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キヤノンの減収減益にみるカメラ、複合機、プリンターの苦境

投稿日:2019年11月8日 更新日:

キヤノンと言えば、日本を代表する優良企業で、世界でも知名度の高いグローバル企業です。配当利回りも高く、個人投資家にも人気の銘柄です。そんなキヤノンが2019年の業績見通しで大きな減収減益と発表しました。何が起こっているのでしょうか?

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キヤノンの減収減益にみるカメラ、複合機、プリンターの苦境

キヤノンは、2019年第3四半期の決算発表において、2019年の業績見通しを発表しました。それによると対前年比で売上は3,269億円減の3兆6,250億円となり、8.3%の減収、営業利益は1,550億円減の1,880億円となり、45.2%の減益、また、純利益は1,128億円減の1,400億円となり、44.6%の減益、となる見通しです。

キヤノンは、複数の強い事業を持っています。例えば2018年度の同社が推定するシェアをみると、デジタルカメラが39%(*レンズ交換式カメラ49%、コンパクトカメラ30%)、レーザープリンター47%(*OEM供給分含む)でそれぞれ世界1位、複合機18%、インクジェットプリンター28%、半導体露光装置32%、FPD露光装置49%でそれぞれ世界2位です。

複数の強い事業があるために、互いに補い合って安定した売上・利益を出し続けるイメージがありましたが、これだけの減益となるとは驚きです。同社の説明によれば、為替が円高に推移していることや米中貿易摩擦の長期化による世界経済の減速などが減益の要因となっているようです。

確かにこれらの要因により、減収減益に追い込まれている企業はキヤノンだけでなく、他にも多くの日本企業の決算発表で確認できます。しかし、景気循環的な要因以外にも、それぞれの事業における構造的な要因もありそうです。以下にさらに詳しくみていきます。

キヤノンの減収減益にみるデジタルカメラ事業の苦境

キヤノンのみならずニコンなど各社のデジタルカメラ事業は苦境にあります。カメラがデジタル化され、デジタルカメラの出荷台数が伸びましたが、日本国内では2010年の1億2146万台をピークにその後は下がり続け、2018年には1942万台となりました。なんとピーク時の約16%にまで落ち込んでいます。主な要因の1つはスマホに搭載されるカメラの高性能化であることは広く知られています。

そのためスマホのカメラと差別化が難しいコンパクトデジカメがまず売れなくなり、それらを販売していたメーカーの撤退が続きました。高級一眼レフは、デジタルカメラの最高峰ですので、スマホのカメラとはまだ性能的にも差別化できますが、大型の一眼レフカメラを持ち歩いて頻繁に撮影するようなユーザー数もそれほど多いわけでもなく、徐々に頭打ちになりました。

また一眼レフが大きく、重いことに注目し、より小型化・軽量化が可能な「ミラーレス」のデジカメが登場し、特にソニーなどの一眼レフ市場でシェアが小さかった企業が注力し、販売を伸ばしてきました。キヤノンは一眼レフが強かっただけに、ミラーレスでは後手に回った感があり、2018年のシェアではソニーが42.5%で首位、キヤノンが19.8%で第2位となっています。特にソニーは、ミラーレスカメラの心臓部であるCMOSの画像センサーでは、断トツで世界トップの技術力とシェアを持っており、それを活かした商品作りをしています。

キヤノンもミラーレスの販売に注力していくと予想されますが、ミラーレスの販売が伸びるほど一眼レフの販売が減っていくと予想されますので難しい状況です。

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キヤノンの減収減益にみる複合機・プリンター事業の苦境

キヤノンはオフィス用の複合機(コピー機、プリンター、スキャナーなどが複合された事務機)とオフィス用のレーザープリンター、主に家庭用のインクジェットプリンターにおいても、大きなシェアを持っています。これらはこれまでに多くの研究開発努力により、優れた製品となっていますが、ある程度機能・性能が成熟しつつあり、機器単体の販売ではほとんど利益が出ない状況のようです。

そのためまずこれらの機器を販売し、主に印刷に使用するトナー、インク、その他の消耗品の販売で利益を上げるビジネスモデルになっています。前述のように、景気の低迷によってこれらの機器の販売が低迷しているということが今回の減収減益の要因としては大きいですが、その根底にあるのはペーパーレス化の流れです。

つまり、機器の機能・性能では競合他社と差別化できず、ほとんど利益を出せないために、印刷にともなう消耗品のビジネスとなっているにも関わらず、ペーパーレス化によって着実に印刷枚数が減少する方向にありますので、景気変動の影響を取り除いても、中長期では厳しい見通しでしょう。

これはこの業界の他社も同じ状況ですので、シェアの小さい企業ほどリストラ等が必要となります。複合機でトップのリコーについては、こちらの記事「リコーがリストラから復調している?複合機業界の低迷を超えて」をご覧ください。

キヤノンが託すこれからの伸びる事業

このような状況はもちろんキヤノンの経営陣も認識しており、将来の事業の柱となる事業を育成しています。その筆頭がメディカルシステム事業です。東芝から子会社の東芝メディカルを買収し、2019年に売上4520億円となる見通しです。売り上げ規模としてはカメラ事業に肉薄する規模ですので、育成中とは言えすでに主力事業の1つと言えるでしょう。

変化の激しい時代ですので、常に将来への種をまき、新しい事業を育成する努力を続けなけれなならないですね。

まとめ

キヤノンの2019年の減収減益予想発表から、主力事業のカメラ、オフィス複合機・プリンターなどの事業の状況についてみてみました。それぞれの分野で高いシェアを維持していますので、今後の巻き返しに期待です。

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