半導体業界動向2020!最新ニュースもわかるようになる!

パソコン 半導体

ファーウェイ問題に象徴される米国と中国の争い、IntelのCore iに挑むAMDのRyzen、世界的に重要なキープレイヤーとなった台湾のTSMCなどがニュースで報道される機会が増えました。これらの最新ニュースの意味を正しく理解できるでしょうか?

半導体分野に精通している人ならばかなり詳しく理解できるわけですが、一般の人でも重要な企業と半導体の種類と用途を大まかに把握すれば格段に理解しやすくなります。ビギナーでも半導体業界動向を理解できるようになるためのポイントを解説します。

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IntelのCore i対AMDのRyzenの戦いの背後にTSMC

パソコンのCPUの世界では、長年、米国Intelが圧倒的に強く、大きなシェアを占めていました。Windowsパソコンなどには「Intel inside(=インテル入っている)」というステッカーを貼るなど、1つの部品メーカーとは考えられないほどの存在感があることからも、その存在の大きさがわかります。パソコンを選ぶ時にも、IntelのCore iシリーズの上位のCPUを搭載しているか否かでそのスペックをおおよそ判断できるほど、重要な電子部品を作っているわけです。

ところが最近、ライバルである2番手の米国AMDのRyzenが急速にシェアを伸ばしています。詳しくはこちらの記事「インテル入っていないパソコンが増えてる!Core i対Ryzen!」で紹介しています。

その原因の1つは、CPUの開発・製造に必要な微細化が遅れ、新型のCore iシリーズの供給が遅れてしまったことにあります。CPUの開発・製造については、業界では大きく2つの形態があります。1つはCPUの設計から製造まですべて1社で行う垂直統合型の形態で、Intelはこれに該当します。もう1つは、1社が設計を行い、生産は別の会社が行う水平分業型です。AMDはこれに該当し、設計は自社でおこなうものの、製造は台湾のTSMCに委託しています。

Intelは新型のCPUについて、製造で遅れをとり、期日までに大量生産できなくなってしまいました。生産技術ではTSMCの方が上ということです。

IntelとAMDはサーバー用のCPUでもライバル関係にあり、これまでは圧倒的にIntelが優位でした。しかし、サーバー用CPUでもAMDのEPYCがGoogle、Amazon、Oracleなどに採用され、Dell、HPE、IBM Cloudなども採用を発表しています。急速にIntelの支配力が低下している状況です。

IntelとAMDの戦いだけでなく、IntelとTSMCの生産技術の差も理解しておけば、CPU分野の動向を理解しやすくなります。TSMCについては、こちらの記事「TSMCとは?iPhoneやAMDのRyzenを支える半導体のファウンドリ」で紹介しています。

AppleがMac用CPUを自社開発

AppleがMac用のCPUを自社開発することを発表しました。これまではWindowsパソコンと同様にIntelのCore iシリーズを搭載しています。これもIntelの売上を減らすことを意味するという点では、前述のAMDと同じ文脈で見ることができますが、なぜAppleがわざわざCPUまで自社開発するのかということを考えると、もう少し深い半導体業界の動向が見えてきます。

言うまでもなくAppleの売上にもっとも貢献している機器はiPhoneです。iPhoneは、パソコンと同じような機能を持っていますが、CPUにはIntelの製品を搭載せず、スマホ用のCPUを搭載しています。その設計は英国のArmが関わっており、Appleと共同開発し、製造はTSMCが行っています。

つまり、パソコン用のCPUの分野ではあれだけの支配力を誇ったIntelが、スマホのCPU市場では大きな支配力を得ることができなかったわけです。この事実が大きいです。またAppleはiPhoneだけでなく、iPadなどの他の製品にも同様なCPUをすでに搭載しており、MacにだけIntelのCPUを搭載しています。

詳しくはこちらの記事「Macに自社開発のCPUが搭載される!インテルは大丈夫か?」で紹介しています。

iPhoneと同様な方法で、ArmとTSMCと協力して新しいMac用CPUを開発・製造すれば、Macの操作性をiPhoneに近づけられるだけでなく、アプリの開発効率も高められるため、メリットが大きいと判断したようです。今後、スマホ事業とパソコン事業の両方を持つメーカーが追随するのかはまだ不明です。

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ファーウェイとTSMC

台湾のTSMCにとって、中国のファーウェイ(Huawei)は2019年の売上の約14%を占める第2大口顧客です。それにも関わらず、米国政府の関連規制を完全に遵守し、ファーウェイと取引しないことを表明しました。ファーウェイの子会社であるハイシリコンとの新規受注も停止するとのことです。

これによりスマホ用のハイエンドのCPUはファーウェイは入手できない状況になります。2020年秋に発売するファーウェイのスマホMate40が、TSMCが供給していたKirinシリーズというCPUを搭載する最終世代になるとファーウェイが発表しました。

スマホ用のCPUを設計するArmとファーウェイの関係は、いろいろな報道が飛び交い、少々錯綜している状況で、まだ今後の動向が見えてきません。しかし、これらのキープレイヤーがファーウェイに協力しないことが確定すれば、ファーウェイは自力で開発する方向で努力せざるを得ないでしょう。これらの企業の動向に注目です。

米国とファーウェイの動向については、こちらの記事「ファーウェイ問題に米国はなぜここまで強硬になるのか?」で紹介しています。

NVIDIAとソフトバンクグループ

NVIDIAは、GPUの分野で圧倒的な強さをもつ米国企業です。人工知能、特に自動運転の分野でも強さを発揮しています。さらに半導体分野で勢力を拡大しようとしています。

そんなNVIDIAについて、最近、Arm社の買収に関する噂が出ています。Armの株を保有するソフトバンクグループが、投資により損失を出したため、Arm社の株式の売却を検討しているとのことで、その交渉相手としてNVIDIAの名前が上がっているようです。

Arm社のスマホ用CPUの設計についての技術力を考えると、NVIDIAの勢力拡大に大きく役立つ可能性はあります。現時点ではまだ真偽のほどはわかりません。

*2020年9月に、Arm社の株式をソフトバンクグループがNVIDIAへ売却することで合意したと発表されました。NVIDIAについては、こちらの記事をご覧ください。

ソニーのイメージセンサー

CMOSのイメージセンサー(画像センサー)については、ソニーが世界1位です。圧倒的な技術力で、最高性能のイメージセンサーを開発・製造していますので、ハイエンドのスマホに搭載されています。また自動運転や自動車の事故防止システムにも欠かせないセンサーで、今後の成長性も期待されています。

サムスンやファーウェイもイメージセンサーの開発を進めていますので、今後の動向に注目したいです。

まとめ

半導体業界の動向について簡単に解説しました。企業名とそれぞれの用途を把握するだけでもかなり理解しやすくなるでしょう。

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