毎年のように強い台風が日本に来襲し、大きな被害を発生させています。それは強い風によるものと、大量の雨によるものがあります。これらの災害に対し備えをすべきでしょう。以下に台風対策などについてまとめました。
台風で窓ガラスが割れるのでしょうか?

台風とは最大風速が約17m/s以上にまで発達した熱帯低気圧のことです。したがって、台風は言うまでもなく強い風をともなっています。しかし、台風の強風がどの程度危険なものか想像できるでしょうか?
風速が20 m/sでは立っているのも大変です。25 m/sになると屋根瓦が飛ばされる、樹木が折れる、煙突が倒れるなどの被害が出始めます。30 m/sでは雨戸や屋根が飛ばされることがあり、電柱が倒れることもあります。35 m/sでは自動車や列車が倒れることがあります。強い風の恐ろしさが理解できると思います。
台風の強風でも、風圧だけで窓ガラスが割れることは無いようなのですが、風によって飛ばされてきた何かが窓ガラスにぶつかることで比較的簡単に割れてしまうようです。重量的に軽いものでも、硬いものが強風で飛ばされると大きな破壊力となります。
台風の強風から窓ガラスを守る方法として最善なのは、窓ガラスの外側に雨戸を設置する方法です。従来の雨戸では風で外れてしまうことがありますので、窓ガラス用の電動シャッターなどのタイプが良いでしょう。詳しくは以下の記事で紹介しています。
関連記事:台風で窓ガラスが割れる?対策が必要?被害を少なくするには?
ガラスの飛散防止のために窓に養生テープを貼る方法

雨戸が無い場合は、もっとも簡単な対策として養生テープを窓に貼る方法があります。これは窓の内側から養生テープを貼るので、外側から飛来物が窓ガラスに当たった時に窓ガラスを割れないように保護する機能はありません。割れた窓ガラスが飛び散らないようにある程度防ぐ機能があるということです。強風で割れたガラスが部屋内に飛び込んでくることを想定すれば、養生テープでそれをある程度防げる効果はかなり大きいでしょう。
養生テープ以外には、窓ガラスの内側に厚手のカーテンを設置し、しっかり閉めておくことも効果があるでしょう。詳しくは以下の記事で紹介しています。
関連記事:台風が来る時の窓対策で養生テープを貼る方法!効果があるのは?
台風によるトイレの逆流防止

地が低い地域、下水の排水能力が低い地域などはリスクが高いと考えられます。過去に下水・トイレが逆流したことがある住宅では、何らかの対策をしていない限りは再発する可能性が高いと考えた方が良いでしょう。
台風で下水・トイレが逆流する兆候としては、まず多量の雨が降ることが前提です。一般的には下水の排水能力は「1時間に50mm程度の雨量」を想定して設計されています。つまりそれに迫るような多量の雨が降った場合に、下水の排水能力を超えて逆流する可能性があります。
自宅の下水への排水口やトイレでは、逆流し始める際に「ゴボゴボ」と音がしたり、下水の臭いが上がって来たりすることがあります。そのような場合は、逆流する可能性が高いので、すぐに対策をしましょう。あまりに短時間に激しい雨が降った場合は、突然逆流してくることもありますので、降雨量にも注意しましょう。具体的な対策など、詳しくは以下の記事で紹介しています。
関連記事:台風でトイレが逆流する?その対策は?マンションでも?
江戸川区ハザードマップ

このような状況の中、江戸川区が公表したハザードマップが話題になっています。江戸川区は、東京23区の一つで、東部に位置し、東側は千葉県と接しています。また南側は海に面し、台風が来襲した際には海からの影響が想定されています。特に江戸川区の周囲が荒川、江戸川、中川などに囲まれ、同区の陸地の7割以上が満潮時の海水面よりも低い「ゼロメートル地帯」ということが災害のリスクを高くしています。
これらの要因によって江戸川区が浸水してしまった場合、ゼロメートル地帯が多いために区のほとんどが水没し、1~2週間水が引かないと予想されます。これは江戸川区だけではなく、墨田区、江東区、足立区、葛飾区でも浸水が発生する可能性が高いです。これらの5区の人口の9割以上の250万人が浸水被害に遭う可能性が考えられます。
このようなシミュレーションをハザードマップとして公表し、もっとも伝えようとしている重要なことは、そのような事態が想定される場合は、「浸水のおそれがない地域まで避難して!」ということです。江戸川区が発表する緊急時の対応として、「江戸川区内に残っては危険なので、区外の避難してください」という内容があまりにも衝撃的で話題となっています。詳しくは以下の記事で紹介しています。
多摩川ライブカメラで様子を確認する

2019年の台風第19号が来襲した際に、多量の雨が東日本を中心とした広域で短時間で降り、河川に流れ込みました。多くの地域で危険水域となり、氾濫して大きな被害が出たところも少なくありません。今後もこのような強い勢力を持った台風が来襲すると想定しておかなければなりません。
多量の雨を降らせる台風が来襲した時には、テレビのニュースなどからできるだけ正しい情報を迅速に得ることが大切です。しかし、大型の台風の場合、被害を被る範囲が広域すぎ、また局所的に強い雨が降ったりすると、すべての河川およびそこに流れ込む支流の情報を把握しきれなくなることがあります。テレビのニュースを注意深く聞くとともに、近くの河川の状況もある程度把握したいです。
しかし、洪水の危険がある時に河川に近づくことは極めて危険で厳禁です。幸いなことに最近はいくつかの河川の観測スポットにビデオカメラが設置されており、その映像をインターネット経由で見ることができます。近くの河川の映像をスマホなどで見ると良いでしょう。詳しくは以下の記事で紹介しています。
関連記事:台風で河川が氾濫!多摩川ライブカメラで様子を確認!
太陽光発電は停電時に使えるのか?

日本の電力網は、大規模な発電所で作った電気を、長い距離の送電線を使って各家庭まで届けています。これは日本以外のほとんどの国でも同様です。しかし、このような送電網の場合、途中のどこかで送電線が切れてしまうと、そこから先へは電気を送ることができず、システム的に弱点があることは明かです。もっとも災害に強いのは、使用する場所の近くで発電し、それがお互いに電力網で結ばれた分散型電源です。
現在の技術・製品を使って、もっとも分散電源化を実現しやすい方法は、各家庭に太陽光パネルを設置し、発電した電気を蓄電池に貯めておく方法です。台風15号で停電した地域でも、太陽光パネルで発電した電気を利用できた住宅もあったようです。しかし、蓄電池まで設置している家庭は少なく、基本的には日中の日射量が多い時間帯のみの利用です。今後、蓄電池の値下がりと普及が想定されていますので、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせたシステムが普及すれば、停電時にも非常に役に立つでしょう。詳しくは以下の記事で紹介しています。
関連記事:太陽光発電は停電時に使える?蓄電池は?台風への備えを!
まとめ
地球温暖化のためか、強い勢力を持った台風が日本へ来襲することが多く、日本では台風は身近な危険となっています。台風のリスクを理解し、適切な対策を講じましょう。
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