幸せな人生

人生は山あり谷あり、楽しいこともあれば辛いこともあります。幸せな人生を送るためのノウハウ、独り言などを書いていきます。幸せな人生を送りたい方のヒントになれば幸いです。

有機EL

シャープが巻取り式の30インチ有機ELディスプレイを開発!

投稿日:

iPhoneなどのハイエンドのスマホのディスプレイが有機ELにシフトしつつあり、また大型テレビ用ディスプレイもハイエンドは有機ELが増えつつあります。液晶に注力してきたパネルメーカーも有機ELへのシフトを無視できない状況となっています。シャープが巻取り式有機ELディスプレイを発表しましたので紹介します。

スポンサーリンク

シャープが巻取り式の30インチ有機ELディスプレイを開発!

シャープは、2019年11月8日に「30V型4Kフレキシブル有機ELディスプレイを開発」と発表しました。NHKとの共同開発とのことです。外観はLGの発表した巻取り式有機ELテレビ(巻取りの動画はこちらの記事にあります)とよく似ており、土台に巻き取って収納されている有機ELディスプレイがせり上がるようにして出てきます。巻取り式有機ELディスプレイとしては、LGがかなり先行しているわけですが、巻取りの機械的な仕組みは最新技術というほどではなく、見るべきは巻き取り可能(ローラブルな)有機ELディスプレイを作製する技術、有機ELのディスプレイ構造にあるでしょう。

まずサイズについては、LGの巻取り式有機ELテレビは65インチ4Kを開発し、製品化も発表しています(*発売時期については未定)ので、シャープの30インチ4K有機ELディスプレイよりはかなり先行しています。今回のシャープとNHKの開発品は、カラーフィルターを用いずに、蒸着による赤緑青色(RGB)のサブピクセルを塗り分ける方法で作製されたことが注目に値します。LGの大型テレビ用有機ELパネルは、RGBの発光層を積層し、白色の発光をさせた上にカラーフィルターを配置してフルカラーにする方式であるため、カラーフィルターによる光エネルギー損失があります。それに比べると蒸着によるRGB塗り分け方式では、カラーフィルターによる光エネルギーの損失が原理的にありませんので、高い効率が期待できます(*数値については公表されていません)。蒸着によるRGB塗り分け方式では、30インチ(対角で約76cm)は世界最大です。

巻取り式ですので、ローラブルな基板が必要です。LGは曲げることができるガラス基板を使用していますが、シャープはフィルム基板を使用しています。TFTにはシャープの得意のIGZOを使用しています。

信号処理やパネル駆動技術にNHK独自の技術が活用されています。

開発品は、2019年11月13日(水)から15日(金)まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される国際放送機器展「Inter BEE 2019」のNHK/JEITA(電子情報技術産業協会)ブースにて展示されます。

シャープが巻取り式の30インチ有機ELディスプレイに見る有機ELの今後

シャープと言えば、かつては「液晶の次も液晶」との姿勢をとっていた液晶事業に注力する企業です。現在でももちろん液晶が主力事業です。そのシャープがすでにスマホ向け有機ELパネルを開発し、自社のスマホAQUOS ZEROなどに搭載しています。前述のような大型テレビの有機ELシフトもあり、ディスプレイパネル事業を展開するために、有機ELを無視できなくなっていることは間違いありません。

有機ELパネルは、まだまだ液晶パネルに比べれば価格が高く、今後は中国メーカーや韓国メーカーが大量生産とコストダウンを主導していく見込みです。コストダウンが進めば、さらに有機ELパネルのシェアは増えていくでしょう。

「液晶の次も液晶」という言葉のように、現時点でも世界のディスプレイを台数ベースでみれば、圧倒的に液晶ディスプレイの台数が多いです。それでも中国メーカーの大量生産により供給過剰に陥り、ほとんどのメーカーが利益が出せなくなってしまいました。そのためコスパという点でも液晶の方が良いにもかかわらず、事業としては厳しいです。そのため事業性という観点から、有機ELに進出する企業が増えているのでしょう。


スポンサーリンク

シャープが巻取り式の30インチ有機ELディスプレイの商品力は?

シャープは今回の巻取り式の30インチ有機ELディスプレイについて、製品化の方針は公表しておりません。つまり、これを製品として販売していることは考えていないようで、あくまでも技術のデモンストレーションという位置付けのようです。

実際のところ、仮にこれを製品化するとして、どの程度の商品力があるのか疑問ではあります。スマホ以外で有機ELが伸びているのは大型テレビです。LGがその有機ELパネルをほぼ独占的に供給しており、ソニー、パナソニックなどがそれを購入して、自社の有機ELテレビに搭載しています。それらは55インチ以上の大型テレビで、テレビの中でもハイエンド商品として販売することで事業として成功しています。

最近は販売されるテレビの半分以上が4Kテレビになっており、サイズは43インチ以上が主流です。あまり小さいと4Kとフルハイビジョンとの差が分かり難いこともあるのでしょう。したがって、32インチ以下のテレビはフルハイビジョン以下の解像度で、スペック的にもワンランク下となり、価格も5万円以下のものがほとんどです。そのような状況で、シャープが30インチの有機ELテレビを開発した点に疑問を感じますし、蒸着によるRGB塗り分け方式であることも大型化においては困難を感じます。

サムスンがかつては大型テレビ用の有機ELパネルを、蒸着によるRGB塗り分け式で大量生産に取り組み、あまりの難易度の高さから断念したことがあります。それだけ大型化が難しいわけです。シャープではスマホ用の有機ELパネルをすでに製造していますので、そのノウハウから30インチを作ってみたということ、さらには将来に向けてフィルム基板を用いた巻取り式のノウハウを獲得するために行った試作ということなのかもしれません。

まとめ

シャープとNHKの共同開発による巻取り式の30インチ有機ELディスプレイについて紹介しました。これを製品化するという発表はありませんでしたので、有機EL事業について、今後はどのような進め方をするのか注目です。

スポンサーリンク

-有機EL
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

AMOLEDとは?有機ELとの違いは?TFTの種類は?簡単に紹介!

スマートフォン、大型テレビ、スマートウォッチなどに有機ELが搭載され、普及が始まっています。「締まった黒」が表示できる優れた画質が高く評価されています。有機ELと言えばOLEDとも表記されますが、AM …

ガンマ補正とは?ディスプレイの階調とフルカラー表示について

ディスプレイの特性についての話では、よく「ガンマ補正」という用語が登場します。ガンマ補正とはどのような意味でしょうか?ディスプレイの階調表示とともに理解しておくと良いでしょう。 スポンサーリンク

有機ELと液晶の違いは?テレビを買うならどっちが良い?

最近は大型の有機ELテレビが家電量販店のテレビ売り場に並んでいます。従来からある液晶テレビとともに、高画質で美しい映像を楽しむことができます。いずれも4Kの解像度が当たり前になっており、8Kも製品が出 …

曲面ディスプレイと曲がるディスプレイのメリットは?

身の回りを見れば、高画質の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイがいろいろなところで使われています。もはや高画質というだけでは多くの人は驚かなくなり、次の付加価値を付けるべく、曲面ディスプレイや曲がる …

QLEDテレビと有機ELスマホにサムスンは注力する!なぜ?

液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイは、かつては日本企業が世界シェアの多くを占めていました。しかし、韓国のサムスンとLGの猛攻を受け、現在はこの2強が世界1位と2位を占めています。サムスン …