中国勢が韓国勢の液晶を滅ぼす時がついに来た?LGは赤字!

産業動向

かつては隆盛を誇った日本の液晶パネル産業を中心としたディスプレイ産業は、韓国勢の猛攻を受け、大きく衰退しました。しかし、その韓国勢でさえ、遠くない将来に中国勢の猛攻を受け、攻め滅ぼされるのではないかとの予想が広く伝わっています。もしかしたらその時を迎えつつあるのかもしれません。以下に紹介します。

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中国勢が韓国勢の液晶を滅ぼす時がついに来た?

韓国のディスプレイ産業の2強と言えばサムスンとLGです。2019年10月23日にLGディスプレイは、2019年7〜9月期決算を発表し、売上高が前年同期比4.6%減の5兆8220億ウォン(約4370億円)、営業損益は4370億ウォンの赤字(前年同期は1400億ウォンの黒字)であることが明らかになりました。7〜9月期としては8年ぶりの赤字転落です。

赤字の主な原因は中国勢の増産によるテレビ向け液晶パネルの価格下落です。価格は1年前から2〜3割下落しており、供給量も多く、過去最悪の供給過剰の状況です。

中国では2015年頃から政府の支援を得てBOEやCSOTなどが中国各地に液晶パネル工場を建設しています。近年は1工場あたり5000億円レベルの巨額の投資が必要とされ、台湾勢はすでに投資競争から脱落し、韓国勢のサムスンとLGがかろうじて対抗していた状況です。そのLGでさえ、あまりの価格下落のスピードについていけず、ついに赤字に転落してしまいました。

ついに中国勢が韓国勢を攻め滅ぼす時が来たのでしょうか?

中国勢により韓国勢の液晶産業の不利は否めない

2019年のSIDの展示会を見ても、中国勢の代表であるBOEは、8Kで120Hz駆動のテレビ用大型液晶ディスプレイを作る力があります。液晶ディスプレイとしては、技術的にほぼ最高峰で、成熟しつつある液晶という商品の中で中国勢と韓国勢の技術力の差は小さくなっています。

もちろん歩留まりやその他のいろいろな製造技術などにおいて、まだ差がある可能性はありますが、これまでのキャッチアップのスピードを見てもその差は今後さらに小さくなっていくでしょう。

液晶パネルの製造コストを下げるためには、大型で最新鋭の液晶パネル工場を建設する必要がありますが、すでの大幅な供給過剰となっているため、それには大きなリスクがあります。さらに投資規模としても5000億円レベルに達すると考えられ、巨額の政府からの支援が得られる中国勢を相手に韓国勢が投資をすることは極めて高いリスクとなるでしょう。実際、韓国勢は有機ELに投資を集中していくことを表明しています。

大規模な追加投資をしなければ大幅なコストダウンは期待できず、現在の液晶パネル価格では売れば売るほど赤字になりますので、韓国勢の液晶のシェアは低下していくでしょう。中国勢が自ら生産調整をしない限りは最悪の場合は韓国勢の液晶パネルの生産ラインは順次停止していく可能性もあるでしょう。

液晶パネルの家格が下がりすぎると、さすがに中国勢の経営も厳しくなっていく可能性がありますので、中国政府主導で何らかの動きがあるのか注目です。またもはや公平な競争環境とは言えませんので、米国政府による中国勢への何らかの措置があるのかどうかも注視したいです。

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中国勢は韓国勢の有機ELも滅ぼすのか?

現時点では、液晶に比べて有機ELの方が、中国勢に対する韓国勢の技術的な優位が維持されています。したがって、LGとサムスンは、いずれも有機ELに投資を集中させていくことを表明しています。

大型テレビ用の有機ELパネルは、LGが大きく先行していてほぼ独占状態ですが、まだ大きな利益に結びついていません。有機ELテレビの2018年の世界市場は約250万台で2億台レベルの液晶テレビに比べると非常に少ないです。中国内に新しい有機EL工場を稼働させるなど、積極的な攻めの投資を続けていますが、液晶事業の落ち込みを補うほどに成長するにはまだ時間がかかります。

スマホ向けの小型高精細有機ELパネルは、iPhoneの最新モデルに採用されるなど力を入れていますが、その枚数はサムスンの10分の1以下と規模が小さいです。

LGにしてもサムスンにしても、有機ELでも中国勢が猛烈にキャッチアップしてきますので、いつまでそのリードを維持できるのかが疑問です。液晶への投資を抑え、有機ELに投資を集中させたとしても、多額の政府からの援助が得られる中国勢を相手にした場合は不利であることは事実です。

さらに研究開発を続け、性能向上するほど、商品として成熟し、技術的な差別化が難しくなり、時間が経つほど特許が切れてきますので、キャッチアップする側が有利になります。他の産業では、事業規模が大きくなるほど投資額が大きくなり、後発で参入する側は価格下落もあって投資を回収することが難しくなるため、簡単にキャッチアップできなくなります。しかし、その巨額の投資を国が負担するのであれば、キャッチアップする側の方が圧倒的に有利です。特にディスプレイ産業界では、製造装置を買うことと、人材の引抜きによって、キャッチアップがしやすいようです。

中国政府の巨額の資金援助が続く限りは、韓国勢の有機EL産業も厳しい将来が予想されます。

まとめ

ディスプレイパネル産業において、中国勢が韓国勢を攻め滅ぼすというこれまでの予想が、もしかしたら現実のものとなりつつある可能性が高いです。今後、中国政府による中国メーカーへの支援体制に何らかの変化が起こらない限りは厳しい状況が、さらに深刻になるでしょう。

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