益に貢献しそうですが、国内は人口減少と車離れが進みますので少々不安です。自動車の研究開発・事業も巨額の資本を必要としますので、研究開発がギャンブルという点では変わりはないでしょう。


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研究開発の人材不足が深刻化する?

理工系の大学は、一般に文系の大学よりも学費が高く、授業・研究などでの拘束時間も長く、専門を生かした仕事に就くには大学院まで行く必要がある場合が多いことから、志望者が減少する可能性があります。また日本の大企業の経営層にはメーカーでも文系出身者が多く、理工系は前述のように大変な割には報われないというイメージがあり、さらには大手電機メーカーのリストラも続いたことも、理工系志望者の減少に拍車をかけそうです。

ただでさえ少子高齢化で学生数が減少し、各分野で優秀な人材の奪い合いが始まるのに、理工系に進む人が少なくなれば、レベルの高い研究開発を行うことは困難になるでしょう。研究開発はリスクがあると言っても、研究開発をしなければ新しいものは生まれてきません。そして研究開発の力が落ちてくれば、さらに優秀な人材が集まらないという悪循環に陥るでしょう。

研究開発にはリスクがあることを認め、挑戦して失敗することを許容し、優秀な人材が集まるような待遇・環境を作らないと日本の国際的な地位が低下してしまうでしょう。

まとめ

日本の大学の予算は削減され続けており、確実に将来の日本の科学技術を担う若者を育成する環境は悪化しています。さらに大手メーカーの苦境により、多くの技術者がリストラされ、海外に仕事の場を移す人も増えています。日本の科学技術を支える研究開発力は危機的な状況にあると言えるでしょう。

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