身の回りを見れば、高画質の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイがいろいろなところで使われています。もはや高画質というだけでは多くの人は驚かなくなり、次の付加価値を付けるべく、曲面ディスプレイや曲がるディスプレイの研究開発が続けられてきました。既にいくつかのものが製品化され始め、いよいよ本格的に普及が始まろうとしています。曲面ディスプレイと曲がるディスプレイについて紹介します。
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曲面ディスプレイと曲がるディスプレイ

また「曲がるディスプレイ」とは、「ディスプレイ表示画面を必要に応じて繰り返し曲げ伸ばし、あるいは巻き取ったり広げたりできるもの」を意味するものとします。同様に、一般的にもそのような意味で用いられ、英語ではFlexible Display、Bendable Display、Foldable Display、Rollable Displayなどと呼ばれています。
ディスプレイと言えば、従来は表示画面が平面状のものがほとんどで、主な用途であるテレビ、スマートフォン、モニターなどにおいては、それで問題無く使用できています。しかし、用途によっては曲面形状の方がデザイン面でインパクトがあったり、使い易かったりすることもあり、多くのメーカーが曲面ディスプレイと曲がるディスプレイに注目しています。
次項からさらに曲面ディスプレイと曲がるディスプレイについて詳しく解説します。
曲面ディスプレイのメリットは?

もっとも盛り上がっているのが車載用のディスプレイです。インストルメントパネルやセンターコンソール部分のディスプレイでの利用が計画されており、すでにアウディのA8ではセンターコンソール部分に搭載されています。
曲率半径R800 mm程度のものまでは液晶ディスプレイでも作ることができ、ジャパンディスプレイ(JDI)やシャープが積極的な試作展示を行い、量産車への採用を目指しています。JDIは得意の低温ポリシリコン(LTPS)のTFTの高画質ディスプレイを開発し、シャープは酸化物半導体のIGZOのTFTを用いた高画質ディスプレイを開発しています。両社ともスマホ向けで培った高画質技術を駆使したものですが、シャープのものは長方形ではなく、表示画面の外周の形状も曲線とした「フリーフォーム」形状という特徴があります。
実は、曲面ディスプレイとしては、数年前にLGの有機ELテレビに採用され、販売された実績があります。大型になるとテレビ正面に座った時に周辺部分が見難くなるというコンセプトで、左右の両端が前側に来るような曲面としたものです。しかし、斜めから見た時に余計見難くなるということだったのか、それとも曲面にした有り難さがあまり感じられなかったのか、現在は日本では販売されていないようです。
有機ELは、自発光のディスプレイでバックライトが無く、構造的にもシンプルなので、液晶よりも曲率が小さい(曲げがキツイ)ものが作製可能です。今後、車載用に展開される可能性も高いですが、車内はより高温になるなど高い耐久性が要求されるため、曲げに対する特性以外の性能面で十分な性能を持っていることを示していく必要があるでしょう。
曲がるディスプレイのメリットは?

最近もっとも注目されているのが有機ELを用いた折り畳み式のスマートフォンです。SamsungとHuaweiが2019年発売予定の折り畳みスマホ、Galaxy FoldとHuawei Mate Xを発表しました。複数のメーカーが開発するスマホが、技術的に成熟してきて差別化が難しくなる中、新しい領域を切り拓きそうな期待があります。しかし、価格がかなり高いので、最初はそれほど多くの台数が売れないのではないかと予想されますが・・・。
またLGは画面をロール状に巻き取って収納できる大型の有機ELテレビを発表しました。2019年の発売予定です。
まとめ
現在注目を集めている曲面ディスプレイと曲がるディスプレイについて紹介しました。これから続々と製品化されそうです。
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