車載ディスプレイの最新動向!曲面ディスプレイやHUDに注目!

車載ディスプレイ

テレビやスマホのディスプレイは、最近の20年ぐらいの間に急速に高画質化し、普及しました。これらに比べてワンテンポ後からついて来る感がありますが、車載のディスプレイが急速に進化しています。また車載ディスプレイならではの特色もあり、興味深いです。最新動向を以下に紹介します。

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車載用曲面液晶ディスプレイが製品化された!

車載用ディスプレイと言えば、カーナビとDVDや地デジなどを視聴できるモニターがまず思い浮かびます。これらには液晶ディスプレイが用いられており、最近の画質の向上とともにきれいな表示が可能となりました。

またインパネなどにも液晶ディスプレイが採用され始めており、魅力的な映像表現が可能となっています。それ以外にも、車のダッシュボードやセンターコンソール付近にあったボタン類もタッチパネル付液晶ディスプレイに集約されつつあり、車載用ディスプレイそのものが増えつつあります。

インパネやセンターコンソールなどにディスプレイを使用する場合、車のインテリア・デザインとの融合性がより重要になります。

そこで待ち望まれていたのが曲面ディスプレイです。ディスプレイ表示面を緩やかな曲面にすることで、ダッシュボードの曲線的なデザインに融合させることができます。一般的な液晶ディスプレイパネルを曲面形状に加工すると、光漏れによって黒がグレーになってしまうなど、画質の低下につながりやすく、案外難易度が高い開発となりました。

2019年にジャパンディスプレイ(JDI)がこの課題を解決し、世界で初めて車載用曲面ディスプレイを開発し、製品化しました。実際に欧州車に搭載されています。JDIはスマホ用高精細液晶が主力製品であるため、AppleのiPhoneなどの有機ELシフトや価格下落によって経営不振に陥りましたが、車載用ディスプレイではトップシェアを占め、重要な主力事業となっています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:JDIの車載用曲面液晶ディスプレイが世界で初めて採用!

車載用ディスプレイは液晶!

カーナビや地デジ用モニターとして主に使われてきたディスプレイは、急速に進歩し、高画質化しました。そしてインパネやセンターコンソールでの採用も増える中、待ち望まれていた曲面ディスプレイが液晶でついに製品化され、注目されています。

「曲面ディスプレイを作る」ということにおいては、液晶ディスプレイよりも有機ELディスプレイの方が格段に簡単です。なぜ有機ELディスプレイが車載用に採用されていないのでしょうか?

有機ELに限らず、液晶においても、弱点をそれらのメーカーは公表したがらないのですが、車メーカーのコメントによれば有機ELは耐久性において課題があるということです。車という商品は世界中で販売され、氷点下になるような極寒の地から砂漠のような灼熱の地でまで使われます。日本でも炎天下に車を駐車しておくと、車内の温度が数時間で60℃近くまで、ダッシュボード付近の温度は80℃近くまで上昇することが実験により確認されています。そのような厳しい環境下で十分な耐久性・信頼性を確保するのは、有機ELにとってはかなりの難題でしょう。

液晶ディスプレイでは曲面にすると言っても、曲率を大きくすること(曲率半径を小さくすること)は難しいですが、ドライバーが視認しやすくするためには、それほど大きく曲げる必要もないことが多く、通常は問題ないでしょう。しばらくは液晶ディスプレイの優位が続くと予想されます。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:車載用のディスプレイは液晶強し!有機ELはまだ?

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FlexEnableのフレキシブル液晶(OLCD)に注目!

量産車の車載用ディスプレイとして世界で初めてJDIの曲面液晶ディスプレイが採用されました。これは緩やかな曲面画面のディスプレイで、車のインパネなどに適したものです。このように曲面ディスプレイと言っても、その曲面形状で固定したままで多くの重要情報を表示するものは、比較的緩やかな曲面でも良いケースが多いです。

車のスピードやエンジンの回転数などの重要情報を表示する部分については、運転者が見やすいようにそれほど大きく曲げないようにする必要がありますが、その周辺部分については、もっと自由な曲面形状が可能になればデザイン上の自由度も格段に広がります。そのような観点から有機ELディスプレへの期待もあるのですが、液晶ディスプレイでも自由に曲げられるフレキシブルなものが開発されていることは知っておいた方が良いでしょう。

英国のFlexEnable社が研究開発を進めるOLCDというフレキシブル液晶ディスプレイを開発しています。OLCDとは、Organic LCDsの略で、フレキシブルなポリマー基板に有機TFTを形成したフレキシブルな液晶ディスプレイのことです。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:フレキシブル液晶FlexEnableのOLCDとは?

車載にHUDが標準装備の時代に突入!

車載用のディスプレイと言えば、カーナビ・地デジ用のモニターとインパネやセンターコンソールのディスプレイが急速に進化しています。忘れては行けないのがフロントウインドウに投影するHUD(ヘッドアップディスプレイ)です。

車載のHUDとしては、パイオニアから後付のカーナビが以前販売されました。これはレーザーを走査してフロントガラスに投影する方式で、技術的にも先進的なものだったのですが、後付でドライバーの頭上に取り付けなければならず、圧迫感があるために販売は伸びなかったようです。

それでもHUDは、ドライバーが視線を前方からずらさずにフロントウインドウ上に投影された情報を読み取ることができますので、着実に普及し始めています。ダッシュボード内部に液晶ディスプレイなどを設置し、それをフロンドウインドウに反射させて投影するタイプです。現時点では主に速度などを表示するために使用されており、プリウスなどの量販車で標準装備となっています。

これだけでもかなり便利なのですが、現実の風景に重ねて情報を表示できる「AR」という意味でも、他の車載ディスプレイには無い可能性があります。将来的にはフロントガラスのもっと広い領域にARで情報を表示し、暗く、視界が悪い時に飛び出しなどの危険を表示させるなどの用途が期待されています。

そんな車載用HUDについては、日本メーカーの日本精機が首位です。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:車載ディスプレイはHUDに注目!日本精機が世界首位!

車載用HUDに自発光型が提案されている!

前述のように車載用のディスプレイがいろいろある中で、HUDはフロントガラスに投影してAR技術が使えるという長所があり、今後はますます普及し、発展していくと期待されます。このように投影式(プロジェクション式)ならではの長所はあるのですが、強度を持たせるためにミリオーダーの厚さがあるフロントガラスに投影する場合は、ガラスの内側と外側で像が2重に反射し、精細度が低下するという課題もあります。

この課題に対し、自発光式という方法で解決を試みたのが積水化学工業です。同社はフロントガラスの中間膜の事業を進める企業で、その技術と高度な化学技術を駆使しての提案です。自発光であれば、二重反射によって画質が低下するという課題が本質的に回避できます。また発光体に励起光を照射するためのレーザーユニットはタバコの箱よりも小さく、限られた容積を有効に活用しなければならない車内において、大きなアドバンテージがあります。

今後、普及するのかどうか注目したいです。

関連記事:車のHUDに積水化学工業の自発光ディスプレイ!広視野角でコンパクト

まとめ

テレビやスマホのディスプレイも急速に進化していますが、車載用ディスプレイも同様に急速に進化しています。特にHUDなどのように車載ならではの特色もあり、注目したいです。

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