量子ドットディスプレイとQLEDとは?解説します!

まとめ

4K/8K放送が始まり、映像信号がより広色域となったため、映像を表示するディスプレイもさらなる広色域化が求められています。いくつかの広色域化技術が提案されている中で、量子ドットを用いる技術が実用化で先行しています。以下にディスプレイ用量子ドットの技術動向についてまとめましたのでご覧ください。

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量子ドットディスプレイの原理・特徴・課題を簡単に紹介します!

最新のディスプレイの1つとして注目されているのが「量子ドットディスプレイ」。その名の通り量子ドットを用いたディスプレイなのですが、そもそも「量子ドット」とは何でしょうか?

量子ドットそのものはいくつかの種類・用途がありますが、ディスプレイ用途に限ればある種の半導体を数nm〜10nm程度の小さな粒子にしたもののことです。製品としては液晶ディスプレイに使用されており、この量子ドットを添加したフィルムをバックライトの出射面に配置して使用します。青色LEDからの光を照射すると緑色と赤色にそれぞれ変換する機能がある量子ドットが用いられています。量子ドットを使用すると波長スペクトル幅が狭い緑色と赤色の光を作り出すことができ、ディスプレイの広色域化に役立ちます。詳しくは以下の記事で紹介しています。

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QLEDテレビと有機ELスマホにサムスンは注力する!なぜ?

自社のハイエンドのテレビに量子ドットを採用し、積極的に研究開発を進めてきたのが韓国サムスンです。サムスンは、主力事業であるスマホのGalaxyには蒸着・塗分けタイプの有機ELを採用していますが、なぜテレビでは有機ELを選ばず、量子ドットを選んだのでしょうか?

サムスンは世界のテレビ市場でトップのシェアを占めており、最大のライバルは世界シェア2位の韓国LGです。LGがハイエンドのテレビに有機ELを選択し、「OLED TV」として大々的にマーケティングを進めました。これは一定の成果を上げ、さらにソニー、パナソニック、東芝などの他のテレビメーカーもLGから有機ELパネルを購入し、ハイエンドテレビとして販売し始めたことから、「OLED TV」=「プレミアムなテレビ」というイメージが定着しつつあります。サムソンは当初は有機ELテレビの研究開発を進めていましたが、蒸着・塗分けタイプで大型化することの難しさから断念し、液晶テレビに量子ドットを搭載する道を選びました。そしてLGに対抗するために「QLED TV」としてマーケティングを展開しています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

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量子ドットフィルムを日立化成が事業化!液晶を広色域化!

量子ドットを液晶ディスプレイに搭載する方法は、いくつかの方法が提案されており、そのうち実際に液晶ディスプレイに製品として搭載されて販売されたのは、2つのタイプがあります。1つはエッジライト式の導光板の入光部にガラスに封入した量子ドットを用いる方法で、ソニーが液晶テレビで採用しました。しかし、ソニーは後継機種からこの方法を採用せず、他社も採用していないようなので、現在はこのタイプは販売されていません。もう1つは量子ドットを混入した光学フィルムを用いる方法です。この方法が現在主流となっています。この量子ドットフィルム事業に日立化成が参入しました。詳しくは以下の記事で紹介しています。

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量子ドットの耐久性は?バリアフィルム付でもスマホには使えない?

液晶ディスプレイに量子ドットフィルムを搭載すると、色域を拡大することができます。しかし、量子ドットそのものは非常に耐久性が低く、酸素や水によって劣化しやすいため、バリアフィルムを用いて耐久性を高める必要があります。量子ドットを混ぜ込んだフィルムの両面に、水や酸素などのバリア性に優れたフィルムを貼り合わせる方法で使用されています。この方法の弱点は、フィルムのエッジ部分がバリアフィルムで覆われないことです。そのためどうしてもフィルムのエッジ部分から水や酸素が侵入し、画面の周辺部分から劣化が進んでしまいます。大型の液晶テレビの場合は、フィルムの額縁に隠れる部分を余白として確保することで使用できていますが、そのようなスペースが確保できないスマホへの適用が困難となっています。詳しくは以下の記事で紹介します。

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量子ドットディスプレイや有機ELにはバリアフィルムが必要

量子ドットや有機ELの発光材料は、水や酸素に晒されると劣化してしまうことが多く、ディスプレイのいずれかの部分にバリア層を設けて耐久性を高める必要があります。量子ドットはフィルムに混ぜ込んだ量子ドットフィルムとして使う方式が主流で、また有機ELはフレキシブルな曲げられるものが開発されているため、いずれもバリアフィルムを用いるようになっています。つまり、これらのディスプレイの耐久性を高め、実用レベルにするために、バリアフィルム非常に重要です。そんなバリアフィルムを東レが独自のものを開発しています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:量子ドットディスプレイや有機ELにはバリアフィルムが必要

量子ドットLED技術「QLED」を採用した4Kテレビがついに日本上陸!

TCLジャパンエレクトロニクスから、TCLブランドで本格的に日本のテレビ市場に参入すると発表がありました。TCLは中国のテレビメーカーで、世界のテレビ市場で首位のサムスン、第2位のLGに次ぐ、世界3位のシェアを占めています。フラッグシップモデルに量子ドットLED技術「QLED」を採用していることが、TCLジャパンエレクトロニクスのサイトで公表されています。これは少々わかり難い表現ですが、同社のサイトの製品の説明を読むと、主流の方式である「量子ドットフィルムをバックライトの上部に配置した液晶テレビ」であることが確認できます。いよいよ日本で本格的に量子ドットフィルムを搭載した液晶テレビが販売されるようです。詳しくは以下の記事に紹介しています。

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量子ドットカラーフィルターをDICとNanosysが事業化目指す!

量子ドットを液晶ディスプレイに用いる方法として、米国Nanosys, Inc.とDICがカラーフィルターの代替として用いる方式を提案しています。2020年の上市を目指しているとのことです。量子ドットを使用することで広色域化が可能で、さらにカラーフィルター方式にすることによって効率の向上が期待できるとされています。

この方法は、従来の液晶パネルの構造を変更する必要があるため、性能が向上したとしても、製造工程を大きく変更してまで受け入れられるかどうかも今のところわかりません。また現在注目されているマイクロLEDディスプレイの上部に量子ドットを配置してフルカラー化する方式とも共通する部分があり、そちらへの展開も期待されています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

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まとめ

ディスプレイ用量子ドットの最近の技術動向について紹介しました。ディスプレイの世界市場においては、着実に量子ドットの利用が進んでいるようです。

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