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シャープがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

投稿日:2019年5月22日 更新日:

SID Display Week 2019でのシャープによるマイクロLEDディスプレイの発表が注目を集めています。ソニーに続いて、いよいよ日本メーカーがマイクロLEDディスプレイに参入するのかという期待があるためです。以下に紹介します。

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シャープがSID2019で発表したマイクロLEDディスプレイとは?

シャープから、「1,053 ppi Full-Color “Silicon Display” based on Micro-LED Technology」と題して発表がありました(参照:Hiroaki Onuma, et al, SID 2019 Digest, 25-5, 2019)。これは1,053 ppiの0.38インチのマイクロディスプレイで、解像度は209,088 sub-pixels (H:352 x RGB X V:198)です。サブピクセルのサイズが24×8 um2で、これを3つ合わせて24x24um2がピクセルサイズとなっています。赤色・緑色・青色のサブピクセルから構成され、フルカラー表示が可能です。

シャープがこれを「Silicon Display」と呼んでいるのは、Silicon processにより作製しているためです。上記の小さな画素&高画素密度のmonolithic LEDアレイを作製し、その上に赤色と緑色用の量子ドット(QD)層をフォトリソグラフィにより形成しています。またサブピクセル間のクロストークを防ぐシールドも形成しています。

164mA、60 frame/sで1,000nitsの輝度となっています。色域はSRGBカバー率で120.5%です。

マイクロLEDディスプレイとマイクロディスプレイの違いは?

少々分かりにくい点ですが、マイクロLEDディスプレイとマイクロディスプレイとは何が違うのでしょうか?

マイクロLEDディスプレイとは、ディスプレイを表示するためのそれぞれの画素がLEDから構成されるもので、そのLEDの大きさが100um以下のものです。LEDの発光面の形状が四角であればその辺の長さが100um以下、円形であればその直径が100um以下です(*大きさについてはこのような定義が一般的ですが、厳密なものではなくおおまかなコンセンサスであるため、異なる主張もあります)。

マイクロディスプレイとは、一般的には「1280×720以上の解像度」かつ「1インチ未満」の超小型ディスプレイのことです。このことから画素およびそれを構成するサブピクセルのサイズは小さくなり、これをマイクロLEDディスプレイで作れば、マイクロディスプレイでもあり、マイクロLEDディスプレイでもあります。つまり、有機ELや液晶によりマイクロディスプレイを作ることもあり得るわけです。

この定義にしたがえば、前述のシャープの発表した試作品は、マイクロディスプレイと呼ぶには解像度が足りませんし、シャープもこれをマイクロディスプレイとは言っていません。しかし、下記で述べるように、マイクロディスプレイを目指したものです。

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シャープはなぜマイクロLEDディスプレイを発表した?

シャープの発表論文から読み取れることは、屋外でも使えるように十分な高輝度が得られるマイクロディスプレイを実現するために、マイクロLEDディスプレイを選択しているということです。具体的な用途としては、例えばカメラやビデオカメラのファインダーなどです。これまでに有機EL(OLED)による超高画素密度のマイクロディスプレイが発表されています。しかし、OLEDは高輝度にすると寿命が著しく短くなるため、屋外で十分な輝度を得ることが困難です。マイクロLEDディスプレイは高輝度を得ることができるポテンシャルがあるために開発を進めるとのことです(*前述のシャープの1,000nitsではまだ不十分で、目指す高輝度には至っていません)。

マイクロLEDディスプレイによるマイクロディスプレイでは、フルカラー化が難しいです。そのためシャープは、青色のみのマイクロLEDアレイを作り、赤色と緑色のサブピクセル部分にフォトリソグラフィでQD層を形成し、フルカラー化を実現しています。この方式そのものは、すでに他からも発表されているものですが、現在、マイクロLEDディスプレイの分野では、製造効率を改善し、製造コストをどこまで下げられるのかが最大の注目ポイントですので、方式のオリジナリティよりは、実際に試作したということの方がある意味重要です。

これまで発展してきたシリコンプロセス(Silicon precess)をできるだけ活用することが、製造コストの低減に大きく寄与するでしょう。

また前述のように、OLEDなどの他の方式のディスプレイの弱点となる特性を理解し、その特性が重要となる用途でマイクロLEDディスプレイを投入することも戦略上重要となります。「液晶のシャープ」と言われた同社が、マイクロLEDディスプレイにも乗り出してきたことに注目すべきでしょう。

まとめ

SID2019でのシャープの発表について紹介しました。マイクロLEDディスプレイは、世界中で多くの企業が研究開発に取り組んでいます。案外早く製品化されるかもしれません。

ソニーが発表したOLEDのマイクロディスプレイについては、こちらの記事「有機ELマイクロディスプレイのCMOSバックプレーンとは?」をご覧ください。

SID2019での注目のトピックについては、こちらの記事「SID2019のまとめ!マイクロLED、有機EL、ミニLEDバックライト」にまとめました。

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