生分解性プラスチックとは?本当に海で分解されるのか?

プラスチック

PETボトルやレジ袋など、身の回りにはプラスチックがたくさん利用されています。それはプラスチックの、安い、軽量、耐久性が高い、あらゆるものに成形がしやすいなどの優れた特性によるものです。しかし、プラスチックが海に流れ込み、膨大な量が蓄積していることが明らかになってきました。この問題を解決するために生分解性プラスチックに期待が寄せられています。以下に紹介します。

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生分解性プラスチックとは?

一般に利用されているプラスチックは、通常の環境下では長期間安定であるという優れた特性を持っています。ユーザーが長期間使用する場合にはこれが長所となるのですが、ゴミとして環境中に排出されてしまった場合には、それが長期間そのまま残留しますので短所となります。

かなり前から知られているのは、ゴルフのティーやエアガンで使用するBB弾です。これらにプラスチック製のものを使用すると、ユーザーが忘れずに回収しない限りは環境中に放出され、長期間残留することとなります。この問題を解決するために、生分解性プラスチックが利用されています。

生分解性プラスチックは、微生物によって水と二酸化炭素などに完全に分解されるプラスチックのことです。つまり、ゴルフのティーやBB弾を使用後に回収し忘れても、微生物によってある程度の期間で分解され、環境中に蓄積しないようにすることができます。

このような特性が、現在、世界中が直面している海洋プラスチック汚染を解決する切り札になるのではないかと期待されているわけです。

本当に生分解性プラスチックで海洋プラスチック汚染を解決できるのでしょうか?

生分解性プラスチックにも種類がある

誤解しやすいのは、「生分解性プラスチックならば海に流れ込んでも分解される」という考え方です。生分解性プラスチックの定義から考えると、微生物によってある程度の期間内に分解される特性を持っていることは間違いありません。しかし、どのような環境下で分解されるのかという点で分類があります。

例えば、前述の用途の他にも農業用のマルチフィルムでも利用が進んでいます。これは、畑などの地表面をプラスチック製のフィルムで覆って温める効果があります。広い農地を膨大な面積のフィルムで覆った後に、それを回収して廃棄しないといけないとなると、大変な作業となりますし、廃棄物の量も多くなります。これが回収せずにそのままある程度の期間で分解してくれれば便利です。

このような用途のものは、農地などに使用している状況で土壌中の微生物に分解される必要があり、そのような試験を受けて認証を得ています。それをそのまま、塩分濃度の高い海水中で使用しても分解されないことがほとんどです。

つまり、海洋中で分解されるには、海水中と同等の条件下で分解性を試験し、十分な生分解性があることを確認し、認証を受ける必要があります。現状では、この「海洋認証」を受けた生分解性プラスチックは非常に少ないです。

また「海洋認証」を受けたと言っても、ある温度範囲で生分解性を確認したに過ぎません。北極や南極近くの非常に海水温度が低い地域では分解が進まない可能性が高いです。したがって、生分解性プラスチックを使いさえすれば問題が解決するとは考えない方が良いでしょう。

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生分解性プラスチックの問題点

現状では、生分解性プラスチックにはいくつか問題があります。それらは以下のような点です。

1.価格が高い

多くのプラスチック製品は、安価であることが大きな魅力です。それらを生分解性プラスチックに代替すると、コストが何倍にもなってしまいます。

2.種類が少ない

前述のように生分解性プラスチックにも種類があります。特に海洋でも分解するものは、極めて種類が少ないです。

3.機械特性・成形性などが劣る

従来のプラスチックに比べて、生分解性プラスチックの成形品はもろかったり、様々な形状に成形することが難しいです。そのため、強度不足などの理由で代替できないこともありますし、形状的に成形ができないこともあります。

以上のような問題点はあるものの、前述のゴルフのティーやBB弾、農業用のマルチフィルムなど、すでに生分解性プラスチックの特性を活かして利用されている用途もありますので、用途を選べばその特性を活かせる場面はまだまだあると考えられます。今後の研究開発に期待したいです。

まとめ

生分解性プラスチックとはどのようなものかについて紹介しました。今後、さらに利用が進んでいくと考えて良いでしょう。

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