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新型iPhoneにみるAppleの戦略とスマホビジネスの転機

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日本では毎年9月頃に発売されるAppleの新型iPhoneが大きく報道され、注目を集めます。日本のスマホユーザーにおけるiPhoneのシェアが高いこともあり、Appleも力を入れています。私もiPhoneを3機種使い続けてきたユーザーなので、iPhoneの話題はいつも興味をもってみてきました。たかがスマホの1機種と言ってしまえばそれまでですが、iPhoneをウォッチすることで多くの重要なことが見えてきます。以下に紹介します。

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iPhoneによってAppleは大きく成長した

米国のAppleは2012年に株式時価総額が世界一で、Microsftが1999年に記録した史上最高額を更新しました。その後、MicrosoftやAmazon.comと世界首位を争っています。

Appleはスティーブ・ジョブス氏が創業した企業としてあまりにも有名です。そして、創業者であるスティーブ・ジョブス氏が一度追放され、1990年代後半には大きな赤字を出し、倒産の危機にありました。その後、スティーブ・ジョブス氏がAppleに復帰し、iMac、iPadを成功させ、Appleは復活します。

しかし、Appleを株式時価総額世界一まで成長させたのは、何と言ってもiPhoneです。一時はAppleの売上の70%程度がiPhoneであったこともあります。Mac、iPad、Apple Watch、iTunesなどの音楽サービスなども育成し、AppleもiPhone依存率を下げる努力を続けてきました。最近はiPhoneの売上不振もあり、2019年第3四半期(4〜6月)でiPhone依存率が50%を切ったことが報道されています。

このようにAppleにとってiPhoneは極めて重要な商品です。それだけに毎年の新型iPhoneの発表とその売れ行きには考えさせられることが多いです。例えば2017年に初めてiPhoneに有機ELディスプレイ搭載した「iPhone X」では、価格が999ドルになったこともあり、恒例の発表会で徴収の反応が冷たかったことが印象的でした。スマホの新製品開発と価格設定は難しくなっていることがわかります。次項でさらに詳しく述べます。

新型iPhoneの開発は難しくなっている

iPhoneは2007年に初代が発売されました。それ以降、毎年新型iPhoneが発売されています。iPhone 5までは1機種のみでしたが、iPhone 5Sと同時に5C、iPhone 6と同時に6 Plusが発売され、それ以降は大型のPlusシリーズは継続し、XSからはMaxという名称になっています。iPhone 7のときにSEが登場し、iPhone 8の時にXが登場しています。以降は有機ELモデルがフラッグシップモデルで、廉価版として液晶モデルが併売されています。

初代iPhone以降は、毎年新型iPhoneは前モデルに比べてかなり購買意欲をそそるような進歩があり、話題を作りながら、売上を伸ばしました。しかし、機能が充実し、商品として成熟してくると、誰にでもわかるような魅力的な進歩をアピールすることが難しくなります。これはスマホに限らず多くのハードウェア、特にデジタル機器には宿命とも言えることです。

特にフラッグシップモデルは、全モデルよりも性能的に向上することが求められます。またサムスンのGalaxyやHuaweiのMateのように、強力なライバルと比べて性能的に大きく遅れをとるわけにはいきません。iPhoneは7までは大きく価格を上げないで性能を向上させてきました。しかし、iPhone 8、XR、XS、11、11Proと価格を上げてきたことが、iPhoneの売上減少の一因と言われています。もちろん、スマホがかなり普及したこと、スマホの買い替え寿命が伸びていることも影響しています。

スマホの部品・部材の価格は、量産することで一般に下落傾向があるとは言え、毎年性能を向上させながら価格を大きく上昇させないということはかなり難しいことです。さらに前モデルには搭載されていなかった機能となると、新たな部品・部材・ソフトウェアを追加することになるわけですので、ますます難しいでしょう。

コストだけでなく、新機能という点でも実際に搭載できる技術の範囲内でユーザーにポジティブサプライズを与えることも、商品が成熟するほど難しいことは明らかです。そのため2019年モデルのiPhone 11 Proでは、トリプルカメラ以外にはあまり驚くような進歩はなく、基本性能の向上程度というコメントを多く見かけます。トリプルカメラについても、サムスンやHuaweiはすでに採用しているので、サプライズではないというコメントも多いです。

スマホとしての基本性能として、iPhoneはほぼ成熟してしまったのかもしれません。


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iPhoneは廉価版と旧型とサービスで稼ぐ

iPhoneのフラッグシップモデルは、Appleの企業イメージにも大きく影響しますので、これまでと同様に最高性能と洗練されたデザインのものを開発していくでしょう。しかし、価格設定的にはiPhone 11 Proのように1,000ドル未満が当面は上限となるでしょう。これまでの実績から、多くの消費者の感覚からスマホに個人がかけられる予算の上限がこの辺りの金額と考えられるからです。この価格に収まるように機能・性能を取捨選択し、魅力をアピールしていくが必要です。ただし、iPhone 11 Pro Maxのようにディスプレイサイズが大きなものは、主流ではありませんし、「ディスプレイが大きい」というわかりやすいアピールポイントがありますので、1,100ドル未満が上限となりそうです。

フラッグシップモデルには、5G対応、ARの高度化など、技術的に性能向上が宿命づけられています。安易に価格を下げると、他社との価格競争に巻き込まれるのは多くのデジタル製品をみても明らかですし、価格を下げると新しい機能や性能向上を盛り込むことも難しくなります。したがって、価格帯を大きく下げることも考えにくく、Appleも下取りサービスをアピールするなどの工夫をしています。日本ではキャリア各社の複雑な仕組みがあるため、端末の価格がさらに実感し難くなっていますが、いずれにしてもある程度以上の高額なスマホは売れ難くなるでしょう。

フラッグシップモデルの価格を下げずに、AppleはどのようにiPhoneのビジネスを展開していくのでしょうか?明らかなのはiPhone 11のように少し低価格の下位モデルをラインアップすることです。これは廉価版と考えられますが、iPhone SEのように非常に安い価格ではありませんので廉価版と言ってよいのか微妙な位置付けです。AppleとしてもあまりiPhoneの価格を下げてブランドイメージを低下させたくないので、あからさまに廉価版とは言い難い位置付けにしているようです。

iPhone SEのような廉価版が投入されるのではないかという噂は何度もありますが、これは明らかに価格勝負でシェアを獲りにいく戦略ですので、Appleとしては慎重にならざるを得ないでしょう。それに替わってAppleが実際に進めているのが旧型の併売です。メモリーの容量の選択肢は減らされたりしていますが、値下げされて旧型が買えることが魅力でかなり売れているようです。これは多くのユーザーにとっては十分なレベルまでスマホとしては成熟していることも意味しているでしょう。

前述のAppleにとってのiPhoneの売上比率は、iPhone本体の売上のことですが、iPhoneとリンクした関連の売上も着実に伸ばしています。iTunesでの音楽のダウンロードやアプリの販売などでも売上を伸ばしていますし、Apple WatchのようにiPhoneと連携しないと使い難い他の製品や、iPadやMacBookなどの他の主力製品を購入するきっかけにもなっています。そのような観点からは、iPhoneの旧型を販売し、ユーザーを獲得していくことがAppleにとっても重要な戦略でしょう。

まとめ

AppleにとってのiPhoneの重要性とその戦略などについて紹介しました。スマホに限らずどのようなハードウェアでも、毎年新製品を出しながら常にポジティブサプライズをユーザーに与えるということは大変なことです。スマホという商品が成熟し、世界のスマホ市場も飽和し始めた転機となっていることは間違いありません。

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