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全固体電池が実用化すればEVが普及するかもしれない

投稿日:2019年5月6日 更新日:

欧州と中国を中心に、電気自動車(EV)を自動車の主流としていこうという動きがあります。自動車産業は巨大ですので、単純にテクノロジーの問題ではなく、政治・経済などの思惑が絡み合っているようです。現状では、まだまだガソリン車の比率が多く、とてもEVが主流といえる状況にはなっていません。どんなに強い政治力を駆使しても、テクノロジーに無理があったり、経済合理性が無ければ、自動車のような一般の消費者に販売する製品において主流になることはないでしょう。将来、本当にEVは主流になるのでしょうか?現在、EVの将来を左右する重要なテクノロジーである「全固体電池」の研究開発が進められています。以下に紹介します。

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全固体電池が実用化すればEVが普及するかもしれない

世界で販売台数の多いEVと言えば、日産自動車のリーフやテスラ・モーターズのテスラで、これらにはリチウムイオンバッテリーが搭載されています。その他のほとんどの車でも同様でしょう。電気自動車の普及を妨げている主な課題としてよく指摘されるのは、「満タンに充電しても走行可能距離(以下、「航続距離」)が短い」、「充電に時間がかかる」などです。これらはいずれもリチウムイオンバッテリーの特性に起因するものです。

リチウムイオンバッテリーは、製品化されているものとしては、現時点で最高の性能を発揮する2次電池です。リチウムイオンバッテリーが実用化できたから、現在のEVが製品化できたと言っても良いでしょう。それでも、ガソリン車やHVと比べて、航続距離や充電時間が弱点であることは間違いありません。バッテリーの性能が飛躍的に向上しなければ、この課題は解決できないのです。

現在研究開発が進められている次世代電池の「全固体電池」が注目されています。それは、全固体電池ならばリチウムイオンバッテリーに比べて、航続距離を2〜3倍、急速充電時間を3分の1にできる可能性が見えてきたからです。

ガソリン車と同様にカタログスペックと実際に使用した時の実績値には違いがありますが、リーフなどのスペックから考えて、航続距離が2〜3倍になればガソリン車と遜色ないでしょう。特に急速充電時間が3分の1になれば、外出先での充電もかなりやりやすくなります。日本では、マンションやアパートなどの住宅事情で、自宅に充電設備を設置できないケースは多いのですが、電気自動車用の一般の充電スタンドはかなり設置が進んでいます。商業施設でショッピング中に気軽に充電できるようになれば、かなり使いやすくなるでしょう。

リチウムイオンバッテリーは、これまでノートパソコンやスマホ、携帯用バッテリーなどの発火事故がありました。安全性の点で不安を感じることもあったのですが、全固体電池は固体電解質が高い難燃性と耐熱性を持つため、安全性にも優れています。そのため、リチウムイオンバッテリーの安全性を高めるために使用されていた冷却システムや空間が不要となり、バッテリーシステムで比較した時の体積エネルギー密度も大幅に向上します。

このような優れた特性をもつ全固体電池は、2020年代前半に実用化する可能性が高いです。その後、コストダウンのための製造方法の改良が続けられます。大手のEV用電池メーカーは、すでにリチウムイオンバッテリーに大規模な投資をしていますので、それを回収しつつ、全固体電池の価格低下を見ながら、どこかのタイミングで切り替えていくと予想されます。おおよそ2030年以降となるのではないかと考えられます。

つまり、2030年以降に全固体電池がEVに標準で搭載されるようになれば、急激にEVが普及する可能性が高いと考えられます。

トヨタ自動車はこれまでHVとFCVを本命視して来た

トヨタ自動車は、これまでEVは航続距離と充電時間の課題があるために主流にならないと考えていました。そのため、当面はHVとプラグインハイブリッド(PHV)、遠い将来には燃料電池車(FCV)を本命視しています。現時点では、EVを販売するメーカーが増えたとは言え、HVの方が圧倒的に多いので、間違いではないでしょう。しかし、自動車産業はグローバルビジネスですので、トヨタもEVの開発を進めています。HVやPHVのテクノロジーがありますので、EVを本気でやってできないわけではありません。あくまでもEVの課題があるために、多くの台数が販売できる車種に力を入れて来ただけです。

前述の全固体電池が実用化すれば、EVの課題の多くが解決できるので、トヨタ自動車としても積極的にEVを販売するのではないでしょうか?

FCVについては、日本のみが進めていて、国際的に孤立している状況です。車も国内専用車が廃版になる時代ですので、いつ研究開発が打ち切られるのか不安があります。しかし、トヨタ自動車は長期的な視点で取り組んでいますし、経済産業省も後押ししていますので、継続して欲しいものです。それは国のエネルギー政策と関わりが深いためです。1次エネルギーを輸入に頼っている日本としては、国内で創り出すことのできるエネルギーには研究開発を継続すべきでしょう。

最近は、廃プラスチックをマテリアルリサクルとして中国などの海外へ輸出できなくなりました。これを単純に燃やして発電に利用するサーマルリサイクルについては、二酸化炭素を排出するとして欧州などから批判を受けています。昭和電工が使用済みプラスチックから水素を製造する技術を実用化し、ホテルの燃料電池へ燃料となる水素を供給しています。このように廃棄物処理と組み合わせたり、他の水素源を開発するなどして、水素をエネルギーとして利用していける可能性は大いにあるでしょう。

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全固体電池が実用化すればクリーンエネルギーと相性が良い?

リチウムイオンバッテリーや太陽電池は、以前は日本メーカーが強い分野でした。しかし、中国や韓国メーカーの猛烈なキャッチアップにより、厳しい状況となっています。それは製品として成熟し、価格競争になってしまったことを意味します。

バッテリーの低価格化は、発電・電力網という観点で大きな意味があります。発電に関しては「発電コスト」が議論になります。1kW当たりに要するコストのことですが、太陽電池は急速な価格下落によって、大きく発電コストが下がっていると言われています。しかし、夜間は発電できないこと、日中でも天候によって発電が不安定になることなどから、最近は太陽光発電による電力の受け入れを電力会社が拒否する事例があります。

そのためバッテリーに発電した電力を蓄えておければ、不安定という課題が解決できます。これまではバッテリーの価格が高すぎて、このようなことをすると高くついたのですが、さらにバッテリー価格が下がれば経済的に合理性が出てくるでしょう。最近は太陽電池で発電した電力をその場で使う方針に転換するところが増えてきています。そのような場合でも、日中に蓄電し、夜間にも使うという点でバッテリーの低価格化は意味が大きいです。

まとめ

現在研究開発が進められている「全固体電池」について紹介しました。EVが主流になる時代が来るかもしれません。

トヨタ自動車は、これからの日本の人口減少に対応するために車種の削減を進めています。こちらの記事「トヨタは国内ディーラー統合と車種削減を進める!エスティマは消える?」で紹介しています。

日本の人口減少については、こちらの記事「平成は日本の人口減少・生産年齢人口減少が始まった時代!」で紹介しています。

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