幸せな人生

人生は山あり谷あり、楽しいこともあれば辛いこともあります。幸せな人生を送るためのノウハウ、独り言などを書いていきます。幸せな人生を送りたい方のヒントになれば幸いです。

マイクロLED

マイクロLEDディスプレイのALLOS社のGaN-on-Si技術に注目!

投稿日:2019年5月29日 更新日:

究極のディスプレイとして期待を集めているマイクロLEDディスプレイ。その性能の高さは多くの人が認めていますが、本格的普及の壁は高い製造コストです。多くのメーカーがその製造コストを下げるための研究開発を進めています。その中の一つであるALLOS社のGaN-on-Si技術について紹介します。

スポンサーリンク

ALLOS社のGaN-on-Si技術に注目!

現時点で想定されているマイクロLEDディスプレイでは、GaN(窒化ガリウム)結晶からなる微小なLEDを使用します。フルカラー化する方式は大別すると2つあり、1つは赤色・緑色・青色のマイクロLEDを配列する方法、もう1つは青のマイクロLEDの上に赤や緑への波長変換材料を配置する方法です(*UV-LEDを用いる方法もありますが、ここでは割愛します)。いずれの方法も、青色のマイクロLEDを利用するという点では共通しています。

青色LEDは、2014年度のノーベル物理学賞で注目されました。かつては難しくて作ることができなかった青色LEDを、赤崎勇(名城大教授)、天野浩(名古屋大学教授)、中村修二(米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授)らの研究開発により、実現しました。その後、日亜化学工業などが工業化の努力を続け、大量に生産し、コストダウンを続けた結果、社会で広く利用できるようになりました。

この青色LEDの実現の鍵となったのが、GaN結晶を成長させる基板としてサファイア基板を選択したことです。結晶は、基板となる物質の結晶面にそって成長していくため、何でも良いというわけではなく、適した基板というものがあります。GaNの場合、それがサファイア基板であったということです。

工業的なサファイア基板の価格は把握していませんが、サファイアですので高価であることは分かります。実際、これをもっと安価な基盤に代替することで、マイクロLEDの製造コストを下げようという試みが進められています。

サファイア基板の替わりにSi(シリコン)基板を選んで、研究開発を進めている企業がドイツのALLOS社です。Si基板上にGaN結晶を形成するため「GaN-on-Si」と呼ばれています。

ALLOS社のGaN-on-Si技術とは?

あまり専門的なことには立ち入らず、できるだけ簡単に説明します。Si基板は、半導体産業で大量に使用されていますので、サファイア基板に比べると非常に安価です。しかし、サファイア基板とは異なり、Si基板上でGaNを成長させることは難しいのですが、ALLOS社ではその製造方法を確立しつつあります。

SID2019では、ALLOS社から200 mm径Si基板を用いた「GaN-on-Si」の発表がありました。製造プロセス中にかかる歪の精密な制御が技術的には重要とのことです。

製造装置にはVeeco社のPropel Power GaN MOCVDシステムと使用しているとのこと。つまり、市販の製造装置を購入し、ALLOS社の方法で製造すれば、誰でも「GaN-on-Si」技術を利用できることを意味しています。

スポンサーリンク

ALLOS社とは?

ALLOS社とは、ALLOS Semiconductors GmbHというドイツ企業です。もともとはAZZURRO Semiconductors AGというドイツ企業があり、2008年に同じくドイツ企業であるOSRAMから「GaN-on-Si」技術のライセンスを受けました。

AZZURRO Semiconductors AGは2014年に活動を停止しました。AZZURRO Semiconductors AGの社員がALLOS Semiconductors GmbHを設立し、ALLOS Semiconductors GmbHの特許・ノウハウなどをオークションで購入し、活動を続けています。

ALLOS Semiconductors GmbHは、「GaN-on-Si」技術の研究開発を続け、高いレベルに到達しています。世界中でエンジニアリングとコンサルティングサービスを提供しているため、この技術を欲しい企業は、同社から有償で技術提供を受けることで、研究開発リスクを抑え、短期間でこの技術を使えるようになります。

このように現在のディスプレイ業界では、研究開発に特化し、その技術を提供することで事業を進める企業があります。このような存在が、業界全体の発展のペースを加速するでしょう。

まとめ

ALLOS社のGaN-on-Si技術について紹介しました。マイクロLEDディスプレイは、多くの企業が研究開発を続けていますので、案外早く多くの製品が登場するかもしれません。楽しみですね。

SID2019での注目のトピックについては、こちらの記事「SID2019のまとめ!マイクロLED、有機EL、ミニLEDバックライト」にまとめました。

スポンサーリンク

-マイクロLED
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

京セラがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

世界最大のディスプレイの国際会議SID Display Week 2019に併設の展示会において、京セラがマイクロLEDディスプレイを展示し、大きな注目を集めました。ソニーが大型のマイクロLEDディス …

SID2019の発表からみるマイクロLEDディスプレイの課題

フランスの調査会社Yole DeveloppmentとKnowMadeの共著により、SID2019で行われたマイクロLEDディスプレイの課題を俯瞰する発表について紹介する。なお本発表論文は、SID20 …

マイクロLEDディスプレイの製造装置をブイ・テクノロジーが販売

微小なLED素子が画素となり、それらを大量に並べて高精細な画像を表示することができるマイクロLEDディスプレイは、次世代のディスプレイとして注目を集めています。これまでにソニーなどが開発し、高い性能が …

ミニLEDとマイクロLEDの違いは?ディスプレイとして普及する?

次世代のディスプレイとしてマイクロLEDが注目されています。非常に似ているものとしてミニLEDディスプレイというものも登場しています。マイクロLEDとミニLEDとは何が違うのでしょうか?その用途と普及 …

マイクロLEDディスプレイの製造工程改良に役立つ大学の研究

微小なLEDを画素として、膨大な数のLEDを配列した「マイクロLEDディスプレイ」は、ソニーなどによって高い性能が実証されたこともあり、次世代ディスプレイとして注目されています。しかし、赤色・緑色・青 …