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【必見】IPSとVAとTNの比較・違いは?液晶テレビ・モニターの選ぶ前に!

4Kテレビ・8Kテレビ

4K液晶テレビを買おうとした時に気になるのがIPSとVAの違いです。これらはどのような違いがあるのでしょうか?実際にテレビを視聴する際に違いを実感できるのでしょうか?

またデスクトップパソコンのモニターやノートパソコンではTNを使っているものが多いです。これとはどのような違いがあるのでしょうか?以下に解説します!

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液晶のIPSとVAとTNの比較!違いは?

液晶ディスプレイには、液晶と呼ばれるタイプの材料が使用されています。これは液体と結晶の中間状態をとる性質がある材料です。

液晶ディスプレイの中には、一般に2枚のガラス基板があり、そこに画素配列に合わせて電子回路が形成されています。2枚のガラス基板は微小な間隔で重ね合わされ、そこに液晶が流し込まれています。これに画素ごとに電圧がON/OFFされ、通過する光(偏光)を制御します。

液晶は、その配列パターンなどからいくつかのタイプに分類され、一般にそのタイプのことを「液晶モード」と呼びます。これまでにいろいろな液晶モードが研究開発されてきましたが、現時点で主に製品に利用されているものはIPSとVAとTNです。これ以外のものもわずかにありますが、異なる名称でも実質的にこれらの派生版と言えるようなものもあります。ほとんどの場合は、IPSとVAとTNを理解しておけば十分でしょう。

以下、それぞれの液晶モードについてさらに紹介していきます。

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液晶テレビのIPSとは?

IPSとは、「In Plane Switching」の略です。ガラス基板面と平行な面内に電極を配置し、電圧を面内方向へ印加することにより、液晶分子をその面内で回転させる方式です。そのため「In Plane Switching」と名付けられました。

後述するVAとTNモードの液晶は、液晶が厚さ方向に配列するため、正面方向と斜め方向に通過する光の偏光状態に差が生じます。それが正面方向と斜め方向から見た時の画質の差となり、角度が大きくなるほど差が大きくなります。一般に斜めから画像を観察する場合の許容範囲として「視野角」が定義されますが、何らかの視野角補償技術を用いなければ、著しく視野角が狭くなります。

このような液晶特有の問題を、液晶分子の構造・配列から解決しようとしたのがIPS方式です。実際、最新のIPS方式の液晶の視野角は広く、実用上、ほぼどの角度から見てもきれいに画面が見えます。

IPSは広視野角の優れた液晶で、日立製作所が1996年に初めて製品化しました。その後、液晶テレビなどに搭載されましたが、高価格の液晶という位置付けで、あまり普及していませんでした。ところが最高性能のディスプレイにこだわりがあるAppleがiPhoneに搭載してから、急速に普及が進みました。その後、iPadやMacBookシリーズにも搭載されています。また国内メーカーでは、パナソニックが液晶テレビのビエラにIPSを主に使用しています。

IPSは、VAやTNに比べるとコントラストが低いことが弱点です。テレビについては、直下型のバックライトのローカルディミングと組み合わせることでコントラストを改善する工夫がなされているものがハイエンド機種では多いです。しかし、エッジライト型のバックライトではローカルディミングを利用することが難しく、スマホなどの薄型ディスプレイではコントラストを大きく向上させる手段が無いようです。このこともスマホのハイエンド機種が有機ELに変わりつつある一因かもしれません。

4K液晶テレビとしてIPS液晶搭載機種を選ぶ時のメリットは、視野角が広く、正面方向と斜め方向の色変化(カラーシフト)とコントラスト低下が小さいことです。私もIPS液晶搭載の4K液晶テレビを使用していますが、部屋のレイアウトの関係上、斜め約50°方向から画面を観ることもよくあります。このぐらい斜めでも、正面とそれほど色とコントラストの違いが感じられず、そのメリットを強く感じます。

このようなIPS液晶搭載機種を選ぶ時のポイントは、前述のようにローカルディミング機能のある直下型バックライトと組み合わせている機種を選ぶことです。これによりIPS液晶の弱点である低コントラストがカバーされます。

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液晶テレビのVAとは?

VAとは、「Vertical Alignment」の略です。初期状態で液晶を厚み方向(ガラス基板に垂直内方向)に配向させ、2枚のガラス基板間で電圧をかけ、液晶を倒すことにより複屈折を発生させ、光の偏光状態を制御する方式です。斜め方向の視野角を広げるために、通常はVAモード用の位相差フィルムを組み合わせて使用します。

視野角はIPS方式には劣るものの、位相差フィルムの性能向上もあり、テレビなどで問題なく使用できる程度の比較的広い視野角が得られます。さらにIPSよりも高いコントラストが得られることが長所です。コントラストは重要な画質を決める要素であり、特にHDRが当たり前の時代になってきましたので、高コントラストが得られるVAは魅力があります。

IPS方式に比べると狭かったVAの視野角も、ソニーの「X-Wide Angle」などのような他の技術と組み合わせることで改善した製品も登場しています。


東芝レグザのハイエンドの液晶テレビZ740XSシリーズでは、VAパネルを搭載しています。このように液晶テレビではVAパネルの存在感が大きいです。

4K液晶テレビでVA液晶搭載機種を選ぶ時のポイントは視野角です。上記のように、VA液晶を使いながら位相差フィルムやその他の技術を組み合わせて視野角を広げている機種もありますが、比較的価格の低い機種では、これらの部品のグレードを落としているものもあります。そのような機種は斜めから観てみると正面との色の違いが大きかったり、コントラストの低下が著しかったりしますのですぐにわかります。自分が気にならなければ良いのですが、高画質の4Kテレビを求めるのであれば、視野角の広いものがおすすめです。またローカルディミング機能のある直下型バックライトと組み合わせたものならばさらに良いでしょう。

液晶モニターのTNとは?

TNは、「Twisted Nematic」の略です。初期状態で、棒状の液晶分子が下側の基板から上側の基板に向かって90度ねじれるように配列しています。これに偏光が入射すると、液晶の旋光性より、ねじれに沿って偏光面が回転します。基板間で電圧を印加すると液晶分子が基板に垂直な方向に配向し、旋光性が無くなるため、偏光がそのまま通過します。このような性質を利用して、画素ごとの光のON/OFFを行います。

液晶電卓以降、本格的なディスプレイとして普及し始めた頃は、ほとんどがこのTN方式でした。スイッチングも速く、コントラストにも優れる特性を持っています。最大の弱点は視野角の狭さです。フジフイルムのWV(ワイドビュー)フィルムを貼り合わせることでこれが大きく改善され、パソコン用のモニターなどに広く使われ始めました。現在においても、MacBookなどの一部のパソコン用モニターにIPS液晶などが使用されていますが、主流は「TN液晶+WVフィルム」です。

「TN液晶+WVフィルム」は、パソコン用には十分な視野角を持っていますが、大型テレビ用には視野角が十分ではなく、IPSやVAが大型テレビ用に使用されています。しかし、低価格であるため、20インチ以下のテレビや新興国向けのローエンドのテレビなどには利用されています。

まとめ

液晶のIPSとVAとTNについて紹介しました。これらの特徴を理解し、満足できる液晶を選びましょう。

有機ELテレビと液晶テレビのどっちを選ぶべきかについてこちらの記事で紹介しています。

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