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有機EL

フレキシブル有機ELのTFTとポリイミドなどの基板材料

投稿日:2019年2月15日 更新日:

有機ELが大型テレビやスマホに搭載され、普及し始めています。将来の有機ELとして期待されているのが「フレキシブル有機EL」で、プラスチックフィルムのように巻き取ったり、折り曲げたりすることができます。建物内に搬入が難しいような大型ディスプレイも、巻き取った状態ならば搬入しやすくなりますし、スマホならば折りたたんでコンパクトにできます。このようなフレキシブル有機ELの研究開発のポイントはTFTとフレキシブルな基板材料です。以下に解説します。

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フレキシブル有機ELとTFT

有機ELは、多数の画素を配列し、それらを適宜発光させて画像を表示する「ドットマトリックス」型のディスプレイです。列方向と行方向に電極を配置し、それらを使って順次画素に電圧を印加して発光させていく「パッシブマトリックス駆動」の有機ELも初期の頃は作られましたが、現在のように高精細な動画表示をするためには「アクティブマトリックス駆動」にする必要があります。

アクティブマトリックス駆動では、各画素にTFTの回路を形成します。有機ELの場合は、一つの画素に対し、選択用TFTと駆動用TFTの合計2つが必要です。選択用TFTのスイッチング動作によりコンデンサーに画素データを書き込み、その電圧に応じて駆動用TFTにより有機ELに電流を流して発光させます。

フレキシブル有機ELとTFT材料

TFT材料としては、一般にアモルファスシリコン(a-Si)や低温多結晶シリコン(LTPS)などのSi系TFT,In-Ga-Zn-O(IGZO)などの金属酸化物半導体を用いた酸化物TFT,有機半導体を用いた有機TFTなどがあります。

有機ELのディスプレイでは、駆動用TFTに高い移動度が必要で、また選択用TFTについても高速のスイッチングが要求されます。そのため、大型の液晶ディスプレイで主流のアモルファスシリコンでは移動度の点で性能を満足できません。

LTPSは、100cm2/Vs以上の高い移動度が可能ですが、TFTを形成するためのプロセス温度が高く、使用できるフレキシブル基板が限られます。またエキシマレーザーを用いたアニールが必要で、50インチ以上の大型の有機ELに適用することが難しいです。

有機TFTは、移動度が低かったのですが、研究開発により10cm2/Vs以上のものが報告されるようになり、期待されます。有機TFTは湿式のプロセスが可能で、プロセス温度も100~150℃まで下げられるため、フレキシブル基板の選択肢も広がります。現状では信頼性等に課題があります。

酸化物TFTは、り10cm2/Vs以上の移動度があり、スパッタにより形成できるため、プロセス温度を300~400℃まで下げることができ、もっとも注目されているTFTです。リーク電流が低く、低消費電力化が可能です。

SamsungはLTPS、LGは酸化物のTFTのフレキシブル有機ELを国際会議等で発表しています。

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フレキシブル有機ELのTFTプロセスと基板材料

フレキシブル有機ELのTFTプロセスの温度により、基板に要求される耐熱温度が決まります。

LTPSでは、プロセス温度が500℃程度であり、ポリイミド以外に選択肢はないでしょう。またTFTの品質はプロセス温度を高くするほど良くなる傾向があり、ポリイミドの中でも特に耐熱性に優れるものを使用してギリギリという状況です。そのため、さらに耐熱性の高いポリイミドが求められています。また室温からプロセス温度まで昇温し、プロセス後に室温まで下げる必要がありますので、線膨張係数も小さなものが求められ、その点でもポリイミドが優れています。

酸化物は、プロセス温度が300-400℃ですが、ポリイミド以外に選択肢はないでしょう。ポリイミドは耐熱性を高めるほど着色する傾向があります。ボトムエミッション方式が用いるには基板が透明である必要があるため、プロセス温度を少しでも下げられると有利です。

まとめ

フレキシブル有機ELのTFT材料・プロセスと基板材料について解説しました。

TFTについては、こちらの記事「TFTのまとめ!簡単に理解できます!」をご覧ください。

有機ELについては、こちらの記事「有機ELのまとめ」もご覧ください。

参考文献:藤崎好英、中田充、NHK技研 R&D, No.167, 2018.1, p.4.

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