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輸出規制とディスプレイ産業の水平分業!追加関税も影響!

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日本から韓国への輸出において、フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストなどの管理を強化することとなり、大きく報道されました。これは輸出禁止ということではなく、これまでの貿易管理上の優遇措置を取り消すということです。実際にどのような影響が出るのかは現時点ではまだ明らかになっていません。今後、ディスプレイ業界はどのようになっていくのでしょうか?

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輸出規制とディスプレイ産業の水平分業

日本で生まれ、大きく成長した液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ産業は、かつては垂直統合型が主流でした。ディスプレイパネルから最終製品であるテレビ、パソコンなどまでを開発・製造し、販売していました。

しかし、デジタル化の波が押し寄せ、技術のすり合わせ的な観点から強みを発揮することができず、国際的な水平分業型にビジネスモデルが変化していきました。現在では、シャープを除けばディスプレイパネルを外部から購入し、テレビやノートパソコンを製造しています。またそのような水平分業型になることで、他社との差別化が難しくなり、テレビやパソコン事業から撤退した電機メーカーもあります。

かつての垂直統合型が主流の時代も、さすがに電機メーカーがディスプレイパネルに使用する部材を自社で製造することは基本的にはありませんでした。例えばシャープがアクオスの開発を始めた頃に、JSRがARTONのVA用位相差フィルムをVA液晶用に開発するなど、部材メーカーと電機メーカーが共同開発する例が主流でした。また日本には多くの優れた製造装置メーカーがあり、それらの協力により製造設備も進歩しました。

このようにディスプレイ産業を生み出し、成長させるための産業基盤がほとんど国内にあったということは日本の強さでしょう。しかし、部材メーカーと装置メーカーは、売上・利益を伸ばすために海外企業にも製品を販売していきました。これは自由経済の理念に基づいて考えれば、正しいことであり、何ら非難されることではありません。しかし、結果として、韓国・台湾・中国のディスプレイ産業のキャッチアップを容易としました。もちろん、日本の電機メーカーが自ら技術を流出してしまった要因もあります。

このような流れは、米国の対中国への追加関税、日本の韓国への貿易管理優遇措置撤廃などにより、変わっていくのでしょうか?

輸出規制でディスプレイ産業は守れたのか?

日本のディスプレイ産業は、主に韓国サムスンとLGの猛烈なキャッチアップにより窮地に追い込まれました。多くの電機メーカーがディスプレイパネル事業から撤退し、テレビやパソコンなどの液晶ディスプレイを搭載する最終製品からも撤退した電機メーカーが多いです。

前述のように、日本で開発されたディスプレイ部材や製造装置が、特に制限なく韓国に輸出されたことが、韓国勢の急速なキャッチアップを許しました。実際、韓国の対日貿易赤字のほとんどはディスプレイ部材などであることからもその大きさがわかります。

ディスプレイ部材や製造装置の輸出を制限していれば、これらの企業の業績には悪影響を与えますが、日本のディスプレイ産業としては延命できていた可能性は高いでしょう。もっとも日本国内の参入企業数は多すぎましたので、それらの中での淘汰は同様に行われたでしょう。また部材にしても量産することでコストダウンできますので、もっとディスプレイの価格低下のスピードは遅かったかもしれません。それはすなわち、普及のスピードも遅くなっていた可能性があります。

基本的には自由経済の理念の下では、戦略物質や何らかの事情がある物質でなければ輸出規制することに問題が発生する可能性があります。しかし、最近の米国の対中国への追加関税や日本の韓国への対応を見ていると、新しいシステムへの移行の兆しと受け取れなくもないです。


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産業を支える部材・製造装置は日本の切り札になる?

日本ディスプレイ産業を猛烈にキャッチアップして衰退に追い込んだ韓国勢は、今度は中国勢の猛烈なキャッチアップを受け、厳しい状況となっています。ディスプレイ産業の動向としては、新しい技術や製品に注目が集まりますが、中国の動向をみると国家レベルの戦略を意識せざるを得ません。もはや企業間の自由競争というよりは、国家戦略として他国の産業を奪いに来ていますので、それに民間企業が単独で戦うことが本当に良いことなのか熟慮する必要があるでしょう。

米国の中国に対する追加関税は、輸出規制ではありませんが、関税を高く設定することでその産業に対して大きな影響を与えるという点では同じです。輸出規制としては、中国はレアアースの輸出規制をしたことがありますし、今回もそれについて報じられています。また産油国が原油の輸出規制などを戦略的に行うことは珍しくありません。むしろ国際社会の中ではこのような方法を行う国が普通なのかもしれません。

改めて、水平分業型のビジネスモデルのリスクも痛感します。特定の国の何らかの部材や製品に依存するほどリスクが大きくなるからです。これまでは国際的な水平分業型を進めないとコストダウンできず、世界市場で勝ち残れないことが多かったです。しかし、最近の国際情勢によってカントリーリスクが高くなり、リスクヘッジのために生産拠点を中国だけではなく他の国にも分散させる動きが始まっています。企業は常に事業環境の変化に対応しなければ生き残れませんので、当然の対応でしょう。

これまでも日本の材料技術には定評がありました。そして材料技術をベースとした部材・部品も世界シェアトップのものが複数あります。国家間の戦略がぶつかり合う状況になれば、これらの日本の強みが切り札になる可能性が高そうです。少なくとも技術流出には注意を払う必要があります。

製造装置については、現在でも軍事転用されるようなものについては、輸出先に制限があります。今後は日本の産業に深刻なダメージを与える可能性がある国への輸出については規制される時代が来るのでしょうか?

ディスプレイ産業については、すでに技術が中国に流出してしまっており、日本のディスプレイパネル産業も衰退してしまったので、ある程度産業を守るためにそのような措置を取るには時期を逃した感があります。

まとめ

ディスプレイ産業と日本から韓国への3つの部材の輸出管理上の優遇措置の撤廃などについて紹介しました。国際情勢は緊迫し、難しい局面となっています。

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