幸せな人生

人生は山あり谷あり、楽しいこともあれば辛いこともあります。幸せな人生を送るためのノウハウ、独り言などを書いていきます。幸せな人生を送りたい方のヒントになれば幸いです。

テクノロジー

自動車のフロントガラスの樹脂化は難しい?帝人が実現!

投稿日:2019年3月14日 更新日:

近年は自動車の燃費向上が世界的に進められてきました。ハイブリッドや電気自動車などの新しいパワートレインの採用が話題となりますが、車体の軽量化による効果も重要です。「重量のある部品を樹脂化する」という取り組みも進められる中で、フロントガラスの樹脂化が注目されています。

スポンサーリンク

注目!
▼▼自動車と関連産業・技術動向についてはこちら▼▼
自動車と関連産業・技術動向のまとめ

自動車のフロントガラスの樹脂化は難しい?

ガラスは密度が高く、フロントガラスだけでもかなり重量がありますので、樹脂化による軽量化は大きな効果があります。しかし、これまで自動車の量産車では、フロントガラスの樹脂化が実現していませんでした。その原因の一つは、樹脂の傷付き易さにあります。

例えば、新幹線の客車の窓に使用されているポリカーボネートは、機動隊の盾に使用されるほど耐衝撃性が優れているのですが、表面を擦ったりした時の強度(耐擦傷性)はそれほど強くなく、傷が付き易いです。この傷によって樹脂の透明性が損なわれ、すりガラスのようになってしまいます。

自動車のフロントガラスの場合は、雨が降った時などにワイパーを動かしてフロントガラスに付いた雨滴などを拭き取らなければならず、その時のワイパーによる摩擦で簡単に傷がついてしまうようでは、前が見難くなってしまうので使うことができないのです。

樹脂の耐擦傷性は、それぞれの樹脂固有の性質ですので、単純なようでかなりの難題です。

自動車のフロントガラスの樹脂化に帝人が成功!

この問題に帝人が挑戦し、長い研究開発の末に解決しました。帝人は1998年からポリカーボネート(PC)による自動車の窓ガラスの樹脂化の開発をスタートしました。当初から前述の「傷付きやすい」という問題に直面し、樹脂表面を耐擦傷性の高い材料でコーティングする方法に取り組みました。いわゆるハードコート層を設けたわけです。

実は、前述の新幹線の客車の窓も帝人のポリカーボネートが使用されており、その表面にはハードコートが形成されています。これにより、新幹線の窓に使用するには十分の耐擦傷性が得られているわけです。しかし、それでは自動車のフロントガラスに用いるには不十分な耐擦傷性でした。

そこで帝人は、このハードコート層の上に、さらに高い耐擦傷性を有する層を追加しました。これはプラズマCVDドライコート技術という独自技術を開発して初めて実現したものです。2005年から月島機械株式会社と協力して開発したそうです。

スポンサーリンク

自動車のフロントガラスの樹脂化が法改正で可能に!

自動車のフロントガラスの樹脂化は、技術だけの問題ではありません。2017年7月から適用される新しい保安基準(ECE R43 rev.4)によって、初めて法的にも認められるようになりました。

京都大学発のEVメーカーであるGLMが製造/販売するスポーツEV「トミーカイラZZ」に、帝人が開発した世界初のポリカーボネート樹脂製フロントウインドウを採用が採用されました。オープンカーのフロントガラスなのですが、ガラスの枠部分(Aピラー)を無くすことに成功しています。これは樹脂化したことで初めて実現したものです。

このように樹脂化は、軽量化だけでなく、ガラスでは実現できないような形状や他の部品の省略などの可能性もあります。

まとめ

自動車のフロントガラスの樹脂化について紹介しました。ポリカーボネートによる樹脂窓の採用が広がりそうです。

▼▼自動車と関連産業・技術動向についてはこちら▼▼
自動車と関連産業・技術動向のまとめ

スポンサーリンク

-テクノロジー
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

日本の電機メーカーはなぜ衰退したのか?復活できるのか?

東芝の経営危機、シャープの鴻海精密工業傘下入り、パイオニアの上場廃止とベアリング・プライベート・エクイティ・アジアによる買収、ジャパンディスプレイの台湾・中国の企業連合の傘下入りなど、日本の主要な電機 …

アップルとクアルコムの和解はなぜ?テクノロジーの重要性を再認識!

2019年4月16日(現地時間)に、米国のアップル(Apple)とクアルコム(Qualcomm)は、特許ライセンスをめぐる一連の訴訟を取り下げることに合意したことを明らかにしました。スマホの中でiPh …

日本の学会の会員数は減少している!科学技術の未来は大丈夫か?

科学技術立国を標榜する日本の研究開発水準が低下していることを示唆する指標・事実等が、いろいろと指摘されています。あまり取り上げられることが少ないのですが、学会の会員数の減少も土台から日本の科学技術力を …

研究開発の必要性・リスクとは?人材不足は危機的な状況

日本では古くから「技術立国」という言葉がよく使われています。「国土が狭く、資源も乏しいこの国では、世界最高水準の科学技術を活用して国を支えていくべきである」という考え方を表す言葉です。 実際、これまで …

マイクロソフトが折り畳みスマホで再参入!勝算はあるの?

衝撃のニュースが伝わってきました。米国のマイクロソフトは2019年10月2日(米国時間)に折り畳みスマホの「Surface Duo」を発表したというニュースです。何が衝撃かというと、「マイクロソフトが …