TSMCとは?iPhoneやAMDのRyzenを支える半導体のファウンドリ

半導体 テクノロジー

最近、TSMCという言葉をメディアで見かける機会がふえましたが、何のことかご存知でしょうか?台湾の半導体のファウンドリのことなのですが、これだけの説明で意味がわかる方は、かなり半導体の業界に詳しい方でしょう。

これだけの説明ではよくわからない方のために、TSMCについて簡単に解説します。本記事での解説を理解しておけば、今後、半導体業界の記事を読む際に役立つでしょう。

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TSMCとは?

TSMCとは、台湾の新竹市新竹サイエンスパークに本拠を置く半導体製造ファウンドリです。中国語での正式名称は、難しい漢字ですので割愛します。日本では、TSMCと表記されることがほとんどですが、漢字表記の場合は「台湾積体電路製造」という字をあてられることが多いようです。

半導体のファウンドリの業界ではダントツで世界1位の企業で、世界2位の米国のGLOBALFOUNDRIESの売上の5倍以上の売上を誇ります(*2016年売上シェア)。

このような説明でもまだピンとこないこともあるでしょう。それは「ファウンドリ」という言葉の意味がよくわからないからではないでしょうか?

半導体のファウンドリとは、顧客の設計した半導体チップを実際に製造する企業のことを指します。ファブ(fab)と呼ばれることもあります。半導体業界も水平分業化が進んでおり、半導体を設計した企業が製造まで手掛けるとは限らず、ファウンドリに依頼するケースが多くなっています。

これと対極をなすものが垂直統合型であり、半導体業界では「垂直統合型デバイスメーカー (IDM: Integrated Device Manufacturer) 」と呼ばれています。

TSMCがAMDのRyzenを製造している

「半導体」という言葉は、科学的には電気伝導性が導体と絶縁体の中間ぐらいの物質のことを指しますが、経済・産業などに関する記事の中では「半導体素子」を指す言葉として使われることが多いです。

「半導体素子」と言ってもかなり意味が広く、パソコンのCPU、スマホのCPU、デジカメの撮像素子であるCMOSなど多種多様なものがあります。半導体ビジネスの世界は競争が激しく、それぞれの用途の半導体素子で限られた数の企業しか生き残れません。

パソコンのCPUの世界で長年圧倒的なシェアを維持してきたのが米国のインテルです。ほぼ独占状態だったのですが、2019年頃から世界2位の米国AMDのCPUがシェアを伸ばし始めています。パソコンを選ぶ時にインテルのCPU「Core iシリーズ」のどれが入っているかで性能をある程度推測することが多かったので、AMDのCPU「Ryzen」が搭載されているとなると、それを選んで良いのか不安に感じる人も多かったのですが、ある程度その性能が認知され、シェアが広がり始めると、コスパに優れるRyzenを選ぶ人が増えてきました。

関連記事:インテル入っていないパソコンが増えてる!Core i対Ryzen!

このAMDのRyzenを製造しているのがTSMCです。CPUの最先端の研究開発では、集積度を高めるための微細化が進められています。それは1つには回路の線幅を小さくすることです。

インテルは10 nmの線幅の半導体素子の開発が遅延し、14 nmの製品が1年以上にわたり供給不足となりました。インテルは代表的な「垂直統合型デバイスメーカー (IDM)」で、これまでも微細化を続けてきたのですが、このつまずきによりパソコン業界でCPUの供給不足を招き、AMDの躍進を許すことになったわけです。

TSMCは、世界最先端の7 nmの微細化を行っており、インテルの半導体素子製造能力を上回っています。このような高度な技術を持つことが、世界最大のファンドリである所以です。


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TSMCがiPhoneのチップA13、A14を製造!

AppleのiPhoneに搭載されている半導体素子(チップ)は、「Aシリーズ」というもので、Appleが開発しています。これの製造を請け負っているのがTSMCです。最先端の微細化した半導体素子の製造に自ら取り組まなくても、TSMCに依頼すれば最先端の技術で製造してもらえるので、Appleは設計に集中できるわけです。

このように最先端の半導体素子は、設計も重要なのですが、それを実際に製造する技術も重要で、両方がなければ製品に搭載することができません。半導体素子の性能は、機器の性能に直結しますので、旧型の半導体素子をいつまでも使い続けるわけにはいかず、設計と製造の両方が常にレベルアップのために走り続けている状況です。

スマホ分野で勢力を拡大させている中国のファーウェイも、スマホ用の半導体素子の製造をTSMCに依頼しています。ところが米国政府から、ファーウェイとの取引に圧力がかけられ、TSMCは当面ファーウェイと新規の取引をしないことを発表しています。

ファーウェイは、中国国内のファンドリから半導体素子を調達することを検討しているようですが、TSMCの技術力が業界では飛び抜けているため、どの程度の性能のものが作れるのか現時点では不明です。

このように半導体の性能は、それを搭載する機器の性能に直結するため、国家間の大きな争点にもなりやすく、さらに最先端の半導体素子を製造できる企業は、その動向に左右されます。

まとめ

世界の半導体素子の製造に大きな影響を与えるTSMCについて紹介しました。半導体素子は多くの最先端機器の頭脳に相当する部品ですので、その製造のトップ企業の動向には注目したいです。

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