ソニーは5Gスマホ時代でも強いのか?テクノロジーだけではない!

5G

最先端の技術、いわゆる「ハイテク」の分野では進歩が速く、他社に先駆けて新しい技術の開発に成功した企業が覇権を握ることが珍しくありません。そのため現在覇権を握っている企業も、いつ他社に攻め込まれるのかわからない厳しい世界です。日本を代表するメーカーであるソニーは、これから始まる5Gスマホの時代でも強い企業であり続けられるのでしょうか?以下に解説します。

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ソニーの失敗とは?

50歳以上の年齢層の方々にとっては、ソニー(SONY)と言えば「ウォークマンを世の中に送り出した企業」というイメージが強いのではないでしょうか?今ではスマホなどで音楽を歩きながら聴くといったことは当たり前ですが、当時はそのような機器がありませんでしたので、ウォークマンは本当に革命的な商品でした。そして世界中に普及し、音楽を歩きながら楽しむという新しいライフスタイル創り出したという点でも、ただのヒット商品を超えた存在でした。それ故、ソニーの企業イメージも著しく向上し、世界的にも知名度の高い企業に成長しました。

そんなソニーが、なぜ米国AppleのiPod、iPhoneの台頭を許し、Appleが時価総額世界一となる機会を与えてしまったのでしょうか?AppleがiPodとiPhoneを発売する前に、これらのテクノロジーを持っていましたし、音楽事業まで保有していましたので、ウォークマンの偉業を成し遂げたソニーならば十分にAppleに先んじて開発できたはずです。実際、iPodが登場する以前に、似たような音楽プレーヤーはソニーを含め複数社から販売されていました。

ソニーがAppleの成長を許した原因はいくつか指摘されていますが、もっとも大きなものがカニバリゼーションです。カニバリゼーションとは、自社のある商品の売上が、自社の他の商品の売上を食ってしまう現象です。スティーブ・ジョブズがiPodで実現したのは、誰でも簡単に大量の音楽データを転送し、気軽に楽しめる携帯音楽プレーヤーですが、それ以前に世の中で販売されていたのは、それなりに強い音楽コンテンツの著作権保護機能を持たせたものでした。あまりに簡単に音楽データをコピーできてしまうと、著作権が保護されないと考えたからです。特に自社内に音楽コンテンツ事業を持つソニーにとっては無視できない問題でした。その結果、当時のソニーの携帯音楽プレーヤーは使い難いものとなってしまい、iPodの台頭を許してしまったのです。そしてそれはiPhoneに継承され、スマホ分野で圧倒的に強い地位を確立します。

ソニーは、ウォークマンの遺産を活かせば携帯音楽プレーヤーでAppleに勝つチャンスはありましたし、技術力とブランド力を活かせばスマホでも勝つチャンスはありました。iPhone事業がAppleの主力事業として時価総額世界1位に押し上げる原動力になったのに対し、ソニーのスマホ事業は低迷しました。一般の消費者に商品を販売する事業では、消費者を喜ばせ、受け入れられる商品を開発し、販売することが重要ということを痛感する事例と言えるでしょう。

ソニーは大規模なリストラを敢行した

家電の中ではテレビは「王様」とも言われる中心的な存在です。ソニーもブラウン管の時代にはトリニトロンで成功し、テレビ分野で高い地位を獲得しました。しかし、その後、テレビは液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイが主役となり、ソニーはブラウン管テレビの生産を終了しました。

液晶テレビの普及とともに、テレビは代表的なデジタル機器となり、国際的な競争が激しくなります。特に基幹部品である液晶パネルは、韓国勢が台頭しました。ソニーは一時期サムスンと合弁の液晶パネルメーカー「S-LCD」を設立しましたが、撤退しています。そして現在は中国勢が韓国勢を脅かす存在にまで成長しています。

このような業界の流れの中で、日本の他の電機メーカーと同様にテレビ事業が苦境に陥り、大規模なリストラを敢行しました。その結果、2019年4~6月期の決算が過去最高となるまでに復活しました。コスト削減、事業の取捨選択が効果を発揮したわけです。さらに画像センサー(CMOSのイメージセンサー)のような強い事業も育っています。


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ソニーは5Gスマホ時代への布石を打っている

冒頭で述べましたように、ハイテクの分野では、現在強い地位を確保していても、新しい技術の登場などにより、短期間で強い地位を失ってしまう可能性があります。常に技術動向をチェックし、次への布石を打つ必要があります。また前述のようなカニバリゼーションに躊躇し、一般消費者に喜ばれる商品の開発を怠れば、技術はあっても他社に負ける可能性が高くなります。

本ブログの記事「ソニーは再び成長するのか?マイクロソフトの提携に未来を感じた?」で紹介しましたように、いくつか期待できる動きがあります。その1つがゲーム事業に関するマイクロソフトとのクラウドソリューションの提携です。ソニーのPlayStationなどのゲーム事業は、今ではソニーを支える主力事業です。マイクロソフトもXboxというゲーム機を開発している、いわばライバル企業です。任天堂もゲーム機を開発していますが、これらのゲーム機事業者の今後のリスクは、ゲームが専用機ではなく、インターネットを介したスマホなどの他の端末に移行することです。特に5Gの時代になると一気にその流れが加速する可能性があります。

その時に重要になるのがクラウドサービスです。つまり、専用ゲーム機の機能の多くをクラウド上に置いてしまえば、高性能な専用機が不要になるからです。かつてのカニバリゼーション的な発想ならば、ゲームでのクラウドサービス利用を少しでも先延ばしする方向で努力していたでしょう。ところがライバルであるマイクロソフトと提携してまで、クラウドサービスの活用を積極的に進めようとするところに未来を感じます。

もう一つが5Gスマホのカメラの性能向上です。スマホ搭載のカメラのこれまでの性能向上により、コンパクトデジカメが売れなくなったことは広く知られています。コンパクトデジカメよりもスマホの方がコンパクトですし、画面も大きく高画質なので撮影した画像もきれいに表示できます。コンパクトデジカメが売れなくなるのも納得です。

現時点ではスマホのカメラよりも一眼レフのカメラの方が流石にカメラとしては上のレベルです。しかし、スマホのカメラの性能がさらに向上して一眼レフに近づいて来たらどうなるでしょうか?間違いなく一眼レフカメラの販売は減少し、よりニッチな商品となるでしょう。ソニーは自社内に一眼レフカメラ事業も持っていますが、ソニーはその一眼レフのノウハウと世界1位の画像センサーを駆使して5Gスマホのカメラのレベルアップを始めています。こんなところにもカニバリゼーションを超えた動きを感じます。

まとめ

ハイテクの分野では次々に新しいテクノロジーが登場しますので、現状に甘んじることなく、常に消費者のことを考えて戦略的に先手を打つことが必要です。最近のソニーには、そんな積極的な動きが見られます。楽しみですね。

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