日本企業の研究開発費は海外企業に見劣りする?伸びてるの?

産業動向

日本の主要な電機メーカーの業績悪化により、日本の産業界の雰囲気は重いものを感じます。特に液晶ディスプレイ、ノートパソコン、スマホなど、日本企業が敗退した分野の印象が強く、将来、日本企業が産業分野での隆盛を取り戻すことができるのか気になります。ある程度の研究開発の勢いを示している研究開発費について日本企業と海外企業を比較してみましょう。

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日本企業の研究開発費は海外企業に見劣りする?

PwCが発表している2018年の研究開発費トップ5は以下のようになっています。

第1位 アマゾン 226億ドル
第2位 アルファベット(グーグル) 162億ドル
第3位 フォルクスワーゲン 158億ドル
第4位 サムスン電子 153億ドル
第5位 インテル 131億ドル

日本企業は以下のようになっています。

第11位 トヨタ自動車 100億ドル
第18位 本田技研工業 71億ドル
第37位 日産自動車 46億ドル

このPwCのランキングでは、アップルは第8位で約120億ドルです。しかし、アップルの2018会計年度(2017年10月~2018年9月)では、142億ドルとされています。

ソニーやパナソニックは、約40億ドルです。

自動車産業は、売上高が大きく、研究開発費が大きくなるのは納得できるのですが、日本最大のトヨタ自動車の研究開発費よりもアマゾンやアルファベット、アップル、サムスン電子の方が断然大きな研究開発費を投じていることは驚きです。

ソニーやパナソニックは、アップルやサムスンと比べて3分の1以下の研究開発費で戦わないといけないことを考えると、非常に不利な状況であることはよくわかります。

日本企業の研究開発費はトヨタは伸びている

研究には創意工夫が重要です。それでも、現在の製品は多くの発明が使用されており、それらを駆使し、さらに製造・販売するためには巨額の研究開発費が必要となります。多くの研究開発費を投じられる方が圧倒的に有利であることは論じるまでもないでしょう。

トヨタ自動車は2007年から2017年の10年間で、研究開発費を26%増やしています。また2007年には研究開発費ランキングで世界第3位でした。つまり、トヨタ自動車が成長していないわけではなく、研究開発費を増やしていないわけでもありません。世界ランキング上位のメーカーが急速に成長し、トヨタ自動車を追い抜いて行ったわけです。

業績が伸び悩んだソニーやパナソニックなどは、研究開発費を減らしました。シャープなどのように、経営不振で買収されてしまった日本企業もあります。

日本にとってせめてもの希望は、2007年にはパナソニックはアップルの7倍の研究開発費を使っていたということ。つまり、アップルも急成長して現在の地位を築いたわけですので、パナソニックやソニーも再び成長軌道に戻れる可能性はあるわけです。

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日本企業の研究開発費をファーウェイは大きく上回る

猛烈な勢いで成長しているのが中国のファーウェイです。PwCのランキングは入っていないのですが、週刊東洋経済2019年4/13号によると、147億ドルの研究開発費を投じています。アップルを上回る金額で、スマホの世界シェアは第2位のアップルに肉薄しています。特許出願数は世界1位で、高い研究開発力を持っていることは間違いありません。

現在、5Gの基地局などを巡り、米国政府と激しい攻防を繰り広げています。安全保障などの問題もからんで米中の国家間の争いに発展しており、日本にとっても無視できない緊迫して状況です。

中国企業が最先端の技術の中核を握るほど成長してきていることを再認識させられる出来事です。これまでは研究開発をして優れた製品を作り、販売すれば世の中の役に立つと単純に考えていましたが、もはやそれほど単純な話ではありません。

技術情報の漏洩に従来よりも格段に厳しい視線が向けられており、日本の大学などへもファーウェイなどからの資金提供を受け入れるか否かを慎重に検討しないといけない状況になりそうです。

まとめ

世界の企業の研究開発費は、日本トップのトヨタ自動車を大きく上回る極めて巨額な規模になっています。このような状況で、日本の最先端分野での技術水準を世界レベルに保つのは大変なことでしょう。国家として科学技術水準を引き上げる取り組みをしていかないと、さらに深刻な状況になりかねません。

日本の電機メーカーの衰退の一因については、こちらの記事「日本の電機メーカーはなぜ衰退したのか?復活できるのか?」で紹介しています。

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