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有機ELを印刷方式で作る時の発光材料は?住友化学が強い?

投稿日:2019年3月13日 更新日:

SamsungのスマホGalaxyだけでなく、AppleのiPhoneにも有機ELパネルが採用され、今後のスマホのディスプレイの主流になりそうです。大型の有機ELテレビも、LGだけでなく、ソニー、パナソニック、東芝からも発売されました。これらの有機ELは、蒸着方式により製造されています。JOLEDから印刷方式の有機ELが発売され、いよいよ本格的に印刷方式による製造が始まろうとしています。印刷方式用の発光材料について紹介します。

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有機ELを印刷方式で作る時の発光材料は?

冒頭で述べましたように、GalaxyやiPhone、各社の大型テレビは、蒸着方式で低分子系の発光材料を使用して製造したものです。蒸着方式では、メタルマスクによる発光材料の損失が多かったり、真空下で蒸着を行うための装置が高額で、そのプロセスにもコストがかかるなどの課題があります。

なぜ印刷方式が注目されているのかと言うと、メタルマスクを使用せずにRGB(赤・緑・青)のサブピクセルの塗分けが可能で、真空・減圧などのプロセスが不要であるためです。大幅に発光材料の損失を減らし、製造設備の簡略化・製造プロセスの改善によるコスト削減が期待できます。

このような魅力のある印刷方式では、インクジェットプリンターと同様に印刷するためのインクが必要となります。これらのインクは、高分子(ポリマー)系の発光材料です。高分子系の発光材料は、分子設計により溶剤に溶けるようにすることができ、インクとすることが可能です。これをインクジェット用のヘッドで、有機ELパネルのサブピクセルごとに正確に塗布していきます。溶剤はすぐに揮発し、発光材料は定着します。

有機ELを印刷方式用高分子系発光材料で作るメリットは?

有機ELを印刷方式用高分子系発光材料で作るメリットは、前述の印刷方式によるメリットに加えて素子構造を簡単にできる点にもあります。

低分子系発光材料を蒸着方式で有機ELの素子にした場合は、通常は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などの5層以上の積層構造となる。しかし、高分子系発光材料の場合は、正孔注入層と発光層などの2~3層という簡単な積層構造で済みます。

これは高分子系の場合、一つの分子の中に、発光性・電子輸送性・正孔輸送性を有する構造をすべて組み込み、これらのバランス(比率)も調整できるためです。これが高分子化学の優れている点です。

積層する層数を減らすことができれば、製造コストを大幅に減らすことができる可能性があることは言うまでもありません。

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有機ELの印刷方式用高分子系発光材料は住友化学が強

印刷方式による有機ELディスプレイは、現時点ではJOLEDが発売したばかりですので、これから市場ができて成長していく段階です。そのため印刷方式用高分子系発光材料の市場シェアも、まだ十分なデータがあるわけではありません。高分子系発光材料は、住友化学やMerckなどが販売しているようですが、これらの相互の比較・シェアも不明です。

それぞれの企業が公表している情報や国際会議での発表論文などから、住友化学が開発し、販売している高分子系発光材料は優れた特性のもののようです。

同社は1989年頃に共役系高分子を用いた発光材料による有機EL発光を報告しています。それ以来、30年近くも研究開発を続け、ようやく高分子系発光材料が有機ELの最先端の材料として立ち上がろうとしているわけです。ポリイミドにしても同様ですが、このように考えると材料開発の時間軸の長さを感じます。これほどの長い期間、地道に研究開発を継続しないと、市場が開けないわけです。もちろん長期間研究開発を続けたからと言っても、事業として成功しないリスクもあります。

現在のディスプレイ産業で使用される材料の多くは、日本メーカーが供給していることを考えると、今後も日本は根気強く材料開発を継続すべきと思います。

まとめ

有機ELの印刷方式用高分子系発光材料について紹介しました。これから印刷方式でどこまで行けるのか楽しみです!

有機ELについては、こちらの記事「有機ELのまとめ」もご覧ください。

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