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iPhoneにBOEの有機ELパネルが搭載か?2020年モデルから?

投稿日:2019年8月23日 更新日:

「AppleがiPhoneへ、中国BOE製有機ELパネル採用の最終調整に入った」との報道が、日本経済新聞(2019年8月22日(木)朝刊1面)でなされました。まだ確定ということではないようですが、かなりショッキングなニュースです。以下に紹介します。

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AppleがiPhoneに中国BOE製有機ELパネルを採用か?

まだ確定してはいないのですが、日本経済新聞が1面で報じるということはそれなりの調べに基づいていると考えられます。

スマホ用の有機ELパネルは、韓国サムスンディスプレイが製造し、親会社のサムスン電子が自社のGalaxyに搭載しています。これはライバルのAppleがiPhoneに搭載するよりも10年早く、世界をリードしてきました。そのためサムスン製の有機ELパネルは、性能および製造技術とも世界最高峰で、AppleもハイエンドのiPhoneにはライバルのサムスン製有機ELパネルを採用せざるをえませんでした。

Appleは、リスクヘッジのためにもサムスン以外からの有機ELパネルの調達を目指し、LGディスプレイやジャパンディスプレイ(JDI)からの調達を検討していると言われてきましたが、それが中国のBOEになったという点に大きな衝撃があります。

それはなぜなのでしょうか?次項で述べます。

液晶だけでなく有機ELも中国へ

液晶ディスプレイから始まった現在のフラットディスプレイ産業は、日本から生まれて大きく育った産業です。特に2000年代中頃までは、毎年の画質が目に見えて向上し、展示会などで最新のディスプレイを見る度に感動したことを今でも覚えています。

しかし、韓国サムスンとLGの猛攻を受け、日本勢は劣勢となり、さらにリーマンショックなどもあって、多くの日本企業が撤退していきました。トップに立った韓国勢も、背後から猛烈にキャッチアップしてくる中国勢に脅威を感じ、ひたすら新しい研究開発・投資に取り組んできました。

ディスプレイは成熟し、少しずつ技術的な差別化が難しくなる中で、一般のテレビ用液晶パネルでは、すでに中国勢が強い立場を獲得しつつあります。そのためより難易度が高い最先端のディスプレイとして有機ELに、韓国勢は先行して取り組んできました。韓国勢は技術的な優位を保ち、競争しているわけですが、高性能のディスプレイパネルを搭載するAppleがもう中国製の有機ELパネルを採用するという点に大きな驚きがあるわけです。いつかは中国勢が韓国勢に追いつく日が来ると多くの人が考えていましたが、それがこんなにも早く訪れるとは・・・。

韓国勢でさえもう中国勢には敵わないのでしょうか?スマホ用有機ELパネルにおいて韓国勢に大きく後れを取っていたJDIへの影響はどうなるのでしょうか?

中国勢についてはトランプ政権が発動する関税の問題があること、Appleはこのようなカントリーリスクをヘッジするために調達先を分散させようとしていることなどから、他社にもまだチャンスがあると考えられますし、先が読みにくい状況でもあります。

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中国BOEの有機ELパネルは本当に良いのか?

メーカーの実力を比較する場合、試作品の性能だけでは議論できず、製造技術までを含めたどのような製品を供給可能であるのかまで見なければ本当の意味での比較にはならないでしょう。SIDなどの展示会でのBOEの有機ELディスプレイは、本当に高画質で普通に見ただけでは特に不満は感じませんし、他社のものと比べて劣っている点など見当たらないほど美しいです。

(*SID2019については、こちらの記事「SID2019のまとめ!マイクロLED、有機EL、ミニLEDバックライト」にまとめてあります)

しかし、スマホ用有機ELパネル製品としては、まだ韓国サムスンがリードしています。現在の製品でもっとも難易度が高いと言われる「オンセル有機ELパネル」においては、同レベルのものをまだBOEでは十分に製造できないようです。逆な言い方をすれば、それ以外の難易度が低い、タッチパネルを一体化していないタイプであれば十分にBOEで製品出荷できるということになります。すでにこのタイプにおいてはファーウェイに供給しており、実績も十分です。

中国BOEの有機ELは、十分に高いレベルに到達していると言えます。

まとめ

AppleがiPhoneへ、中国BOEの有機ELパネルを搭載する調整に入っているとの報道を受けて、その背景等を解説をしました。これまで続いてきたディスプレイ産業の興亡も最終章に入った感があります。

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