JDIが透明ディスプレイを開発!2020年度の量産開始を目指す!

透明ディスプレイ

ジャパンディスプレイ(JDI)から12.3インチ透明液晶ディスプレイを開発したことが2019年11月28日に発表されました。透明ディスプレイは、以前にも学会発表・展示などがされていましたが、さらに性能を向上させ、いよいよ2020年度の量産を目指すとのことです。以下に紹介します。

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注目!!
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JDIが透明ディスプレイを開発!透過率が向上!

JDIが開発したと発表した透明液晶ディスプレイの写真と概略仕様は以下の通りです。

画面サイズ:12.3インチ
画素数:1440(H)×540(V)
精細度:125ppi
最大表示色:4,096色
透過率(非表示時):87%
タッチ機能:なし

JDIは、2017年に透明ディスプレイを開発し、発表しました。その時の概略仕様は以下の通りです。

画面サイズ:4.0インチ
画素数:300(横)×360(縦)
精細度:117ppi
最大表示色:1677万色
透過率(非表示時):80%

両者を比較すると、短期間に地道に性能を向上させてきたことがわかります。2017年の発表時に、カラーフィルターおよび偏光板を使用せず、散乱型液晶を使用し、フィールドシーケンシャル方式でカラー表示を可能にしていることが公表されています。これを「大型化と更なる表示性能の改善を行ってきた」と発表されていますので、基本的には同様の方式のようです。

透明ディスプレイは、もちろん「透明」であることが最大の特長です。しかし、これまで発表されてきたいろいろな試作品も、「透明」と言ってもその透明性に差がありました。透明性は透過率(入射した光の何%が通過できるか)という数値で表されます。今回の試作品の87%は非常に高い透過率と言って良いでしょう。

なぜなら透明なアクリルの板で透過率は92%程度で、ガラス窓では90%程度だからです。アクリルやガラスは、非常に透明性が高く、1〜2mm程度の厚さであれば、光が通過する際にそれらの内部で光が吸収されることはほとんどないのですが、入射面と出射面での反射損失で前述のような透過率となります。

したがって、87%という透過率は、透明なアクリルやガラス窓とほとんど同じような透明性と言えます。その透明性を達成しながら、125ppiの精細度と4,096色の色表示を可能としたことは驚異的です!透明ディスプレイの1つの完成形と言っても良いでしょう。

JDIは透明ディスプレイの2020年度量産開始を目指す!

JDIの公式サイトでの今回の透明液晶ディスプレイの発表の中で、「2020年度の量産開始を目指す」としています。JDIの技術力と今回の試作品の完成度の高さを見ても、技術的には量産の目処は立っているのでしょう。最も気になる点は、用途です。

透明ディスプレイそのものは特に新しいものではなく、これまでも複数の企業がいくつかの方式のものを開発し、試作品を展示・発表してきました。例えばCEATEC JAPAN 2016のパナソニックブースで、お酒を入れたワインセラーの正面の扉部分に透明ディスプレイを用いたデモが行われていました。これはタッチパネル機能があり、お酒に関する情報などをタッチして見ることができるものでした。またCES2016では、リビングの棚に透明ディスプレイを取り付け、普段はテレビとして使用し、視聴しないときには透明なガラスになるような使い方のデモをしていました。

今回のJDIの試作品は、透過率と画素密度においておそらくこれまで発表されたものの中で最高のスペックでしょう。透明ディスプレイの画質に関する最大の弱点は、背面側が明るいと光が前方に透過してきてしまうため、黒をしっかり表示することが難しく、コントラストが低くなることです。したがって、一般的な液晶ディスプレイにはない「透明」という特長を活かし、コントラストが低くなるという弱点が気にならなくなるような用途がどこにあるのかという点が最大の課題でしょう。

JDIが2020年度の量産を目指す以上、何らかの用途・需要があると見込んでいると思いますが、現時点でそれらは公表されていません。

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JDIは透明ディスプレイの事業化に成功するか?

液晶ディスプレイ産業は、日本で大きく花開いた産業ですが、韓国勢も猛烈なキャッチアップにより、日本勢は衰退しました。その韓国勢でさえ国家の全面的な支援を受けた中国勢の猛攻により苦境に陥っています。中国勢の需要を無視した大量投資・生産により、液晶ディスプレイの価格は大きく下がり、「誰も利益を出せない産業」になった言われています。

そのような状況で、JDIは高い技術力があるにもかかわらず経営不振に陥りました。JDIは中小型液晶の事業を進めており、特にiPhoneなどのスマホ用高画質液晶が最大の事業です。しかし、AppleのiPhoneのようにハイエンドスマホが有機ELにシフトしているため、それに対応しつつ、スマホ以外の液晶ディスプレイの用途を開拓することに会社の存亡をかける事態に追い込まれました。

実際、急速に搭載されるディスプレイが増えつつある自動車のディスプレイではトップシェアを占めており、必死の努力を続けています。それでもスマホ用ディスプレイの売上に比べると圧倒的に規模が小さく、新たな用途を開拓することが最大の課題です。

いずれにしても先人が切り開いた事業領域を、資金力などを使って猛烈にキャッチアップすることに比べると、新しい技術を活用して新しい商品・用途を開拓することは極めて難易度が高いことです。しかし、資金力やコスト競争では勝負にならない日本企業にとってはそれに挑まずにはいられないでしょう。

そのような背景を考えれば、今回の透明ディスプレイの事業化がJDIの将来を示す1つの判断材料となる可能性が高いでしょう。液晶ディスプレイの新しい用途・市場を開拓し、新たな成長を始める試金石となることを期待します!

まとめ

JDIが発表した新しい透明液晶ディスプレイについて紹介しました。JDIの高い技術力をアピールする試作品ですので、事業化が楽しみです。

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