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SID2019のまとめ!マイクロLED、有機EL、ミニLEDバックライト

投稿日:2019年6月27日 更新日:

世界最大のディスプレイの国際会議Display Week 2019がSID(Society for Information Display)の主催で行われました。多数の論文発表が行われたシンポジウムおよび併設の展示会での注目のディスプレイ技術についてまとめます。

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SID2019でマイクロLEDの展示が相次ぐ!シャープ!京セラ!

現在のディスプレイは、製品レベルでは液晶ディスプレイが主流で、それに比べるとまだ台数が少ないですが、急速に有機ELディスプレイが普及し始めています。これらの続いて次世代ディスプレイとして期待が高まっているのがマイクロLEDディスプレイです。原理的に究極のディスプレイになる可能性があると考えられ、サイネージなどの超大型のディスプレイとして世界で初めてソニーが商品化しました。しかし、世界のディスプレイの販売台数から見れば、極めてわずかな出荷台数であり、特殊用途で実用化したと言えなくもありません。本格的な普及には、特に製造コストのをどこまで下げられるのかが最大の課題です。その点では、特殊用途以外ではまだまだ許容される水準ではなく、実現も危ぶまれていますが、年々目覚ましい進歩があり、もっともホットな分野です。SID2019では、シャープと京セラが試作品を展示し、注目を集めました。以下の記事で詳しく紹介しています。

記事:SID2019でマイクロLEDの展示が相次ぐ!シャープ!京セラ!

京セラがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

京セラがSID2019でマイクロLEDディスプレイを展示し、大きな注目を集めました。これまで京セラがマイクロLEDディスプレイの開発を進めていることは公表されてなく、大きな衝撃でした。1.8インチの小型のマイクロLEDディスプレイで、最大輝度(白表示時)が984nitsの非常に高輝度のものです。展示品は撮影禁止となっていましたが、一部の許可を得たマスコミの撮影した写真も、あまりに明る過ぎてきれいに写せないほどでした。展示品の詳細は開示されていませんが、同社のシンポジウムでの発表からは、ガラス基板上でLTPSバックプレーンを用い、1インチを上回るサイズのマイクロLEDディスプレイを開発目標としているようです。1インチ以下ではCMOSバックプレーン上に作製したマイクロディスプレイが多数発表されていますが、COMSバックプレーンを用いる以上、それよりも大型化が困難です。1インチを上回るサイズのマイクロLEDディスプレイならばスマートウォッチやスマホなど、多くの用途・市場が期待できるからです。以下の記事で紹介しています。

記事:京セラがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

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シャープがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

シャープがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイが大きな注目を集めました。シャープがマイクロLEDディスプレイの開発を進めていることは特許等からある程度推測されていましたが、実際に試作品が公開されたのは初めてのことだからです。1,053 ppiの0.38インチのマイクロディスプレイとして試作されました。微細加工技術として実績のあるSilicon Processを使い、小さな画素&高画素密度のmonolithic 青色LEDアレイを作製し、その上に赤色と緑色用の量子ドット(QD)層をフォトリソグラフィにより形成しています。164mA、60 frame/sで1,000nitsの輝度となっています。色域はSRGBカバー率で120.5%です。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:シャープがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

SID2019の発表からみるマイクロLEDディスプレイの課題

SID2019では、シンポジウムで最新のマイクロLEDディスプレイに関する論文が発表され、展示会でも最新の試作品が公開されました。これらの発表・試作品から、現状でのマイクロLEDディスプレイの課題が見えてきます。まず調査会社からの発表によると、マイクロLEDディスプレイの特許出願は右肩上がりで増加しており、多数のメーカーによって活発に研究開発が進められていることが分かります。試作品も複数のメーカーから公開されており、マイクロLEDディスプレイの作製装置の販売が始まっていることからも、「マイクロLEDを作る」ということであれば多くのメーカーがその水準にあるということが分かります。製品化のためには、歩留まりを向上させる必要があり、開発の重点もそのようなところにシフトしています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:SID2019の発表からみるマイクロLEDディスプレイの課題

SID2019でパロアルト研究所がマイクロLEDの製造方法を発表!

マイクロLEDディスプレイは、その製造コストを下げることが現状ではもっとも重要な開発課題になっています。多くのメーカーが製造コストを下げるための方法を提案していますが、SID2019において、米国のパロアルト研究所からマイクロLEDディスプレイの製造効率を飛躍的に高められる方法が提案されました。同研究所はもともと複写機のゼロックスが開設したもので、同研究所の「Xerographic MicroAssembly Printer」というレーザープリンターのような発想の新開発技術を活用したものです。学会発表だけでは開示されていない部分もありますので、正確な評価ができませんが、おそらく実用性がある技術であれば、数年以内にこの技術を利用した試作品がどこかから発表されるのではないかと期待されます。

記事:SID2019でパロアルト研究所がマイクロLEDの製造方法を発表!

SID2019でのTesoro ScientificのマイクロLED製造方法!

マイクロLEDディスプレイの製造工程では、ウェファー上にエピタキシャル成長させてマイクロLEDを作製し、それをピックアップして最終的な基板上へ移す「Mass-Transfer」工程があります。その後、マイクロLEDを最終的な基板に配線等をして実装します。この時にどうしてもマイクロLEDの中にはわずかに不良品が含まれており、それが実装されてしまうと、それを除去して良品を再度実装しなければならないため、非常に時間とコストがかかります。「Mass-Transfer」工程前に不良品を除去できれば、大幅に時間とコストが節約できることが分かります。Tesoro Scientificは、SID2019において、それを可能にする技術を発表しました。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:SID2019でのTesoro ScientificのマイクロLED製造方法!

マイクロLEDディスプレイのALLOS社のGaN-on-Si技術に注目!

マイクロLEDディスプレイの製造工程では、ウェファー上にエピタキシャル成長させてマイクロLEDを作製します。青色LEDなどのGaN結晶は、一般にサファイア基板を使用します。サファイア基板は高価ですので、これが製造コストを高くする要因の一つです。GaN結晶をエピタキシャル成長させるには、基板材料の原子レベルでの配列がGaN結晶にふさわしいものでなければならず、サファイア基板が最適であるということです。ALLOS社は、安価なSi(シリコン)基板上でGaN結晶を成長させる方法を開発しました。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:マイクロLEDディスプレイのALLOS社のGaN-on-Si技術に注目!

SID2019でミニLEDバックライトがさらに前進!花開くか?

SID2019でミニLEDバックライトを搭載した液晶ディスプレイの展示が、BOEやジャパンディスプレイ(JDI)から行われました。ローカルディミングが可能な直下型のバックライトを用い、その分割数を増やしていけば、コントラストの高い液晶ディスプレイが作製可能であることはすでに明らかです。課題はどこまで分割数を増やすことができるのか、それを安く製造できるのかという点にあります。市販されているソニーの液晶テレビでも分割数は1,000程度になっているようですので、それを上回るものをミニLEDバックライトを用いて開発が進められています。その詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:SID2019でミニLEDバックライトがさらに前進!花開くか?

SID2019で印刷方式有機ELをJOLEDとCSOTとTianmaが展示!

SID2019で印刷方式有機ELをJOLEDとCSOTとTianmaが展示しました。印刷方式は、蒸着方式よりも高効率・低コストで有機ELパネルを製造できる可能性があり、いわゆる「ゲームチェンジャー」として有機ELパネル産業界の勢力図を塗り替える可能性があります。印刷方式の有機ELの製造方法は、JOLEDが世界のトップを走っており、すでに製品も量産しています。製造装置を販売する装置メーカーも現れ、中国勢も印刷方式に参入し始めています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:SID2019で印刷方式有機ELをJOLEDとCSOTとTianmaが展示!

SID2019でフレキシブル有機ELの展示多数!中国勢が猛追!

SID2019の展示会では、BOE、CSOT、TIANMA、Visionoxなどがフレキシブル有機EL(OLED)を展示していました。スマホ用の高画質OLEDは、韓国サムスンが技術および事業の点で世界をリードしてきました。Appleでさえ、iPhoneに有機ELパネルを搭載する際に、スマホの最大のライバルであるサムスンからOLEDパネルを調達せざるをえませんでした。そのスマホ用OLEDパネルの中でももっとも難易度が高いフレキシブルOLEDをすでに中国勢が試作品を続々と展示しました。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:SID2019でフレキシブル有機ELの展示多数!中国勢が猛追!

SID2019で見た韓国勢と中国勢の激しい戦い!LGとBOEは?

日本のディスプレイ産業は、韓国勢の猛烈なキャッチアップを受けて衰退していきました。その頃からも、「今度は韓国勢は立場が変わり、中国勢の猛烈なキャッチアップを受ける」と予想されていました。そしてそれが今現実のこととなっています。SID2019の展示会をみるだけでもその様子がリアルに感じられました。かつては大きな存在感を誇示していたサムスンは業績不振で、出展しませんでした。LGはかなり力を入れてレベルの高い展示をしていましたが、それを取り囲むかのようにBOEなどの中国勢が出展し、高画質のディスプレイを展示しました。詳しくは以下の記事で紹介しています。

記事:SID2019で見た韓国勢と中国勢の激しい戦い!LGとBOEは?

まとめ

SID2019に注目を集めたシンポジウム発表や展示をピックアップしてまとめました。ディスプレイはまだまだ進歩しています。

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