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量子ドットディスプレイや有機ELにはバリアフィルムが必要

投稿日:2019年4月12日 更新日:

製品レベルでの最先端のディスプレイと言えば、量子ドットディスプレイと折り曲げ可能なフレキシブル有機ELでしょう。これらに用いられている量子ドットおよび有機EL発光材料は、水分や酸素に弱く、バリアフィルムが必要になります。最先端のディスプレイで用いられるバリアフィルムについて紹介します。

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量子ドットディスプレイや有機ELにはバリアフィルムが必要

量子ドットディスプレイとは、量子ドットを使用したディスプレイですので、厳密に言えば量子ドットの使用方法によっていくつかのタイプがあります。しかし、現状では、量子ドットフィルムをバックライトに組み込んだ方式の液晶ディスプレイが製品として販売されていることから、「量子ドットフィルムを組み込んだ液晶」を指すものと考えて良いでしょう。

量子ドットフィルムとは、国内では日立化成が製造販売するもので、数nmの半導体粒子をポリマーフィルム中に分散させたものです。ポリマーフィルムは、レジ袋やビニール袋のように、水を入れるとある程度中に保持できますので、水が通らないように見えますが、厳密には微量の水蒸気が透過します。したがって、ポリマーフィルム中に量子ドットを分散させただけでは、フィルム表面から水分や酸素が侵入してきてしまうので、短時間で量子ドットが劣化してしまいます。そのため、フィルムの両面にバリアフィルムを貼り合わせる構造となっています。量子ドットフィルム用のバリアフィルムについては、こちらの記事「量子ドットの耐久性は?バリアフィルム付でもスマホには使えない?」をご覧下さい。

有機ELの場合は、発光材料である有機化合物が水分や酸素により劣化しやすいため、封止します。従来は、ガラス基板で発光層を含む有機ELの素子全体を挟み込み、側面をシーリングすることで水分や酸素から発光材料を守っていました。ところが最先端のスマホ用有機ELでは、フレキシブルなポリマー基板が使用され、さらには折り曲げられるものも登場してきましたので、両面からバリアフィルムで挟んで保護する必要が出てきました。

バリアフィルムは、最先端のディスプレイを支える重要な部材と言って良いでしょう。

バリアフィルムとは?

そもそもバリアフィルムとは何でしょうか?前述のようにポリマー(プラスチック)のフィルムは、微量ですが水分や酸素を透過します。これらをバリアして通し難くしたものがバリアフィルムです。

通常は、ポリマーフィルム基板の上に何らかの無機材料の層を形成し、バリア性を付与しています。無機材料としては、酸化アルミニウム(アルミナ)などが用いられています。

バリフィルムは、実はディスプレイに限らず、身近ないろいろな場所で使用されています。例えば食品などのパッケージに使用されている袋も、中の食品の品質を長く保てるようにバリアフィルムが使用されていることがほとんどです。

ディスプレイの場合は、上記の用途においては透明性と曲げたりした際の耐久性が持たせた上での十分なバリア性が要求されます。バリア性能は、水蒸気透過率10-4[g/m2・day]程度が求められているようです。もちろん水蒸気透過率10-6[g/m2・day]などと、もっとバリア性能を高められれば良いのですが、コストが高くなるために、性能とのバランスとして水蒸気透過率10-4[g/m2・day]ということのようです。

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東レが独自のバリアフィルムを開発

バリアフィルムは複数のメーカーが製造・販売しています。以前は、バリアフィルムを貼るのではなく、もともとの基材にシリカや窒化ケイ素といった無機材料をスパッタリングで多層積層したタイプが主流でしたが、バリアフィルムを貼りつけるラミネート方式がコスト面で有利なため、現在はこれが主流となっています。基板フィルムにはPETが使用されることが多いようです。

折り曲げ可能なスマホ用有機ELでは、曲率半径1mmまで曲げられる可能性があり、無機材料で形成したバリア層が割れてしまうという課題がありました。数年前にこの課題を解決した製品を東レが発表しています。

曲率半径1mmの繰り返し曲げに耐えられるように、無機物のバリア層を薄くしたとのことですが、単純に薄くしただけではバリア機能が落ちてしまいます。薄いバリア層でも十分なバリア機能が発揮できるように、より緻密な無機物層を形成する技術を開発したとのことです。

このようなディスプレイ部材は、まだまだ日本企業の技術・製品が強みを発揮しています。

まとめ

量子ドットディスプレイやフレキシブル有機ELなどに使用されるバリアフィルムについて紹介しました。

量子ドットについては、こちらの記事「ディスプレイ用量子ドットの技術動向のまとめ」にまとめましたのでご覧ください。

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