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生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックは違う?

投稿日:2019年8月26日 更新日:

海に流出したプラスチックごみが国際的な問題となり、地球環境を守るためにその対策が本格的に始まろうとしています。技術的な観点から生分解性プラスチックに期待が寄せられていますが、バイオマスプラスチックあるいはバイオプラスチックという用語もあり、混乱が見られます。以下に解説します。

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生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックは違う?

生分解性プラスチックとは、微生物の働きにより、水と二酸化炭素などに分解される特性をもつプラスチックのことです。これまでも複数のメーカーにより研究開発が進められてきて、数種類のものが製品として販売されています。もっとも多く利用されているものがポリ乳酸です。

一方、バイオマスプラスチックとは、バイオマスを原料として製造されたプラスチックのことです。ここで言う「バイオマス」とは、一般に生物由来の資源を指し、具体的にはトウモロコシ、サトウキビ、キャッサバなどの農作物が使われています。

このように生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックは、異なる視点からの分類です。そのため以下の2×2=4種類に分類できます。

1.生分解性プラスチックであり、バイオマスプラスチックであるもの
2.生分解性プラスチックであり、バイオマスプラスチックではないもの
3.生分解性プラスチックではなく、バイオマスプラスチックであるもの
4.生分解性ぷらすちっくではなく、バイオマスプラスチックでもないもの

この分類を理解せずに(*場合によっては意図的に無視?)、上記3のタイプのプラスチックを使って、生物由来の原料から製造しているから海洋プラスチックごみ問題にも貢献できるようにアピールしている記事なども見かけることがあります。正しく理解していないと間違った判断を下すことがありますので、ここで確認しておいた方が良いでしょう。

生分解性プラスチックも分解されるとは限らない

生分解性プラスチックを使用していても、ある条件下でなければほとんど分解は進みません。それはそのプラスチック製品を使用している間にどんどん分解してしまっては困るからです。したがって、生分解性プラスチック製品は、その特性に合わせて使い方と分解のさせ方を理解し、適切に使わなければなりません。

例えば、農業用マルチフィルムに使われている生分解性プラスチックは、畑などの土壌中で数か月利用でき、その後、徐々に分解が進むように作られています。したがって、農地の表面を覆っておかなければならない期間はそのまま使用でき、その後、徐々に分解していって、廃プラスチックごみとして回収に出さなくても済みます。

現在、ディスポーザブルなプラスチックの食器類をポリ乳酸で作る取り組みがされていますが、誤解してはいけないことは、ポリ乳酸性のプラスチック製品を海に投棄してもほとんど分解されないということです。ポリ乳酸は、回収し、ある温度に制御されたコンポストや土壌中でなければ短期間に分解されません。したがって、一部の外食産業などで進められているように、生ごみなどと一緒に回収し、肥料化するコンポストなどの中で分解させるルートに乗せなければなりません。

PETのリサイクルシステムに混入したりすると、不純物となり、悪影響が出ますし、そのまま焼却することになると従来のプラスチックと大差ないでしょう。

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バイオマスプラスチックならば石油を使わないとは限らない

バイオマスプラスチックは、石油から製造しないことから、「カーボンニュートラル」の概念に基づき、二酸化炭素を増やさず、循環型社会の実現に貢献すると言われています。

原料を多様にするという点で、石油への依存度を下げるという点では確かに意味があると思いますが、「カーボンニュートラル」という点では慎重に検討する必要があります。「カーボンニュートラル」は、大気中の二酸化炭素を吸収し、光合成によって成長した植物などを原料にすることで、使用後に焼却処分したとしても、実質的に二酸化炭素が循環しているだけで、大気中の二酸化炭素が増えないという概念です。

しかし、現代の農業は機械化され、大量の肥料と水を使用します。肥料の製造・輸送には多くのエネルギーが使用され、地下水の汲み上げや散水などにもエネルギーが使用されます。もちろん、バイオマスプラスチックの製造プロセスでもエネルギーが使用されますので、総合的に考えて本当に「カーボンニュートラル」になっているとは言えない場合もあるでしょう。

またトウモロコシなどからプラスチックを製造すると、地球上で食糧が不足して飢えに苦しむ人が多数存在している状況で、プラスチック原料に食糧になり得る農作物を使用することへの批判もありました。そのため、非可食原料を使用する方向にシフトしています。

石油以外の資源の活用と有効利用という点でも、興味ある取り組みです。さらに再生可能エネルギーの普及により、太陽光や風力発電から得たエネルギーを使って、原料の育成とバイオマスプラスチックの製造がおこなわれるようになれば、さらに魅力的なものになる可能性はあります。

まとめ

一般に混同されやすい生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックについて解説しました。これらの取り組みは地球環境保全のために重要ですが、正しくその内容を理解することも必要です。

生分解性プラスチックとごみ問題については、こちらの記事「生分解性プラスチックとごみ問題についてのまとめ」にまとめましたのでご覧ください。

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