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ダイセルが海洋で生分解されるプラスチックを開発!

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株式会社ダイセルが海洋で生分解されるプラスチックを開発したと発表しました。海洋に流出したプラスチックごみ問題が深刻化している現在、注目すべき発表です。広く普及できるプラスチックなのでしょうか?以下に紹介します。

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生分解性プラスチックとごみ問題についてのまとめ

ダイセルが生分解性プラスチックを開発!海洋でも分解!

株式会社ダイセルは、自社の公式サイトで2020年1月27日に海洋で生分解されるプラスチックを開発したことを発表しました。これは酢酸セルロースのことで、従来の同社の酢酸セルロースに比べ、生分解性を2倍に向上させたとのことです。

酢酸セルロース(アセチルセルロース)は、植物由来のセルロースに酢酸を反応させて酢化(アセチル化)することにより得られるものです。酢化度によって特性を制御できますが、その中で三酢酸セルロース(トリアセチルセルロース)は、液晶ディスプレイの偏光板保護フィルムとして利用されています。

酢酸セルロースは、上記のようにセルロースと酢酸からできていますので、環境にも優しく、生分解性があります。分解速度は環境にもよりますが、通常は数か月から数年で水と二酸化炭素まで分解されます。古くから使われている酢酸セルロースですが、今回発表されたもののどこが新しいかというと、生分解性の速度を制御できる技術を使って作られている点です。従来の酢酸セルロースに比べて、海水中で2倍の速度で分解されますし、生分解性プラスチックとして有名なポリ乳酸よりも生分解性が格段に高いです。

ダイセルでは従来から酢酸セルロースを製造していますが、将来的には年間数千トン以上の生産を目指しているとのことです。

ダイセルの酢酸セルロースの用途は?

前述のようにダイセルの酢酸セルロースは、液晶ディスプレイの偏光板保護フィルムの原料として利用されています。偏光板保護フィルムのシェアトップは富士フイルムです。実は大日本セルロイド(現在のダイセル)の写真用フィルム事業を1934年に分離して設立されたのが富士フイルムという関係にあります。現在の富士フイルムの時価総額が約2.9兆円、ダイセルの時価総額が約3,495億円であることを考えると、分離された子会社が非常に大きく成長したことがわかります。

酢酸セルロースは、他にも眼鏡のフレームや化粧品のファンデーションなどに配合ずる微粒子、水処理の中空糸、アセテート繊維、X線フィルムのベースフィルムなどとして利用されています。最近は化粧品等に含まれている微小なプラスチック性粒子が、家庭から下水に流れ、河川を通過して海洋まで流出し、マイクロプラスチックとして長期間蓄積することがわかっています。そのような観点でも、生分解性の高い材料で微粒子を作れば有効な解決策になると期待されます。


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ダイセルの酢酸セルロースで多くのプラスチックを代替できるのか?

酢酸セルロースは、生体に対しての安全性が高い、日光(特に紫外線)に対する抵抗力が大きく、容易に分解しないので長期間使用することが可能、耐薬品性が良好で、有機、無機の弱酸、動植物油、ガソリン等には侵されないなどの優れた特徴があります。しかし、プラスチックとして重要な熱可塑性が無いことを指摘しておかなければなりません。

熱可塑性とは、加熱すると溶融し、液状になって流れる性質のことです。この性質があるので、米粒のようなプラスチックのペレットを加熱し、溶融させて型に流し込み、いろいろな形状のものを安価に大量生産できるわけです。それ故、プラスチックが広く普及するようになりました。

酢酸セルロースの場合は、それ自身は加熱していくと溶融して流れるよりも前に分解してしまいます。しかし、可塑剤と呼ばれる化学物質を添加することにより溶融する温度を下げて、ある程度は成形できるようになります。そのようにして作られたものが眼鏡のフレームなどどして利用されています。

簡単に安価に様々なプラスチック成形品を製造するためには、より安価で熱可塑性に優れ、成形物の機械特性にも優れる他のプラスチックが選択されることが多く、現在のような各用途での各種プラスチックの利用状況となっています。

今後、酢酸セルロースで多くのプラスチックを代替していくためには、種々の製品に簡単に成形できること、安価に製造できることを示していく必要があるでしょう。

まとめ

ダイセルが発表した海洋での生分解性に優れる新しい酢酸セルロースについて紹介しました。天然由来の原料から作ることができ、生分解性も高いというのは魅力ですね。

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