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光ファイバーはガラス製とプラスチック製のどちらが良い?

投稿日:2019年7月19日 更新日:

高速の通信を有線で行うために光ファイバーが利用されています。光ファイバーは、大別するとガラス製のものとプラスチック製のものがありますが、どちらが良いのでしょうか?それぞれ長所と短所があり、利用されています。以下に紹介します。

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光ファイバーはガラス製とプラスチック製のどちらが良い?

まずガラス製光ファイバーとプラスチック製光ファイバーの特性を比較してみましょう。

一般にガラス製と言えば、高純度のシリカ(石英)で作られたものを指します。この材料の最大の長所は、極めて透明であることです。もっとも低損失の石英ガラス製光ファイバーは、波長1.55ミクロンで伝送損失0.2dB/kmという驚くべき低損失です。そのため、光通信用の波長1.55ミクロン帯のレーザーダイオード(LD)で光信号を入力し、出射側に光通信用の光検出器を使用すれば、40km程度の距離を伝送させることができます。

海底ケーブルなどに使用する時には、もちろん40km程度の距離を伝送できても足りませんが、その場合はこの波長帯用の光増幅器を使用し、弱くなった信号光を増幅して強め、次の光ファイバーに入力するということを繰り返します。このような方法により、日本から米国などのような長距離でも光信号を伝送することができます。東京-大坂間などのような距離でも同様に光増幅を繰り返して伝送することができます。

シングルモード光ファイバーは、原理的にモード分散の影響が無いため、伝送速度も高いです。

石英ガラス製光ファイバーは、低損失な波長域も広いため、複数の波長の光信号を一度に1本の光ファイバーに入力して伝送すること(波長多重)も可能で、それをさらに受光側で波長ごとに分離し、それぞれの波長の光信号として取り出すことができます。そのため1本の光ファイバーで何倍もの大容量の伝送が可能です。

プラスチック製光ファイバーは、アクリル(PMMA)系の光ファイバーが160dB/km程度(波長650 nm付近)、全フッ素化プラスチック系の光ファイバーが約40dB/km程度(波長1,000 nm付近)の伝送損失です。アクリル系のもので伝送距離は数十m程度、全フッ素化プラスチック製のもので伝送距離は100~200 m程度です。ガラス製に比べると非常に伝送距離が短いことが分かります。

プラスチック光ファイバーは、一般的にはコア径の大きいマルチモード光ファイバーで、モード分散の影響を受けるために伝送速度が制限されます。そのためGI型と呼ばれる屈折率分布型の構造とすることで、モード分散の影響を小さくして高速伝送を行っています。

石英ガラス製光ファイバーに比べて、低損失な波長域が狭いため、波長多重は可能でありながらも、打住できる波長数は少なくなります。

以上のように、光ファイバーとしての基本性能である伝送距離と伝送速度(帯域)という点で、石英ガラス製の光ファイバーの方が優れた特性を有しています。そのため前述のような海底ケーブル、大都市間の幹線系、電話局間、電話局から各家庭などの部分にはガラス製光ファイバーが使用されています。最近注目されているデータセンターにおいても、ガラス製光ファイバーが使用されています。ほとんどの用途においてガラス製光ファイバーが使用されています。

それではプラスチック製光ファイバーはどうなのでしょうか?次項で紹介します。

プラスチック製光ファイバーのメリットは?

プラスチック製光ファイバーのメリットの1つは、大口径の光ファイバーを作ることができることです。これにより光源との接続が容易になり、また取り扱いも簡単になります。またプラスチックですので、軽量で丈夫という特徴もあります。これらの特性から、MOST規格の車載用のネットワークのケーブルとして使用された実績があります。

自動車などでは軽量という特性は非常に価値がありますし、また常に振動に晒されるため、丈夫という特性も価値があります。

また近年4K・8K放送が始まり、放送の現場でも大容量の伝送が必要となりました。例えば8K放送用のカメラで撮影した映像信号を伝送するケーブルにも光ファイバーが使用されるようになっています。現在はガラス製の光ファイバーが使用されていますが、撮影中に光ファイバーを踏んでしまうと折れてしまうというトラブルが発生しています。プラスチック光ファイバーは踏んでも折れませんので、このような用途においても期待されています。

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石英ガラス製光ファイバーも改良を続けている

前述のように現在使用されている光ファイバーのほとんどは石英ガラス製光ファイバーです。そのため、光源、受光素子、コネクター等の光通信ネットワークに使用する各部品の価格も、石英ガラス製光ファイバー用のものが大量に生産され、価格も下がってきています。光ファイバーは、ネットワークとして使用するものですので、各種部品の価格が下がるということは極めて重要です。

そのような簡単からも、使用量が圧倒的に少ないプラスチック光ファイバーでは、ガラス製光ファイバー用の部品を流用できればコストダウンできますので、そのような試みも進められています。しかし、一般的にはガラス製光ファイバーは近赤外の波長域で使用するため、その光源をプラスチック光ファイバーでしようとした場合は使用できないこともあります。全フッ素化プラスチック光ファイバーならば波長1,000 nm付近の光源等はある程度利用できるでしょう。

このようにプラスチック光ファイバーには非常に厳しい状況が続く中、石英ガラス製光ファイバーは、さらにその弱点を克服する努力を続けています。その1つが、前述の「踏むと壊れる」というガラスならではの弱点を克服しようとするものです。

実は長距離を結んでいる石英ガラス製光ファイバーケーブルは、ネズミにかじられて破損するという問題もありました。

これらの問題を解決するため、石英ガラス製光ファイバーをステンレス製の金属管で被覆したケーブルが開発されています。これならば踏んでも壊れませんし、ネズミもかじることができません。

このように地道に石英ガラス製光ファイバーも改良が進んでいます。

まとめ

石英ガラス製光ファイバーとプラスチック製光ファイバーの特性を比較し、その長所と用途などについて紹介しました。

光ファイバーについては、こちらの記事「光ファイバーのことがわかるまとめ!」にまとめましたのでご覧ください。

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