海の色はなぜ青いのか?色の違いは?海が青い理由を説明!

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海の色はなぜ青いのでしょうか?普段当たり前のように見ている自然の風景ですが、その理由を考えると説明が難しいですね。さらに浅い海の色の違いなど、場所によって色も変わります。以下に分かりやすく解説します!

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海の色はなぜ青いのか?理由は?

色というものは、光が目に入ってくることにより感じられます。暗闇では何も見えず、色も感じられないことから、すぐに理解できるでしょう。海水が直接光を発することはありませんので、海が青く見えるのは、外部から海に入射した光が反射・散乱し、それを眺める人間の目に届くことに依ります。

海面を見た時に、海水面が眩しく感じられるような観察角度である場合は、空・太陽が映り込んで、その表面での反射光を見ていることになります。青空や曇り空が映り込むこともあれば、夕日が映り込むこともあります。まずこのような海水面での光の反射があるということを理解しましょう。

しかし、一般に「海の色はなぜ青いのか?」という疑問を感じるのは、以下のような風景を見るときです。この写真でも海面では空や太陽光が反射して白く見えていますが、もっと海の内部の深いところが青く見えています。実際、海水中の深いところから青い光が来て観察している人の目に見えるわけです。

海水を透明なコップや熱帯魚などを飼育する一般の水槽に入れてみると、プランクトンなどの浮遊物以外の海水そのものは無色透明であることがわかります。海水は、基本的には水と塩分なので、純粋な水に塩分を溶かして同様に観察してみても無色透明であることが分かります。

次にジンベイザメなどの大型の海洋生物を飼育している水族館の水槽を見てみましょう。今度は同じ海水なのに青く見えます。この水槽の照明は、水槽の上から照らしていますので、上から水中に入射した光が海水に散乱されて、横方向に進み、観察者の目に届いています。照明は白色光なので、赤・緑・青の波長成分が含まれていますが、海水は青色の波長成分の光が強く散乱され、視認されていることが分かります。

水族館の水槽ではなく、実際の海の中の画像がこちらです。この写真でも同様に青色の光が強く散乱されて届いていることが分かります。これが海が青く見える理由の一つと考えられます。

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海の色の違いはなぜ起こる?

海の色は、深い場所ほど暗い青に見え、浅い場所ではエメラルドグリーンなどに見えることもあります。このような色の違いはなぜ起こるのでしょうか?

海水は、前述のように一般の熱帯魚用の水槽程度(数十cm程度)の距離では無色透明に見えますが、実際には海水中を進む光の強度は減衰します(弱くなります)。これは大別すると光の散乱と吸収という現象のためです。光の散乱は、海水中の水分子によっても引き起こされますし、プランクトンやゴミなどの浮遊物によっても引き起こされます。何が散乱を引き起こすのかによって、波長依存性は異なります。光の吸収は、長波長側の赤色が青や緑よりも強いことが研究により明らかにされています。

「黒潮」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?東シナ海を北上してトカラ海峡から太平洋に入り、日本列島の南岸に沿って流れ、房総半島沖を東に流れる海流のことで、透明度が高く、実際に青黒色に見えますので、「黒潮」と呼ばれています。

「黒潮」は、貧栄養であり、プランクトンが少なく、透明度が高いことが分かっています。海水面から入射した太陽光は、海水中をより深い方向へ進みながら、光強度が減衰します。透明度が高い海水でも、水深200m程度までしか光が届かないようです。そのため表層の水深200m程度のところまでに植物プランクトンやその他の微生物、それらの死骸などのゴミが浮遊しています。これらの微小な浮遊物が水分子よりも光を強く散乱します。そのためこれらの濃度が高いほど、海水が明るく見えます。一般に海水温が高いほどプランクトンが少なくなるため、南の海から北上してくる「黒潮」は透明度が高く、暗く見えるわけです。

透明度が高く、深い海水ほど、水分子からの散乱光が海水面から出て来て観察されます。さらに短波長側の光ほど吸収されにくいという海水の特性もあり、青黒く見えるわけです。ここで「黒く」というのは、光が弱いという意味で、太陽光が海水中に入射し、深くまで進み、散乱されてまた長い距離海水中を進んで戻ってくるために、減衰して弱くなることによります。

反対に浅い海では海が明るく見えます。顕著なのは白い砂浜のビーチなどで、この場合は浅い海底の白い砂が見えていることが分かるでしょう。海底が白くなかった場合などに色味が変わるのは、水の色に海底の色が重ね合わされるためです。

海底の色がほとんど影響しない程度の水深になった場合は、主に前述のようなプランクトンやゴミなどの浮遊物の濃度が海の色に影響しています。これらが少なければ青黒くなり、これらの濃度が多くなれば明るく青くなります。ただし、程度問題ということもあります。例えば赤潮などのように赤いプランクトンが異常発生した場合などは海が赤くなりますので、このような異常なケースを除きます。


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海の色から分かること

海の色について解説してきましたが、これらから分かるのは、海の色にはそのように見える理由があるということです。この因果関係が分かれば、海の色を観察することで、海の状況に関する情報を得ることができます。実際、海で仕事をする漁業関係者は海の色についてもよく観察しています。

もっと地球規模での観測にも利用されています。海は広大ですので、「黒潮」のような海流の流れやプランクトンの状態などを大規模に調査するには、それに相応しい技術が必要です。そこで活用されているのが人工衛星による観測画像を用いたリモートセンシングです。

人工衛星による撮影画像は高精細で、色についての情報も得られます。さらに熱の放射も観測できますので、温度分布なども調べることができ、海の情報を得るためには欠かせない技術となっています。

まとめ

「海の色はなぜ青いのか?」について解説しました。基本的には海水により光が散乱されることと、海水の透過率が長波長側の赤や緑に比べて青の光の方が高いことによります。浅瀬では海底の色の影響が大きいですし、海の明るさには表層部に浮遊する微小なプランクトンやゴミの影響が大きいです。

1年は何週間なのかについてこちらの記事で紹介しています。

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