幸せな人生

人生は山あり谷あり、楽しいこともあれば辛いこともあります。幸せな人生を送るためのノウハウ、独り言などを書いていきます。幸せな人生を送りたい方のヒントになれば幸いです。

有機EL

有機ELマイクロディスプレイのCMOSバックプレーンとは?

投稿日:

最近は、有機ELマイクロディスプレイなどの「マイクロディスプレイ」が活発に研究開発されています。マイクロディスプレイとは、高い解像度を持つ1インチ未満の超小型のディスプレイです。VRのHMDやビデオカメラなどのビューファインダーなどの用途向けに期待されています。そのバックプレーンにはCMOSが使われているようですので、紹介します。

スポンサーリンク

有機ELマイクロディスプレイにはCMOSが使われる

通常のテレビやスマホなどに使用される有機ELや液晶ディスプレイでは、バックプレーンとしてガラス基板上に低温ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor 薄膜トランジスタ)あるいは酸化物半導体TFTなどのTFTと、それらをつなぐ配線をしたものが用いられます。

ところがマイクロディスプレイの場合、画素密度が極めて高く、画素ピッチが小さいため、通常のテレビやスマホなどで使用されているようなTFTのバックプレーンは、配線・TFTを微細化することが困難なため、用いることができません。

例えば、2018年5月にソニーが発表した有機ELマイクロディスプレイ「ECX339A」は、0.5インチでUXGA(1,600×1,200)の高画素密度で、世界最小の6.3μm画素ピッチを実現しました。これほどの高い画素密度は、CMOSのバックプレーンを使用することで初めて実現されています。

極めて小型のディスプレイに、高精細で色鮮やかな映像が表示されるため、実物を見ると何だか魔法のようでドキッとしてしまいます。

(*この感覚は分かっていただけるでしょうか?以前、NHK技研の「技研公開」で13.3インチの超小型8K有機ELディスプレーを見たことがあります。リオのカーニバルの映像だったと思いますが、あまりにリアルで、13.3インチの画面の中に数100人もの人が押し込められているように見えて、鳥肌が立ちました。ハリーポッターなどの魔法の世界のように、本を開くとその中にリアルの人が居て動き出すような感覚です)

有機ELマイクロディスプレイのCMOSバックプレーンとは?

そもそもバックプレーンとは何でしょうか?回路基板の一種で、複数の電子回路を基板上に形成したもので、それ全体をあるコネクターなどで接続できるようにしたものです。パソコンの中に入っている回路基板などもバックプレーンです。

通常のディスプレイの場合は、画素ごとに電子回路が形成されており、それらが配線されて、まとめられてコネクターに接続できるようになっています。それにより、ディスプレイにパネルとして搭載することができますので、その基板回路のことをバックプレーンと言います。

通常の有機ELや液晶ディスプレイでは、前述のようにTFT回路が形成されているため、例えば低温ポリシリコン(LTPS)バックプレーンなどと呼びます。マイクロディスプレイではCMOSバックプレーンを使用します。

またCMOSとは、Complementary metal oxide semiconductorの略で、n型とp型のMOSトランジスタの組み合わせで構成される半導体の回路のことです。CMOSであれば、単結晶シリコンウェハ上に、数μmオーダーの微細なトランジスタが形成可能で、マイクロディスプレイに適しています。

ソニーはCMOSの画像素子で世界トップの技術力を持っており、このようなデバイス作りを得意としています。

スポンサーリンク

有機ELマイクロディスプレイの課題は?

有機ELマイクロディスプレイの課題はあるのでしょうか?

有機ELで、前述のような極めて高い画素密度のマイクロディスプレイを作製しようとすると、赤・緑・青の画素を蒸着方式で作ることは困難になります。蒸着方式ではメタルマスクを使用し、パターニングするのですが、その位置合わせ精度が画素密度の限界となってしまうからです。そのため、有機ELマイクロディスプレイでは、一般に赤・緑・青の発光層を積層し、白色光を作り出し、その上にカラーフィルターを配置する方式を採用しています。

その結果、カラーフィルターによって光利用効率が3分の1以下になってしまいます。高輝度に光らせるためには電流を多く流さなければならず、有機ELの寿命が短くなります。

また発光層を積層しているため、電子回路的には直列になっており、輝度(流す電流量)によって赤・緑・青の光強度バランスがずれるなどの課題もあります。

前述のソニーの有機ELマイクロディスプレイでは、材料や有機ELデバイスの層の厚さ・構造などを改良し、高いレベルで上記の課題を解決しています。もちろんカラーフィルター方式なので、その部分での光利用効率の低下は避けられませんが、現在販売されている有機ELテレビなどもカラーフィルター方式ですので、実用上問題ないレベルまでの効率となっているのでしょう。

まとめ

有機ELマイクロディスプレイについて紹介しました。PlayStation VRは人気が高いですが、HMDの画像の精細度については、もっと高くして欲しいという声は聞こえます。技術的には十分可能ですので、後は量産してコストが下がってくれば高精細なマイクロディスプレイが搭載される日も近いでしょう。

有機ELについては、こちらの記事「有機ELのまとめ」をご覧ください。

スポンサーリンク

-有機EL
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

LGは有機ELパネルを独占的に販売している!それでも赤字?

家電量販店のテレビ売り場に行くと、大型の有機ELテレビが並んでいます。引き締まった黒と鮮やかな色彩が美しく、思わず見入ってしまいますね。液晶テレビよりも割高ですが、有機ELテレビも年々値下がりし、液晶 …

有機ELの印刷方式の製造装置はどこが作っている?JOLED?

スマートフォンや大型テレビに有機ELが搭載され、普及し始めています。これらにはSamsungとLGなどにより、蒸着方式で製造された有機ELパネルが用いられています。蒸着方式により優れた有機ELを製造で …

ガンマ補正とは?ディスプレイの階調とフルカラー表示について

ディスプレイの特性についての話では、よく「ガンマ補正」という用語が登場します。ガンマ補正とはどのような意味でしょうか?ディスプレイの階調表示とともに理解しておくと良いでしょう。 スポンサーリンク

ランニングの効果は距離が短くても実感できる!体力増強!

社会人の場合、本格的に何かの競技に打ち込んでいるアスリートを除くと、仕事などで忙しくて運動不足になる人が多いです。身体は使わないと衰える一方で、気がつくと自分でも驚くほど体力が低下してしまうことがあり …

LGの有機ELはボトムエミッションで8Kが可能か?

スマホの高精細化が進み、スマホレベルの大きさのディスプレイでは必要十分な画素密度になっています。テレビ用のディスプレイは4Kが主流となり、研究開発として8Kにシフトしつつあります。液晶ディスプレイはか …