シャープが有機ELテレビを発売!その背景は?

有機EL

シャープがついに有機ELテレビを発売するようです。選択肢が増えるという点で一般消費者には嬉しい話ですが、ディスプレイ・テレビ産業の動向を考えると非常に印象的な出来事です。以下にもう少しわかりやすく解説していきたいと思います。

スポンサーリンク

注目!
▼▼4Kテレビと8Kテレビについてはこちら▼▼
4Kテレビと8Kテレビのまとめ!有機ELと液晶のどっちが良い?

シャープが有機ELテレビを発売!

日本経済新聞(2020年1月25日朝刊12面)によれば、シャープが2020年春にも日本国内で有機ELテレビの販売を始めるようです。有機ELテレビで4K放送の受信機を内蔵した55型と65型の2モデルを投入するとのことです。

ソニー、パナソニックなどの国内の収容なテレビメーカーからは、ハイエンドのテレビとして有機ELテレビが数年前からラインアップされています。そのような状況下でもシャープは有機ELテレビをラインアップに入れず、8K液晶テレビをハイエンドの製品としてアピールしてきました。

またシャープと言えば、2001年1月に本格的な液晶テレビ「アクオス」を発売し、その後、世界のブラウン管テレビを急速に液晶テレビに置き換えていく先駆けとなりました。積極的な投資を続け、大量の液晶パネルと液晶テレビの生産を進め、「液晶の次も液晶」という言葉も掲げられました。

そのような歴史から、前述のように頑なに有機ELテレビを発売せずに、液晶テレビの販売を続けたのもシャープらしい判断と受け止める人も多かったのではないでしょうか?そんなシャープがついに有機ELテレビの販売に踏み切るということですので、印象深い出来事なわけです。

関連記事:4K有機ELテレビと8K液晶テレビのどっちを選ぶ?4K液晶テレビは?

シャープはなぜ有機ELテレビの販売を始めるのか?

シャープは、前述のように他社に先駆けて本格的な液晶テレビの販売を開始しました。そのため液晶テレビと言えばシャープのアクオスというブランドイメージを確立し、日本国内では長年トップシェアを占めていました。シャープの国内テレビ市場のシェアは金額ベースで2018年は25.8%と首位でしたが、19年1~9月期にはソニー、パナソニックに次ぐ3位(22.2%)に後退しています。特にシャープは高価格帯で苦戦しています。

シャープの有機ELテレビ参入の直接的な理由はここにあるではないでしょうか?つまり、もっとも強かった日本国内の市場で、高価格帯で苦戦しているわけですので、勝てる商品を投入しなければなりません。8K液晶テレビでは売上・利益を大きく伸ばすことが難しかったということでしょう。

シャープの技術力と液晶テレビの画質を見れば、4K有機ELテレビにおいてもある水準以上の製品を出してくるでしょう。スマホでは有機EL搭載のアクオス ゼロをすでに発売していますので、有機ELを使いこなす技術・ノウハウもあるでしょう。


スポンサーリンク

シャープはなぜ有機ELテレビをこれまで発売しなかったのか?

シャープは経営不振になってから鴻海精密工業に買収されて傘下に入りました。シャープグループの最大の国内液晶パネル工場を保有する堺ディスプレイプロダクツ(SDP)も鴻海精密工業グループに入っています。かつてシャープが巨額の投資をしてSDPの巨大工場を建設しました。韓国勢の積極投資に対抗するための経営判断でしたが、その後、稼働率が上がらなくなり、経営危機に陥りました。ディスプレイ産業では、パネル工場に積極投資し、大量生産してコストを下げることが重要です。しかし、大量に製造したものを売りきらなければなりませんし、稼働率が上がらなければ採算が取れません。

SDPの巨大工場を抱える同グループにとっては、同工場の稼働率を上げ、製造する液晶パネルを売り切ることが極めて重要なわけです。そのため同工場で製造する液晶パネルの付加価値を上げるための8K液晶テレビに注力することは必然であったのかもしれません。

しかし、4K放送を視聴する世帯でさえ非常に低い割合ですので、8K放送となるとほとんど普及していないと言って良い普及率です。そうなると8K液晶テレビの販売台数が大きく伸びるのも透明は難しいでしょう。シャープが最近、4Kチューナー内臓で8Kチューナーを内蔵していない8Kテレビを発売したのも、そのような状況を反映したものでしょう。

関連記事:4K8K放送が普及しないのはなぜ?今後は普及する?

おそらくこの状況にさらに追い打ちをかけているのが、中国勢による液晶パネル・テレビの大量生産による価格低下です。液晶テレビは低価格で高画質ですので、一般消費者にとっては魅力ある商品なのですが、現状では販売しても利益が出ないほど価格が下がってしまっています。こうなると有機ELテレビを販売していないシャープには非常に厳しいでしょう。

シャープはLGから有機ELパネルを調達するようです。これはLGがほぼ独占的に販売していますので、他に選択肢は無いようです。これによりシャープのテレビ事業の売上・利益は改善するかもしれませんが、液晶パネル工場の稼働率が下がっていけば深刻な状況になる可能性があります。サムスンとLGも液晶テレビを縮小していく傾向にあります。シャープも、液晶パネルの生産ラインを中国勢が製造できないような製品の生産に転用していく必要があるのかもしれません。

関連記事:中国勢が韓国勢の液晶を滅ぼす時がついに来た?LGは赤字!

まとめ

シャープが有機ELテレビの国内販売をスタートすることについて解説しました。中国勢による液晶パネル・テレビの大量生産の影響がここでも大きいようです。

▼▼4Kテレビと8Kテレビについてはこちら▼▼
4Kテレビと8Kテレビのまとめ!有機ELと液晶のどっちが良い?

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました