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折りたたみスマホの耐久性は大丈夫か?耐久性試験方法は?

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韓国サムスンの折りたたみスマホ「Galaxy Fold」が当初4月26日に発売予定でしたが、事前にチェックしていたレビュアーから画面が破損した等の報告があり、発売延期となりました。この機種に限らず、そもそも折りたたみスマホの耐久性は大丈夫なのでしょうか?

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折りたたみスマホの耐久性は大丈夫か?

折りたたみスマホは、現時点では有機ELパネルを搭載したもののみが発表されています。SID2019などの展示会でも、多くの企業から試作品が展示されています。歩留まり・量産性については開示されていませんので不明ですが、少なくとも展示品を作製できる技術レベルのメーカーは多いようです。

一般に言う「折りたたみスマホ」とは、ガラケーのようなものではなく、ディスプレイ画面が折りたためるものを意味します。有機ELでは曲面ディスプレイや巻き取りできるタイプも製品化されていますが、これらと区別する意味では「折りたたみ」とは繰り返し曲げ伸ばしして、折りたためるものを指します。

もちろん、スマホとして販売するためには、数十回折りたたみできる程度では十分ではなく、少なくとも20万回程度の繰り返し曲げ伸ばし(折りたたみ)試験を行い、耐久性を確認する必要があります。

前述の韓国サムスンの折りたたみスマホ「Galaxy Fold」も、おそらくそのような耐久試験をクリアしたと推測されますが、現時点では不具合の原因等は公表されていません。

現時点では、スマホ用の折りたたみ可能な有機ELパネルは、最先端の技術であり、製品の耐久試験方法なども研究開発中です。先日のSID2019においても、折りたたみ可能な有機ELパネルの耐久性・試験方法などに関する発表が複数ありました。次項でさらに詳しく解説します。

折りたたみスマホの耐久性と試験方法

折りたたみスマホは、大きく分けて2種類あります。有機ELディスプレイを外側にしてたたむタイプ(Out-fold OLED)と内側にしてたたむタイプ(In-fold OLED)です。「Galaxy Fold」は「In-fold OLED」で、同時期に発表され同様に発売延期となった中国ファーウェイの「Mate X」は「Out-fold OLED」です。

耐久性という観点では、「Out-fold OLED」は曲げ部分の曲率半径を大きくできる点で有利ですが、有機ELディスプレイが常に外側にありますので、衝撃・圧迫・引っ掻きなどに直接さらされる点で不利です。「In-fold OLED」は有機ELディスプレイが内側になり、筐体により保護される点で有利ですが、曲げ部分の曲率半径が小さくなる(曲げが厳しくなる)点で不利です。

現時点では「Out-fold OLED」と「In-fold OLED」のいずれかが主流となるかわからず、しばらくは各メーカーの判断でどちらかを選択し、折りたたみスマホとしては両方が研究開発される見込みです(*展示会での試作品では、「Out-fold OLED」と「In-fold OLED」のいずれにも折りたためるものも登場しています)。そのためそれぞれの方式を想定した耐久性試験が必要となります。

「Out-fold OLED」に対しては、前述のような外部からの力によって破損しやすいため、ディスプレイ面に鉄球を落下する試験、引っ掻き硬度試験などが行われています。これらの試験は特別珍しいものではなく、これまでのスマホにおいても行われていたと思われます。通常のスマホでもディスプレイ面は露出している状態で、外部からの力への耐久性という点では同じようにある程度以上のものを求められるからです。しかし、通常のスマホでも画面が破損している人をよく見かけますし、それが嫌で手帳型の保護ケースを使用している人も多いでしょう。

「In-fold OLED」では、畳んだ時にはディスプレイ画面が保護されますが、それでも一般のスマホレベルの外部からの力に対する耐久性は持たせているでしょう。

「Out-fold OLED」と「In-fold OLED」の両方に重要な試験として、繰り返し折りたたみ試験があります。曲げるときの曲げ部分の曲率半径を設定し、閉じたり開いたりを繰り返す試験です。通常は20万回が要求されます。この試験は、フィルムに対しては従来から行われているものですが、スマホ用に新たな試験装置から開発して行われているようです。

案外見落とされがちなのが、静的な状態での曲げ試験です。上記のような繰り返し「閉じる・開く」を繰り返すものは、動的な試験方法ですが、静的というのは曲げた状態で温度・湿度を所定の条件に設定し、数十~数百時間閉じた(曲げた)ままにしておいて、その後、開いた(伸ばした)時に曲げ部分が初期の状態に戻るかどうかを試験する必要があります。

折りたたみスマホの有機ELパネルには、ポリイミドなどのポリマーの基板が使用されています。その他にも複数の材料からなる層が積層されています。一般にポリマーにはクリープという性質があり、加重をかけ続けると、徐々に変形が進み、荷重を取り除いても元に戻らなくなります。つまり、通常のスマホの使用条件下でポリイミド基板などの使用している材料でクリープが進行してしまうと、開いた時に曲げ部分が平らにならず、たわんだ状態になる恐れがあります。これを確認するための試験が行われています。


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折りたたみスマホの耐久性はまだ未知数

以上のように、折りたたみスマホの製品化に必要な耐久性を調べるための試験方法から研究開発が進められ、それらによって実際に試験が行われれています。これまでに蓄積されたノウハウ・データから、試験方法・条件を設定し、研究開発が進められていますが、前述のように不具合が発生して発売が延期になったことから考えても、まだその試験方法および条件の妥当性については未知数の部分があるでしょう。

韓国サムスンのように、有機ELパネルから自社で開発しているメーカーならばまだ良いのですが、有機ELパネルと外部から購入しているスマホメーカーの場合は、有機ELパネルメーカーに開発を託さざるを得ません。

自社で有機ELパネルから研究開発しているメーカーでも、そこで使用するポリイミド基板などの部材は外部から購入していることがほとんどです。その場合は、部材メーカーに改善を要求することになりますし、複数の部材を積層することに依って発生する問題の場合は、部材メーカー単独ではわからない部分もありますので、密な共同開発が必要となるでしょう。

折りたたみスマホが登場すると、そのメーカーだけに注目が集まりやすいですが、それを開発するためには多くのぶざいメーカーの協力が不可欠です。

まとめ

折りたたみスマホの耐久性とその試験方法などについて紹介しました。日本が強い部材メーカーの貢献も重要です。

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