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リコーがリストラから復調している?複合機業界の低迷を超えて

投稿日:2019年11月11日 更新日:

日本ではリーマンショック以降にシャープや東芝などの日本を代表する電機メーカーの経営危機が深刻になりました。特にディスプレイにかかわる企業が話題になることが多かったのですが、難しいビジネス環境になっているのはディスプレイ業界だけではありません。オフィス用複合機の業界でも、製品が成熟し、参入企業も多く、市場が飽和しつつあります。オフィス複合機のトップメーカーであるリコーについてみてみましょう。

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リコーは2018年3月期に大規模なリストラを敢行

オフィス用複合機大手のリコーは、2018年3月期の連結決算(国際会計基準)で営業損益が1156億円の赤字(前期は338億円の黒字)、純損益が1353億円の赤字(同34億円の黒字)となり、いずれも過去最大の赤字となりました。突然の巨額の赤字に驚かされましたが、赤字の内容を見ると再生へ向けての本格的なリストラの結果であることが分かります。

それらは具体的には以下のようなものです。

・リコーインドへの会社更生手続きの申し立てと減損損失計上
・リコー電子デバイスの株式譲渡
・三愛観光の株式譲渡
・コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスの全株売却
・全世界で人員削減(正社員7,700人)
・事業所の閉鎖や銀座本社を大田区に移転
・「全英リコー女子オープン」の冠スポンサー降板

発表当時は、赤字額の大きさと人員削減数の多さで大きな注目を集めました。なぜこのような事態に追い込まれてしまったのでしょうか?

リコーのリストラの背景には複写機業界の低迷がある

リコーは2018年の「複合機/コピー機出荷台数」において、日本およびグローバルで世界1位です。国別で見ても、アメリカ2位、ラテン・アメリカ1位、カナダ2位、ヨーロッパ1位、中国5位、アジアパシフィック2位で、正に世界トップのメーカーと言える地位を誇っていました(*リコーの公式サイト参照)。しかし、それだけのシェアを占めていながら、大規模リストラの前の年度の2017年3月期では、営業利益率1.67%、ROE0.33%と非常に厳しい状況でした。

背景にあるのは冒頭で述べた複合機業界の状況です。参入メーカーは長年研究開発を続け、複合機の機能・性能はかなり成熟してきているため、競合他社との差別化が難しくなっています。そのためハードウェアではる複合機本体を販売してもほとんど利益が出ない状況となり、トナー、インク、その他の消耗品を販売して利益を上げるビジネスモデルになっています。

複合機もかなり普及しており、先進国では大きく伸びない状況です。新興国ではまだ成長性はあるようですが、世界的な景気動向に影響を受けやすく、景気が伸び悩むと複合機の販売も低迷します。そこでシェアを伸ばそうと販売に力を入れると、値引き競争になりやすく、収益を悪化させます。

そのような状況に追い打ちをかけているのが「ペーパーレス化」の波です。これは地球環境保全や職場でのコスト削減にはプラスですので、複合機各社が想定していたよりも早く浸透しつつあるようです。これは消耗品で稼ぐビジネスモデルには脅威で、当面はこの流れは変わらないでしょう。

リコーは複合機業界のトップメーカーであり、売上の半分以上を複合機事業で上げていたことから深刻な状況でした。これらが大規模リストラの背景にありました。

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リコーはリストラから復調している?

リコーの当期利益は、2019年3月期は495億円、2020年3月期は620億円の見込みですので、復調しつつあります。2018年3月期に計上した純損益1353億円を回収できる日も近そうです。ROEは、2019年3月期は5.4%で、2020年3月期は6.5%を見込んでいます。

複合機については、シェアを過度に追わず、採算性重視の方針としたこと、販売サービス体制の最適化、原価低減などに取り組み、収益力を改善してきています。またITサービス事業も好調に推移しています。

既存の複合機以外の事業である商用印刷、山号印刷、サーマルなどの事業の強化を進め、成長させていくことを表明しています。既存の事業の延長上ではない、新規事業としてヘルスケア事業、AM事業、環境事業などへの取り組みを発表していますが、これらについてはまだ未知数のようです。複合機以外の事業を育成できるかに今後の成長がかかっているようです。

まとめ

リコーが大規模なリストラから復調しつつあることを紹介しました。しかし、市場が飽和し、過当競争の続く業界では、コスト削減だけでは大きな成長は見込めないでしょう。主力事業が稼いでいる間に、その他の事業を育成することが重要です。

複合機業界のライバルであるキヤノンについては、こちらの記事「キヤノンの減収減益にみるカメラ、複合機、プリンターの苦境」をご覧ください。

オフィスのペーパーレス化については、こちらの記事「オフィスのペーパーレス化が進まない?メリットとデメリットは?」をご覧ください。

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