幸せな人生

人生は山あり谷あり、楽しいこともあれば辛いこともあります。幸せな人生を送るためのノウハウ、独り言などを書いていきます。幸せな人生を送りたい方のヒントになれば幸いです。

マイクロLED

マイクロLEDディスプレイの製造工程改良に役立つ大学の研究

投稿日:2019年3月5日 更新日:

微小なLEDを画素として、膨大な数のLEDを配列した「マイクロLEDディスプレイ」は、ソニーなどによって高い性能が実証されたこともあり、次世代ディスプレイとして注目されています。しかし、赤色・緑色・青色の微小なLEDを大量に製造し、それを正確に配列・実装する製造工程に多額のコストがかかることから、これらのコストを低減するための研究開発が進められています。大学からの提案について紹介します。

スポンサーリンク

マイクロLEDディスプレイの製造工程改良に役立つ大学の研究

マイクロLEDディスプレイは、ソニーが初めて試作品を展示し、さらに大型ディスプレイとして製品化しました。SamsungやLGも巨額の研究開発費を投じ、猛烈にキャッチアップしようとしています。さらにAppleもマイクロLEDディスプレイのベンチャー企業を買収するなど、世界の大企業が研究開発に取り組んでいます。

このような状況で、桁違いに少ない研究費と、少人数で研究を進める大学から優れた研究成果が生まれるのでしょうか?正直なところ、正面からガチンコ勝負をしても大変でしょう。

しかし、大学での研究は、最終的な製品を製造することに意味があるわけではなく、独創性の高い実証実験ができれば良いわけです。一見すると、ちっぽけな試作品かもしれません。それでもそこに世界初のアイデアや試みがあり、それを大企業が投資して、実際の製品に役立てば良いのです。大学が製造をするわけではありません。

そのような観点で見れば、もしかしたら将来役立つ独創的な研究成果が大学から生まれる可能性は十分にあります。次項から、最近注目されているスパッタリングを用いる方法と、希土類を用いる方法について紹介します。

マイクロLEDディスプレイの製造工程をスパッタリングで改良

マイクロLEDディスプレイの製造工程が高コストになる原因の一つに、窒化物半導体のLEDを高温MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長)またはMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)成長により製造していることがあります。これらはスループットが低く、高温プロセスであるためです。また高価なサファイア基板を使用することも原因の一つです。

東京大学生産技術研究所の藤岡洋教授の研究グループでは、スパッタリング法を用いて、低コストのガラス基板上に窒化物半導体のLEDを作製する技術の開発に成功しました。これはPSD(Pulsed Sputtering Deposition:パルススパッタリング堆積)法」という方法で、MOCVDよりも生産性が高い。またMOCVDでは1,000℃程度の高温プロセスであるのに対し、スパッタリングでは500℃以下の低温プロセスが可能なために、基板の選択肢が増えます。

これまでに安価なガラス基板上で、GaNの青色と緑色のLEDとInGaNの赤色のLEDの作製に成功しています。特にInGaNの赤色のLEDは、500℃以下という低温プロセスだからこそ作製可能とのことです。

ガラスはアモルファスなため、ガラス基板上に直接作製すると、結晶性が乱れ、品質が下がります。そこでガラス基板と窒化物半導体の間にグラフェンバッファー層を使用することにより、劇的に結晶性が改善したとのことです。今後の展開に注目です。

スポンサーリンク

マイクロLEDディスプレイの製造工程を希土類で改良

マイクロLEDディスプレイには、光の3原色である赤色・緑色・青色のLEDが必要です。緑色と青色のLEDは、GaNで作製できますが、赤色のLEDはGaNでは作製が困難です。従来からある赤色LEDは、GaAs系半導体で作製されています。LEDを作製するための結晶成長プロセスでは、それぞれの結晶系に適した基板を使用しなければなりません。しかし、それぞれに適した複数の種類の基板上でそれぞれの色のLEDを製造すると、最終的には同じバックプレーンに並べなければならず、製造コストを高くする原因となります。

理想的には、1つの基板上で一気に3原色のLEDを並べて作る方法が望まれます。そうすれば3色のLEDを個別にピックアップして並べる工程が省略でき、劇的に生産性が向上する可能性があるからです。

大阪大学の藤原康文教授の研究グループでは、このような着眼点から、GaNで赤色のLEDを作製する方法を考案しました。具体的にはGaNに希土類のEu3+(ユーロピウムイオン)を添加する方法で、実際に赤色の発光を得ることに成功しています。これにより、GaNで3原色に発光するLEDの作製に成功したことになります。今後の展開に注目です。

まとめ

次世代ディスプレイの本命と言われるマイクロLEDディスプレイに関する最近の大学の研究成果について紹介しました。日本の大学の活躍に期待したいです!

マイクロLEDについては、こちらの記事「マイクロLEDとミニLEDのまとめ」をご覧ください。

スポンサーリンク

-マイクロLED
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

SID2019でミニLEDバックライトがさらに前進!花開くか?

米国サンノゼでSID Display Week 2019が開催されました。シンポジウムでの多くの発表に加え、併設される展示会での最先端の試作品の展示があり、ディスプレイ分野の最新動向を知ることができる …

マイクロLEDディスプレイの製造装置をブイ・テクノロジーが販売

微小なLED素子が画素となり、それらを大量に並べて高精細な画像を表示することができるマイクロLEDディスプレイは、次世代のディスプレイとして注目を集めています。これまでにソニーなどが開発し、高い性能が …

ミニLEDとマイクロLEDの違いは?ディスプレイとして普及する?

次世代のディスプレイとしてマイクロLEDが注目されています。非常に似ているものとしてミニLEDディスプレイというものも登場しています。マイクロLEDとミニLEDとは何が違うのでしょうか?その用途と普及 …

マイクロLEDディスプレイの課題は?普及するの?

ディスプレイの分野では液晶ディスプレイが最も普及しており、最近は少しずつ有機ELが普及し始めました。そして、次世代のディスプレイとしてマイクロLEDディスプレイが注目されています。マイクロLEDディス …

SID2019でマイクロLEDの展示が相次ぐ!シャープ!京セラ!

世界最大のディスプレイの国際会議Display Week 2019がSID(Society for Information Display)の主催で、米国サンノゼで開催されました。シンポジウムにエキシ …