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LGの有機EL中国工場が量産開始!テレビ用有機ELパネルの今後は?

投稿日:2019年9月7日 更新日:

中国広東省広州市に建設された韓国LGディスプレイの有機ELパネル工場の開所式が、2019年8月29日に開催されました。LGディスプレイの初の韓国外の工場で、中国初の外資系有機EL工場です。これからの大型テレビ用有機ELパネルの事業はどのようになっていくのでしょうか?以下に紹介します。

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LGの有機ELパネル中国工場が量産開始!技術流出は?

新たに建設されたLGの有機ELパネル工場は、「LG Display High-Tech(China)」という法人の工場としてスタートします。出資比率は、LGディスプレイが70%、広州凱得科技発展(Kaide)が30%です。Kaideとは、広州市の開発区の傘下にある投資会社です。

現在のLGディスプレイにとって最重要の技術である大型の有機ELパネル製造技術が、中国工場を建設し、量産を開始することで技術流出してしまうのではないかという懸念があります。これは現在の韓国のディスプレイ産業に共通する問題であるとともに、財閥が経済に大きな影響を与える韓国という国においても重大な問題です。そのため、韓国政府内でも技術流出を懸念して調整に時間がかかり、ようやく量産開始にこぎつけたとのことです。投資額は460億人民元(約5000億円)です。

中国では外資による投資に対しては分野ごとに規制があり、基本的にはある程度の割合で中国の資本が入ります。それでも70%をLGが取れているだけ、まだ良かったのかもしません。この外資規制により、いろいろな産業のノウハウが中国に流出したとされますが、今回のケースではどのような技術流出の対抗策が取られているのか、現時点では分かりません。

LGディスプレイは、生産効率を向上させるための新しい工法を導入しますが、これまでの歴史をみても、完全に技術流出を防ぐことはできないでしょう。むしろある程度の時間が経過すれば技術が普及し、陳腐化するため、常に先行する努力をしないとリードを保てないという考え方がこの業界の常のようです。

つまり、LGディスプレイが中国に工場を建設しなくても、数年後にはある程度キャッチアップされてくると考えると、技術的な有意があるうちに中国に進出し、コストダウンを進めて事業を強化するという戦略もあり得るということかもしれません。

LGの有機ELパネル中国工場が量産開始!その効果は?

LGディスプレイは、大型有機ELテレビ用の市場はほぼ独占しています。それにもかかわらず事業としては赤字とされています。テレビメーカー各社からは引き合いが多く、市場をほぼ独占する立場からすれば黒字化することは容易なはずですが、これまでは価格低下を進め、テレビ市場の中でしっかり有機ELテレビのポジションを獲得することを優先したのでしょう(*こちらの記事「LGは有機ELパネルを独占的に販売している!それでも赤字?」もご参照ください)。

確かに最近の2年間のソニーやパナソニックの有機ELテレビの価格下落スピードは速く、20万円台でかなり高画質な有機ELテレビが購入できるようになりましたので、液晶テレビよりは高くても、高画質なテレビを求める人の選択肢に入るようになっています。価格下落により有機ELパネルの需要が大きく増大したことは間違いありませんし、20万円を切るところまで行けば、液晶テレビではなく有機ELテレビを選ぶ人も相当増えるでしょう。

そう考えるとLGディスプレイのこれまでの戦略は正しかったと言えますし、ここからさらに価格を下げながらいよいよ利益につなげていかなければならない局面でしょう。

現時点で、LGディスプレイの大型テレビ用の有機ELパネルの需要は旺盛で、供給が全然間に合わず、テレビメーカーから不満が出ているようです。韓国パジュ(坡州)工場に加えて中国工場でも量産が始まれば、テレビメーカーへの供給も増え、着実に有機ELテレビのシェア向上につながるでしょう。それがさらに価格低下、シェア拡大というポジティブなスパイラルに入っていくでしょう。

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LGの有機ELパネル中国工場が量産開始!その最大のメリットは?

LGディスプレイが中国に向上を建設する最大のメリットは何でしょうか?確実に言えることは、中国国内で生産しますので、中国のテレビメーカーへの供給が容易になることです。中国の有機ELテレビ市場は、ソニーと中国のスカイワース(創維)の2強が占めています。そこに中国のハイセンス(海信)が参入しています。ソニーは上海、スカイワースは深セン、ハイセンスは青島でテレビを生産していますので、それらに中国国内から供給できることは大きいです。最近、米国と中国の間の貿易に関する問題も申告になっていますので、関税のかからない中国国内から供給できればそのようなリスクは下げられます。

また米国と中国の関税についての問題が今後どのようになっていくのかわかりませんが、米国が中国からの有機ELパネルや有機ELテレビに高い関税をかけるようになった場合には、中国工場には大きなアゲインストになります。その場合は韓国から輸出することになるのでしょう。

いずれにしても世界的に関税を強化する方向に進んでしまった場合は、自動車のように最終的には消費する国で生産しなければならなくなることがあるのかもしれません。しかし、ディスプレイパネルの場合は、1つの工場でかなりの生産量になりますので、自動車のように各国にというわけにはいかないですが・・・。

まとめ

LGディスプレイの有機ELパネル中国工場が量産開始したことについて紹介しました。ディスプレイパネルの生産地は、どんどん中国に移って行ってしまうようですね。

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